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3つの脳内物質から分かる幸福感~「減る幸福」より「減らない幸福」~

こんにちは、ひとり好きのチロです。

「内向的・隠居・幸福感」をテーマに、ひとりでいることが好きな方に役立つ情報を発信しています。

今回は「幸福感」に関するお話。

以前の記事で、人間の幸福感には主に3つの脳内物質が関わる、という解説をしました。

・セロトニン的幸福
・オキシトシン的幸福
・ドーパミン的幸福

の、3つの脳内物質ですね。

今回は、その内容に基づいて、「減る幸福」と「減らない幸福」がある、というお話をしていきます。

最初に少し触れておくと、

ドーパミン的幸福は減りやすく、
セロトニン的幸福とオキシトシン的幸福は減りにくい

と言われているんですね。

今回も、精神科医の樺沢紫苑さんの著書「精神科医が見つけた3つの幸福」を参考に、詳しく解説していきます。

また、3つの脳内物質の基本な要素に関しては、以下の記事を参考にしていただけますと嬉しいです。


1.「お金が増えれば幸せになる」は、正しい?

冒頭で、ドーパミン的幸福は減りやすい、という説明をしました。

そこで、最初は、ドーパミン的幸福の結びつきやすい「お金の幸福」について、解説していきます。

①「お金」と「ドーパミン」

私も含めて、多くの人は仕事を頑張ることで収入を得ているかと思います。

「頑張って働いてお金を得れば、幸せになれる」

そんな考え方が、無理をして仕事を頑張ってしまう理由の一つだとも言えるでしょう。

しかし、本当に、お金をたくさん稼ぐことが、幸せに繋がるのでしょうか?

これは、プリンストン大学のアンガス・ディートン教授の研究によって、明らかにされています。

その研究によれば、

「年収200万円の人が400万円に増えると幸福度も上がるものの、年収800万円を超えると、幸福度の上昇は微々たるもの」

という結果が出たのです。

つまり、ある程度までは「お金があると幸せになる」と言えますが、次第に幸せは増えなくなる、とも言えるんですね。

お金が増えると、ドーパミンが分泌されるため、たしかに幸福感を感じることは出来ます。

しかし、ドーパミンは「もっともっと!」を要求する脳内物質。

同じ刺激を受けたとしても、より大きな刺激がないと、ドーパミンは出なくなってしまいます。

ドーパミン的幸福を手に入れても、継続しにくいのです。

「お金の幸福」にも、これが当てはまってしまうため、お金が増えても幸せを感じにくくなってしまうんですね。

これは、お酒で考えると分かりやすいかと思います。

お酒を飲むだけでも、ドーパミン的幸福は感じられます。

ですが、最初は1缶で幸せを感じられていても、次第にその幸せに慣れていき、2缶、4缶、ボトル1本……と、飲酒量が多くなってしまうのです。

これも、ドーパミン的幸福が継続しにくくなるためです。

②仕事の収入でも気を付けたい、ドーパミン的幸福

では、年収800万円になるまでは、人間はドーパミン的幸福を感じ続けることが出来るのでしょうか?

これに関しては、「出来るけれど、かなり難しい」というのが結論でしょう。

まず、昇給でドーパミン的幸福を感じるためには、

・給料が上がり続けること
・頑張り続けること

という、2つの条件を満たすことが必要になります。

たとえば、月収が2万円アップしたとしましょう。

このとき、ドーパミンが分泌されて幸せを感じられますが、3か月もすれば、その幸せは感じられなくなってしまいます。

翌年に、再び2万円アップしたとしても、「去年と同じ程度の昇給か……」と脳は感じてしまいます。

これも、「ドーパミン的幸福は減りやすい」という性質のせいです。

「もっと給料増えないかな」
「なんで、うちの会社はこんなに月収が少ないんだ!」
「自分の成果が給料に反映されていないじゃないか!」

と、逆に不満が芽生えてしまうのです。

その翌年、さらに翌年に、4万円、6万円……と増えていけば、ドーパミン的幸福を感じ続けることは出来るかもしれません。

しかし、昇給は会社の経営や運営方針に左右されてしまうため、そこまで順当に給料を増やすのは現実的に難しいでしょう。

この時点で「給料が上がり続けること」という条件は、満たせなくなります。

それでも、ドーパミン的幸福を感じたいがために「収入を増やしたい!」と考えてしまうと、恐ろしいループにハマることになります。

①収入を増やすために、残業や仕事を掛け持ちして、頑張る。

②睡眠不足や運動不足に陥る。

③それでも収入が上がらないので、もっと頑張る。

④収入が上がっても、すぐに幸せを感じられなくなるため、①に戻る。

このループを繰り返しているうちに、精神的にツラくなってメンタル疾患になったり、脳卒中や心筋梗塞といった病気になってしまうのです。

結局、自分の目標とする収入に達する前に、体を壊してしまう、ということです。

ここで「頑張り続ける」という2つ目の条件も満たせなくなるため、昇給でドーパミン的幸福を感じ続けるのは「かなり難しい」のです。

③内向型と、ドーパミン的幸福 (考察)

これは個人的な考察になってしまうのですが、内向型と外向型で、ドーパミン的幸福との付き合い方は異なる、と考えています。

というのも、内向型と外向型とでは、使っている神経伝達物質が異なるんですね。

外向型はドーパミン、内向型はアセチルコリンという神経伝達物質が優勢に働きます。

外向型はドーパミンに敏感なため、活動のために大きな刺激を必要とします。

外向型は、刺激を求めることで、アドレナリンとドーパミンをどんどん増やし、元気になるのです。

逆に言えば、外向型は刺激に慣れやすく、ドーパミン的幸福が減りやすいとも言えます。

そして、内向型の場合は、外向型ほどドーパミンに敏感ではないので、小さな刺激でもドーパミン的幸福を感じることが出来ます。

音楽で例えてみましょう。

たとえば、外向型が大きなライブ会場で大音量の演奏を楽しんでいるとします。

しかし、内向型は、イヤホンを付けてちょうど良い音量で音楽を楽しむほうが、好きだったりするんですね。

外向型がちょうど良いと思えるドーパミン的幸福に合わせようとすると、内向型は、むしろ疲れてしまいます。

内向型は、ドーパミン的幸福で疲れてしまわないように慎重に付き合う必要がある、ということです。

よければ、参考にしてみてくださいね。

なお、内向型と外向型の脳の働きについては、以下の記事も参考にしていただけると嬉しいです。

2.「減らない幸福」とは?

ここまで、ドーパミン的幸福、お金の幸福はすぐに減少してしまう、ということを解説してきました。

逆に、セロトニン的幸福とオキシトシン的幸福は減少しない、あるいは減少しづらいと言えます。

おさらいをすると、セロトニン的幸福とは、心身共に健康なときに感じる爽やかな幸福感。

オキシトシン的幸福は、人間関係の中で「嬉しい」「楽しい」と感じたときの幸福感です。

たとえば、朝に起床して、健康な体で窓を開けて、気持ちの良い風を感じたとしましょう。

「なんだかスッキリして、心地良い」

と感じるかと思います。

翌日も同じように起床できれば、同じように「スッキリして、心地良い」と感じるでしょう。

それが1週間、1か月と連続で続いたとして、

「あぁ、もう健康な体に飽きたな」
「もう心地良い風は感じたくないな」

とは、感じないでしょう。

オキシトシン的幸福についても、同様です。

たとえば、あなたに赤ちゃんが生まれたとしましょう。

抱き上げれば赤ちゃんは笑顔になり、とても幸せな気持ちになるかと思います。

翌日も、その1週間後も赤ちゃんが同じ反応を続けたとしても、

「もう赤ちゃんに飽きた」
「可愛いと感じられない」

とは思わないでしょう。

赤ちゃんに限らず、恋人や友人、家族、ペットなど、あなたが心から愛情とつながりを感じている人に対しては、幸福感が持続しやすいと言えます。

このように、セロトニン的幸福とオキシトシン的幸福は減少しづらく、ドーパミン的幸福は減少しやすい、ということです。

だからこそ、幸福感の基盤はセロトニン的幸福とオキシトシン的幸福で、しっかり固める必要があるのです。

加えて、ドーパミン的幸福は、あくまで付加的な幸福であり、人生の「スペシャルイベント」的な要素となるでしょう。

あなたが「健康」と「良好な人間関係」を保ち続ける限り、

・幸福が根本から崩れることはない
・ドーパミン的幸福を楽しむ機会も得られる

ということですね。

3.まとめ

それでは、今回の内容をまとめていきましょう。

・セロトニン的幸福とオキシトシン的幸福に比べて、ドーパミン的幸福は減少しやすい

・お金の幸福は、ドーパミン的幸福であるため、その幸せは長く続かない

・継続しやすいセロトニン的幸福とオキシトシン的幸福を基盤に、生活を考える

今回は、この3点がポイントになります。

今後も「ひとりの時間」を充実させる情報をどんどん発信していきます。
それでは、ここまで読んでいただきありがとうございました!

読んでいただきありがとうございます!皆さんの「ひとり時間」が良いものになりますように。