共感して疲れてしまう方へ。「自分と相手の感情を分ける」思考。
こんにちは、ひとり好きのチロです。
「内向的・隠居・幸福感」をテーマに、ひとりでいることが好きな方に役立つ情報を発信しています。
今回は「自分と相手の感情を分けよう」というお話をしていきます。
繊細な方、特にHSPさんは、
「職場で上司や先輩の顔色を窺ってしまう……」
「他人が怒られていると、自分も怒られているように感じる……」
「パートナーの感情に振り回されてしまう……」
「相手の負の感情をキャッチすると、ずっとモヤモヤする……」
といった悩みを抱えることも多いのではないでしょうか?
そういった気持ちが少しでも楽になる考え方を、紹介していきたいと思います。
1.共感力が強く働き過ぎてしまうとき
繊細な方が他人の感情を意識して疲れてしまうときは、むやみに共感してしまっている可能性があります。
冒頭で挙げた例を、もう少し深く掘り下げてみましょう。
①職場で上司や先輩の顔色を窺ってしまう
「あの先輩、声が大きいな。
何か嫌なことがあって、怒ってるのかも。
もしかして、私の報告に問題があったのかも……。
うーん、謝りに行ったほうがいいのかな?
あ、眉間にシワが寄ってる……やっぱり怒ってるんだ。
やっぱり謝りに行こうかな?
もっと仕事手伝ったほうがいいのかも……」
このように、他人の怒りの感情に気付いて、モヤモヤ考え続けてしまう場合、共感力が働き過ぎていると言えます。
もしかすると、先輩は自分と関係ないところで怒っているだけかもしれません。
しかし、私たちは「もしかしたら自分が……」と、まるで、自分事のように受け取ってしまうんですね。
もう一つ、例を紹介します。
②他人が怒られていると、自分も怒られているように感じる
「あ、Aさんが先輩に怒られてる……。
すっごく怒ってるな……あんな言い方しなくていいのに。
Aさん、悲しそうだな……何か言ってあげたほうがいいのかな。
うぅ……見てるだけで辛い。
どうしよう。後で相談に乗った方がいいのかな……」
こんな風に、「他人が怒られている=自分も怒られている」というように感じてしまう場合も、共感力が強い状態です。
こういった状況だと、自分も同じように辛くなってしまい、仕事に集中できなくなる方も多いのではないでしょうか?
これは職場だけに限りません。
たとえば、買い物中に子供を怒鳴りつける声が聞こえてしまった。
すると、自分も辛くなり、買い物に集中できなくなってしまった。
カフェやレストランで食事をしていると、従業員を叱る声が聞こえてきた。
すると、自分も怒られたように思い、食事を楽しめなくなった。
こういった、日常の些細な場面でも、共感力が強く働いてしまうことは多いのです。
2.自分と相手の感情を分ける「課題の分離」
さて、共感力の強さによって疲れてしまうような環境にいる場合、まずはそこから離れられないか、を考えてみましょう。
ひとりになれる場所に移動する。
怒っている人がいる場所から距離を取る。
耳栓で音だけでも遮断する。
こういった対策が考えられます。
しかし、職場や家族など、離れられない場合もあると思います。
かといって、周囲の人たちの振る舞いをすぐに変えることも不可能です。
「自分が共感しないようにする」というのも無理ですし、何より勿体ない。
何故なら、繊細な方・HSPさんの共感力は、適切に使えば、とてつもない長所になるからです。
それを押さえつけながら生活するなんて、悲しいですよね。
そこで、繊細な自分はそのままに、受け取った感情の解釈を変える、「課題の分離」という方法を紹介したいと思います。
「課題の分離」は、アドラー心理学の要素の一つ。
・自分にコントロールできること。
・自分にコントロールできないこと。
この二点を分けるためのテクニックです。
①まず、自分が共感している感情とモヤモヤをハッキリさせる。
最初に紙を準備して、
・自分はどういう感情をキャッチしているのか
・それに対して、どういうモヤモヤを抱えているのか
これを書き出してみましょう。
今、書くものが無い方は、頭の中で客観的に自分と向き合ってみましょう。
「他人が怒られていると、自分も怒られているように感じる」の例で考えてみると……
感情:Aさんが「怒られている」、先輩が「怒っている」→怒り
モヤモヤ:自分も怒られている気持ちになる
という風に書き出してみます。
感情については、「誰がそういう感情なのか」という主語も書けるといいですね。
②その感情は誰の課題か、を考えてみる
そして、この感情を客観的に見てみると、
怒っているのは「先輩」
怒られているのは「Aさん」
ということになります。
つまり、この怒りの感情は先輩やAさんの課題であって、自分の課題ではない、ということですね。
相手の感情は、こちらではコントロールできないことなので、相手の課題です。
このように、「その感情は誰の課題なのか」を理解することが、受け取った感情の解釈を変えるコツになります。
あなたはあなた、他人は他人。
それぞれに感情があり、他人の感情にあなたが踏み込む必要はない、ということですね。
怒る人の声や振る舞いは、あくまでその人の課題。
「何か嫌なことがあって、怒ってるのかも」
「何か言ってあげたほうがいいのかな」
と悩んで、自分を追い詰める必要はまったくないんです。
とはいえ、強く共感することがクセになっていると、この「課題の分離」を行うのは少し難しいかもしれません。
私も、この考え方を知ったときは、「そんなこと言ったって無意識に共感しちゃうんだから、無理だよ」と思っていました。
ほんの少しずつ試していくうちに、
「あ、これは自分が悩むことじゃないな」
「自分ではコントロールできないことだ」
と、気付けるようになった感覚があります。
ぜひ、共感力でモヤモヤしたときは、試してみてくださいね。
なお、繊細な方向けの「課題の分離」については、
心理カウンセラーである中島輝さんの著書
「繊細すぎる自分の取扱説明書」で詳しく書かれています。
興味のある方は、ぜひチェックしてみてくださいね。
3.最後に
さて、ここまで「自分と相手の感情を分けよう」というお話をしてきました。
他人の負の感情に共感して傷ついたり、「どうしよう」と悩んでいるときは、繊細さんにとって非常にツラい時間だと思います。
「課題の分離」を利用して、あなたにとって安心できる時間を大切にしてくださいね。
今後も「ひとりの時間」を充実させる情報を発信していきます。
それでは、ここまで読んでいただきありがとうございました!
読んでいただきありがとうございます!皆さんの「ひとり時間」が良いものになりますように。