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知ってるだけでだいぶ違う、人類学を勉強する無料のツール

読書メモ以外の用途もあってよくないかと思って、今日はほんの短く人類学を勉強するのに役立つツールをシェアしたいなと思いました。(もう知っていて「あったり前じゃん」という人もいるのかもしれませんけど。)わたし自身、結構この手の「界隈の常識」について不案内なことも多く、知ってるか知っていないかだけでずいぶん違っただろうなという経験も多かったです。なので思いついたら、できる限り勉強をサポートするツールはシェアしたいと思いました。

今日シェアしたいのはこちらです。Cambridge Encyclopedia of Anthropologyです。

The Cambridge Encyclopedia of Anthropology (CEA) とは、今伸びつつあるオープンアクセスの教育&学習用リソースです。社会人類学の分野における学識に、世界中の専門とする人もそうでない人もアクセスしやすくすることを目的にしています。全てのエントリは分野を牽引する学者たちによって執筆され、査読されています。

と、このようにトップページに書かれています。まず注目したいのは何よりもオープンアクセスである点です。無料でこのリソースを利用できるので、現在どんどん学費が跳ね上がる一方でどんどん貧しくなっている私たち学生にとっては(書いてて悲しい)とてもありがたい取り組みをされているわけです。最近立て続けに人類学の入門書が複数出版されました。どれも素晴らしいものです。ですが中にはちょっとお値段がねというものもあるのが事実です。一度読んだらおしまいという本ではなくて、幅広いテーマや学説史や学者について書かれているので、手元に置いて気になった時にサッと確認する。そういう利用の仕方をするにはやっぱり買いたい。けど高い…。そういう悩みのある私たちにとって、スマホやパソコンさえあればサッと確認できてさらにオープンアクセスなリソースは知っておくべき大事なツールですよね。

最初のページはこんな感じになっています(わかりやすくするためにスクリーンショットを掲載させていただきます。)経済、親族、宗教など人類学者が昔から取り組んできた領域があるのがわかります。

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自分が知りたいことが何となくどのあたりにあるのか見当がついていれば、どれか押してみましょう。さらに下位分類に入っていくことができます。例えば宗教に入ってみると、こんな感じになっています(またスクリーンショットを掲載させていただきます。)例えばアニミズムといった項目があります。そしてそれがいつ・誰によって書かれているのかも一目でわかります。

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いつ・誰が書いたのかは、利用する私たちにとってとても重要ですよね。特に私たちは今勉強をしている最中なので、信頼にたるもの/そうでないものを判別する能力もまた発展途上です。それぞれのエントリは専門家によって執筆されそして査読されていると書いてありましたよね。だから、例えば何となくレポートを課された単語でググって、ヘンテコなサイトにたどり着いて、信頼されていなかったりアップデートされていなかったりする情報にたどり着くことを防ぎやすくなります

気になるエントリをクリックすると、充実した項目の内容がでてきます。これについてはイメージは載せませんが、みっちりと論じられているのがわかると思います。そもそもどんなことが問いとされてきたのか、どのような議論の流れがあったのか、さらに何が問われるべきなのかなどぎっしり書かれています。

そして私たちにとって助かるのは、充実した文献表も掲載されていることです。既存の紙媒体の事典などを使っているとわかるのですが、やはりスペースの都合で、項目の後ろに紹介されている文献の数には限りがあります。これはオンライン媒体ならではの良さだと言えます。この項目を読んで終わるのではなく、何を伝いに勉強を続ければ良いのか、充実したガイドがくっついています。

サッとこのように紹介して終わりにしたいと思います。知らなかったという方はブックマークに入れておくと便利だと思います。事典はとにかくサッと引けることが大事だとわたしは思います。ブックマークされたこのサイトは、勉強机の隅に置かれている辞書のようにして使うのが良いと思います。

レポートを課された時に活用することもできます。関連する項目をしっかり読んで、載せてある文献も読めば、考え始めることができる知識はつくと思います。しかし注意すべきは、この内容をレポート課題や理解のゴールにするのではなく、スタートにするべきだということです。これを使って勉強している際に、必ず何らかの疑問や、もっと深く入っていきたい概念などが頭に湧いてくるはずです。漠然と目の前に並べられた情報を眺めて終わりにするのではなく、その中に入っていき、自分の視点を持つ努力をすることが何よりも大事ではないでしょうか。視点を持つために学ぶことは、忘れてはいけないと思います。




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