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【ターザンの雄叫び】

 2004年にJR加古川線(兵庫県)が電化したことを記念し、同路線が通過する西脇市出身の芸術家・横尾忠則氏デザインのラッピング電車が運行されることになった。
 横尾氏が当初提供したデザインは『見る見る速い』『滝の音、電車の音』『銀河の旅』『走れ!Y字路』『ターザンの雄叫び』の全5案。
 このうち前4者は実際に運行されたが、本件『ターザンの雄叫び』は、神戸新聞によると「ターザンの叫ぶ表情が同じJR西日本で発生した福知山線脱線事故(2005年)と重なるという声が出かねない」というJR西日本側の懸念を受け、北播磨県民局が自粛を決定したという。
 この経緯を県民局は横尾氏に伝えずに別のデザインを要請、第6案『文豪』が製作されたが、ラッピング交換の予算不足のためにこちらも実際の運行ができなかった。
 横尾氏は脱線事故の影響であることをのちに知り「驚き呆れている」とコメントしたという。
 
 『ターザンの雄叫び』は後に写真という形態で「あいちトリエンナーレ2019」の「表現の不自由展・その後」で、同じ作者の【暗黒舞踏派ガルメラ商会】とともに出展された。

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