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弱点と長所への考察、出来ちゃうってことは時に欠点になる

瀬山亜津咲さんは美しいダンサーで、ドイツを拠点とするピナバウシュのダンスカンパニー、ヴッパタール舞踏団に長らく所属している。
ピナバウシュのドキュメンタリー映画、
「Pina / ピナバウシュ 踊り続けるいのち」
で、亜津咲さんのダンスを見て、わたしは一瞬にして彼女の虜になった。

https://youtu.be/Nihr5yqcHGg
ドキュメンタリー 予告編

https://youtu.be/u15d-AT9OLg
フルムーン 瀬山亜津咲ソロダンスパート


彼女のインタビュー記事の中で、
「私はダンサーを職業としている人間ですか、最近では、“踊れてしまう”ということが弱点であると強く感じでいます。」
「自然に踊れてしまうということは、“踊れる”という衣服のようなものを着てしまっているのと同じ。だからそれを脱いで、素っ裸の自分になって踊るよう、心がけています。」
と答えている。

他人が出来なくて、自分が自然に出来てしまうことって、普通だったら長所とか美点になると思うんだけど、彼女はそこを自分の弱点でもあるとしている。
普通の人より簡単にそのことをやってのけるのは才能であるのと同時に、そうでない人がそこにたどり着くまでの道のりが、とても大事だということを承知している。

何かしら人より簡単に出来ちゃうことは、カッコいいこと。でも、どんな才能でも、自分が“出来てしまう”からといって傲慢になると、その真の能力を失ってしまう。

その“衣服”を無意識のうちに厚着してしまわないように。

「テクニックだけが際立つ表現というのは、逆にその表現者の“荒探し”を始めたくなるのだ。反対に、ただ立っているだけでも強いエモーションを感じさせてくれる表現者に出会うと、無条件にこころが吸い寄せられてしまう。」

ファッション業界でもそうだけど、プロフェッショナルと言われる人が作ったものよりも、学生の強いメッセージが込められた作品の方が胸に響いてくる時だってある。服を作ったことのない人が試行錯誤して出来たものが発見に満ち溢れていることだってある。

わたしがセルフエンプロイド(自営業、フリーランス、起業家)にならず、一社員として今の会社に属したい理由は、『日々、学びたいから』っていうのがおおきな理由でもある。
もちろんセルフエンプロイドこそ毎日が挑戦と学びだと思うのだけど。
わたしの性格上、切磋琢磨する仲間がいつもまわりにいること、チャレンジ出来る環境が常に整っていることが大事だ。それによってわたしの能力という“衣服”は、たまにズタボロになったりもするけれど、決して厚着することなく、毎日が発見で溢れている。

持っている能力を活かすために、“衣服”を脱ぎ捨てる覚悟がある。
それが出来る人が、ほんとうのプロフェッショナルなんだろうな。


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