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【世界平和統一家庭連合】

ヒトシンカ （ 『シンカ論マガジン』『センサイクロペディア』 ）

※【統一教会】からも転送されています。

　1954年に【韓国】で発足した宗教団体。かつての名前は世界基督教統一神霊協会（略称・統一教会。以下本項でもそう呼称する）で、文鮮明を教祖とする。
　日本での霊感商法と信者からの献金を主な資金源としており、いったん入信するとその金銭要求は極めて過酷である（韓国本国ではそれほどでもないらしい）。また独自の儀式として、教団によって相手をも指定される「合同結婚式」が有名。

　男女は結婚まで純潔であるべきとする、いわゆる純潔運動を行っている宗教は世界に幾つもあるが、統一教会もその一つであり、純潔を妨げるものとしてポルノ・性表現について排撃を繰り返している。

　従って、後述するようなフェミニストなどが【表現の自由戦士】に貼りたがっているレッテルとは裏腹に、規制反対派と統一教会は不倶戴天の敵なのである。

　また近年は韓国といえば、左派的な人がシンパシーを抱く国とされがちである。しかし、統一教会は創設時、朝鮮戦争の休戦直後であり、むしろ非常に強い反共意識を持つ宗教である（というかそもそも共産主義が反宗教的ではあるが）。主要な関連組織である政治団体”国際勝共連合”の名称も「共産主義に勝利する」という意味合いである。

　そのため右翼的・保守的な倫理道徳とはむしろ親和性が強い。青少年健全育成や児童ポルノ法などの保守系の規制推進に積極的に関わっており、過激な（と彼らはいう）性教育や同性愛者の権利擁護などの動きには反対している。
　また各国で反共団体として利用されていたため、単なるカルト教団と侮れない政治的な繋がりを持っている。

教祖・文鮮明の発言より

　その「潔癖」ぶりは教祖本人の発言だけを取っても異常なものである（以下、ブログ「ちゃぬの裏韓国日記」より引用）。

『サタンがこの世の家庭を破綻させています。同性愛、フリーセックス、人倫破壊等によって人生を台無しにする戦略を用いています。真の父母の祝福理想だけが、サタンの戦略に勝利し、本然の理想を成すことができるのです。』

（真の御父母様の生涯路程11）

『真の愛は貴いものなので、真の愛を蹂躙するということは宇宙的な犯罪になるのです。不倫、青少年たちの淪落、家庭破綻、近親相姦、同性愛、形容し難い性犯罪など、今日の現実は神様を悲しませています。』

（「宇宙の根本」より　1985年8月20日のみ言葉）

『フリーセックス、ホモセクシュアル、レズビアン、このようなものはあり得ないのです。終末となり、人類の歴史上になかったものが、あからさまに太陽世界に現れるようになったのです。この宇宙においてあり得ないものが、あからさまに現れるようになったのです。愛の秩序も、すべて完全に破滅です。ですから、アメリカは、地獄のどん底になっているということを知らなければなりません。愛の秩序を完全に破壊し、麻薬を中心として、男性と女性の生理的秩序を完全に破壊したのです。それは何かというと、生きた若い青年たちを破壊させることです。道義や秩序というものを破壊させることです。』

（「宇宙の根本」より　1983年3月20日のみ言葉）

『アメリカのホモセクシュアルやレズビアンのような人々はどうですか。これは自分勝手な愛です。すればするほど破壊されていくのです。破壊をもたらすのです。人間破綻、家庭破綻、子女破綻、国家破綻、世界破綻、宇宙破綻をもたらすというのです。破壊されれば自然になくなります。人間がそうなる時は、この人類が滅亡するのです。』

（「宇宙の根本」より　1983年3月6日のみ言葉）

『このようになるのが原則なのに、同性愛？　それは動物もそうしません、動物もそうではないのです。そんな人は、畜生にも劣るのです。』

（「宇宙主管を願う前に自己主管を完成せよ」より）

『独身生活は、罪の中の罪です。先祖を否定して、男性は女性を、女性は男性を否定して、夫婦は、子女を否定する罪の中の罪です。それは、天地法度をすべて無視するのです。そのようにすれば、一代で、すべてなくなります。
（略）
　ですから、白人たちが好む“ホモ”について行ってはいけません。黒人と有色人種たち!　警告します。そのようなことをしていると、将来というものがなくなってしまいます。滅亡です。世代を下っていくにつれ、家庭という概念がなくなってしまいます。「家庭は要らない。夫婦は要らない。子供は要らない。いかなる関係も必要としない。」と言って、滅びてしまうのです。罰が当たります。
　そのことを、よく知らなければなりません。間違いなく滅びます。ホモは、一代でいなくなるのです。フリーセックス、エイズがうつって、今、アフリカは滅びの危機に瀕するようになっています。』

（私たちの家庭はどうすべきか　2001年1月29日　ニューヨーク）

青少年健全育成法・条例の推進

　同教団が2010年に秋葉原と吉祥寺に開催。当時の石原都政における東京都青少年健全育成条例改正に際したもの。
　名前の通り総合的には純潔運動の行進であるが、「有害情報から青少年を守ろう！」「児童ポルノの規制を強化しよう！」「出会い系サイト、有害サイトを廃止しよう！」などの表現規制にまつわるテーマが含まれている。

イベントを報告する会員のブログ
『やや日刊カルト新聞』記事より

　また2012年には石原都政を礼賛する社説を『世界日報』に掲載しており、その中でも漫画・アニメの表現規制を推進している。

　これまで１３年間に及んだ石原都政は東京に活力を与え、全国の自治体を牽引してきたのは間違いない。
　そうした施策と実行力はぜひ継承してもらいたい。
　その代表例が「破壊的な教育改革」（石原氏）だろう。低迷する都立高校の活性化へ横並び主義の学区制を全廃し、式典での国旗に向かっての起立や国歌斉唱の指導を徹底した。
　また、職員会議での採択禁止など校長権限を強化し、教職員組合が支配しがちな学校運営を正した。
　また徳育や青少年の健全育成に力を注ぎ、過激な性描写のある漫画やアニメなどを規制する改正青少年健全育成条例を制定した。
　こうした教育改革や子供を守る施策の流れを断ち切ってはなるまい。

【社説：世界日報】 東京都知事選　漫画やアニメなどを規制する改正青少年健全育成条例など、石原都政の流れを断ち切ってはなるまい
（元記事削除のため転載された掲示板から。強調は引用者）

　そもそも条例改正案（いわゆる「非実在青少年」問題）が騒がれていた当時、条例賛同の署名をさかんに集めていた「有害環境から子どもを守る会」という団体があったことが知られている。
　実はこの団体も統一教会との繋がりが明らかになっている。この団体は国連NGO「世界平和女性連合」の肝煎りで設立されたものであり、その世界平和女性連合というのが文鮮明氏の妻で共同で「総裁」の地位についていた韓鶴子氏である。

　石原都政が過去のものとなった後も統一教会の姿勢は変わらず、2016年の「日本統一運動NewsLetterVISION2020」にも6月15日号に「青少年健全育成基本法の制定を求める」文言が見受けられる。

「日本統一運動NewsLetterVISION2020」2016年6月15日号より

コンビニ類似図書の排除

　さらに同紙は2015年にもコンビニの成人雑誌（【類似図書】)排除を唱える社説を掲載している。

同性愛への敵対

　前掲の引用でも随所に現れているように、文鮮明は自身が「堕落」と考える様々な性解放の中でも、同性愛を異常なまでに毛嫌いしている。

統一教会では同性愛は創造の原理に反する不自然な関係であるとして否定されているので、この問題を克服できない者は、当然教会に残ることはできない。

「洗脳」「マインドコントロール」の虚構を暴く
第五章 統一教会の結婚観について

文鮮明氏（故人）が1954年に韓国で設立したキリスト教系の新興宗教、世界基督教統一神霊協会（統一教会）。以前から同性愛を認めない立場を鮮明にしていたが、渋谷区が「同性パートナーシップ制度」導入する方針を打ち出して以来、反同性愛的なチラシを同区内で配布するなど活発な動きを見せている。

【キリスト教保守と韓国社会-2-】統一教会だけじゃない!! こんなにある「お騒がせ教団」

　現実の同性愛者だけではなく表現にもその攻撃は及んでいる。
　2008年12月にBL界隈では有名な表現規制事件「堺市立図書館BL小説廃棄要求事件」が発生しているが、同事件を煽ったのが『世界日報』である。

アンチ「表現の自由派」に対するレッテル

　同教団は宗教と関係のない一般的なテーマのイベントなどに、出自を隠したりして関連団体を通じた主催や賛同などを行うことがある。
　そのため表現規制反対派の人物が出席や賛同したイベントなどに、教団が賛同などの形で接触してくることもあり、こうした場合には規制派フェミニストなどが狂喜乱舞して「【表現の自由戦士】は統一教会がらみだ！」とレッテルを貼ろうとするのが通例である。

　しかしこれまで見てきたように、統一教会の教義は「表現の自由」とは両立しようがなく、言い掛かりであることは言うまでもない。実際にレッテルを貼ろうとした実例も、子細を検討すれば言いがかりであったことが判明するのは、いつものことである。

　ちなみに、フェミニストをはじめとする規制派は「オタクはロリコン！日本はロリコン大国！萌え絵はペド表現！」呼ばわりすることが極めて多い。しかし統一教会の象徴ともいえる「合同結婚式」では、女性側が年上のいわゆる「姉さん女房」となるケースが多いという。

　要するに同一勢力が貼ろうととしている2枚のレッテルが相矛盾しているわけであり、彼らのレッテルが全く当てにならないことがこうした側面からも見て取れるのである。

参考リンク・資料：

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