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black opalを採りに ①行き方

Gold Coastからレンタカーで12時間かけて行った。

black opal を産出するLightning RidgeはAustraliaのNew South Wales州に位置する。地図上ではGold Coastの少し西へ内陸に入ったところ。

そう、地図上では少し。だが国土が広大なので、直線距離で約800km。日本でいうと、みんなもよくドライブするような東京-広島間ほどの距離。今回はGold Coastで他にも用事があったので(おまけ編で書く)、出発地点はGold Coast縛り。

1.交通手段

①レンタカー、②飛行機、③バスと約3種類ある。

電車もあるにはあるけど、南に大回りして片道2日。Sydneyからだと12時間ほどで電車でいけるみたい。国土が広すぎて電車がほとんど役に立たない。

①レンタカー

5日間借りて約600豪ドルと日本とあまり変わらない価格帯。借りたのはKIAの5人乗り。後ろ座席倒して荷物たっぷり載せられる。スーツケース2個も余裕。むしろお得?

Coolangatta空港(Gold Coast最寄り空港)のHertzカウンターでレンタルスタート。他にもavisさん、budgetさんなど各社レンタカー会社のカウンターが空港にしっかりあります。駐車場の使ってるスペース見た感じ、Hertzレンタカーが一番在庫豊富なので、直前予約ならHertzが良さげ。

Gold Coastでストレスなくレンタカー借りるならジャストレンタカーさんが良さそう。すべて日本語でいけて、指定ホテルでレンタカーの貸し出しスタート&返却いけるのは魅力。ただしお値段はそれなりに上がる。

今回、行きの飛行機便が機材整備により1日遅延というトラブルにより、Coolangatta空港のHertzカウンターへ日本から電話で予約を修正する高難度ミッションが発生した。自分の英語スキル不足はもちろんだけど、英語での電話はめちゃつらい。Aussie英語の特殊な発音、そして予想もできない質問を何度も問いかけられるからめっちゃ鍛えられる。予約番号伝えたらスタッフさんの目の前の画面でDB参照して電話対応してくれるのは日本だけなので、資料を目の前に広げて万全の準備で臨みましょう。

②飛行機

Lightning Ridgeには空港がいちおうある。ただし、Cunnamulla、
Toowoombaと2つの都市間でのAustralia国内便しか飛んでいない。

Google Mapで見ると小型機が一機だけ見える。

やな予感しかしないので却下。

③バス

レンタカーとどちらにするか非常に迷った。運転しなくて良いから楽だし。ただ、1週間に火曜と金曜の2便しかなく、途中2回乗り換えが発生する。つまり、不測の事態が発生して時間ロスが生まれた瞬間、詰む。

バス運行会社:Bus Queensland

実際、成田発の飛行機が1日遅れたのでバスにしてたら詰んでた。


オーストラリア国内でオリジナルな長距離度をするなら、不測の事態が起こってもよいよう、レンタカー推しです。


2.道順

ざくっとこんな感じ。実際走行すると、Google Mapの経路長と時間は点と点と結んだ直線の単純計算なんじゃないかと思う。

ドライブで気になったことがいくつか。

①街間の距離が100~200km
②オーストラリア人の働き方(朝型で夕方には仕事終了)
③日没後は満天の星空の下でドライブ
④サイレントヒル


①街間の距離が100~200km

サービスエリアが充実している日本じゃ考えられないが、オーストラリアは街間の距離が100~200kmはざらで、しかもその間にガソリンスタンドも何もない。現地に行くと当たり前だが、荒野の中で問題となるのが、水、電気、食料の有無。何十kmもパイプやケーブルを数軒のためだけに伸ばせないしね。延々とこんな風景の中を進む。ガードレールも何もない。

よってAussieは、生きるのに必要な物資を車に全て積み込んで移動している。ガソリンも積むんだって。キャンピングカー引いてる牽引車や後ろが荷台になっているピックアップトラック車を頻繁に目にする。Brisbaneから50~60km内陸に入ると基本ごつい車だらけ。ちなみに都市間を結ぶこの道路、すべて無料。どうやって維持してるんだろう。というかよくこれだけ舗装路を作ったものだと思う。

②オーストラリア人の働き方(朝型で夕方には仕事終了)

現地に行って初めて知った、オーストラリア人の生態。基本、朝が早い。ふらりと立ち寄ったGold Coastの工具屋さん、平日はなんと朝7時からオープン!しかしPM6時には閉店。このスケジュール感で回ってるショップを割とよく見る。なので必然、滞在してるだけで体内時間がリセットされる。夜になると沿岸部の繁華街以外は、飲食店以外ほとんど閉まる。染みついた夜型生活を治したい人にとってはすごくいい環境。

店内は日本で見たことないほど工具類の品ぞろえ豊富。Milwaukee、Makita、DeWALTといったメーカーの製品がこれでもかというくらい陳列してある。送風機とか発電機とかとか。工具好きにはたまらない環境。

③日没後は満天の星空の下でドライブ

延々と続く道路。内陸部では30km程走っても対向車とすれ違わないこともよくあった。そして上記の写真の通り、舗装路以外何もない。つまり街灯がない。そう、車を停めてエンジン切ると、東京では絶対にお目にかかれない満点の星空が頭上に広がっている。Milky Wayと名付けられたのが一目で納得する天の川。星が多過ぎて星座なんてわからない。この星空をお目当てにAustraliaで命をかけてドライブするのもいいと思う。

なんで“命をかけて”なんてフレーズが出るかって?

答えは簡単。日没後の都市間の地域は人間でなく、動物達の世界だからだ。カンガルー、ウサギ、エミュー、コアラ、羊、ヤギなどなど、ドライブしている間に動物園気分を十分味わえる程、動物たちを見た。

ここからは動物好きな人、怖いの嫌な人は読むのやめましょう。トーンも物語調の文体へと変わります。

④サイレントヒル

日没後のAustraliaドライブはサイレントヒルの世界。

特にカンガルー、生息数が多いのもあってか、道路上で車に跳ねられてBodyを野ざらしにしてる個体を5~6kmに1体のペースで目にし続ける。道路の脇ならまだいいほうで、道路のど真ん中に位置しているものも何度か遭遇した。昼のドライブ時に血痕が染みついてるのは頻繁に遭遇。田舎に行けば行くほど、清掃の手が回っていないのか放置されている。

そう、夜になるとサイレントヒルの世界に入り込んだ錯覚に陥る。

夜行性のカンガルー達は、道路そばの草を食べにやたら集まってくる。車でそばを駆け抜けるとこっちをじっと見つめる個体もいるし、並走するのもいるし、車の直前を何度もぴょんぴょん横切られもした。5~6kmに1体のペースで死体を目にするということは、それ以上の頻度で生きてるカンガルーに遭遇するのだ。何度事故りそうになったかわからない。

対向車に出くわさない限り、2車線道路の真ん中を走り、ライトはもちろんハイビームで、カンガルーを遠目でみかけたらクラクション鳴らしまくって威嚇する。早い段階でこの攻略法見つけてよかった。おかげで1頭も撥ねずに済んだ。

カンガルーの死体を避けて車が横転、もしくは対向車と激突なんて悲しい交通事故を海外からの旅行者が時々起こすそうだ。究極の選択となるが、自分が死ぬかどうかで、カンガルーを撥ねる選択を一瞬でしなければならない。翌朝聞いた話だが、Aussieは日没後は都市間の移動をしないらしい。理由は危ないから。とても明確。昨夜night driveしたよと言うと誰もが信じられないって顔する。

スピード落としてゆっくり行けばいいじゃんという声ももちろんあると思う。結果オーライなのも踏まえてだが、motelのチェックインができるか怪しかったのだ。この冬という季節に加え、Australia内陸部はエリア的に非常に冷え込む。車中泊で寒過ぎて入院なんて事態は避けたい。

Outback motelというLightning Ridgeで最も大きいmotelに予約したが、check inが20時までとwebサイトに記載があった。予約時にLate check inで22:30と備考欄に書いたが、飛行機便の遅れでcheck in日を1日遅れにしてもらってるのも後押しして、怪しさが加速する。

あと、Lightning Ridgeの手前100kmほどのエリアで携帯の電波がなくなってカーナビが機能しなくなるイベントも発生した。さすがにこれは想像してなかった。参った。

道端の看板と、付近の街名の記憶だけを頼りにクラクション鳴らしまくりながら進む。次、電波怪しそうなエリアに行くときは紙の地図も必ず持っていこう。あ、ちなみにカーナビは標準搭載されておらず、ただのディスプレイで、ラジオとAuxは付いてる。ただ、Androidを車のUSBに接続するだけで、備え付けのただのディスプレイがカーナビになった。Android Naviほんと良くできてる。

どうにかmotelにたどり着いたのは結局23:30。

motelの受付に「20時以降はここに電話して」という張り紙に従って電話かけるが、結論ダメ。どれだけ「予約してます」「Late Check inの申請もした」と言っても電話の向こう側のおじちゃんは「今夜は満室だ」の一点張り。

これはあれだ。このおじちゃんは今夜はもう仕事したくないモードに入ってるやつだ。こちらがどれだけ正しい主張したとしても、こういう時は何言ってもダメ。10分粘ったけどダメだった。海外あるあるなパターン。ベッドから半身出して電話出てるねこれは。

結局、車中泊。ただ、寒すぎて夜中に目が覚めた。日中20度、明け方5度という天気予報だったが絶対嘘。エンジンつけてヒーターつけて、10分したらエンジン切って寝ようと心の中で誓う。次、意識が戻ったのは、明るい日の光で目を開けた時。今の車は勝手にエンジン切ってくれるんだね、バッテリー上がってなくてよかったよかった。

目覚めてmotelの受付行ってcheck in とあわせて昨夜の話をしたら、信じられない!という顔芸とともに「Go to Bed!」て叫ばれた。みんなリアクション大きいから面白い。

おまけ。部屋の掃除はmotel全体が広すぎてゴルフカートをフル活用!


これにて行き方編終了!


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