見出し画像

SE女子の妊娠体験レポート(後期編)

こんにちは!システムエンジニア(SE)兼イラストレーターのHitomiです。

私事ですが、ありがたいことに第一子を授かりました。
いよいよ臨月に入り、出産予定の月になります!
今回は妊娠後期の体験談を残してみたいと思います。

↓前回の記事はこちらです。

産休に入ったSE女子🏖️

産休に突入!

妊娠34週目(労働基準法上で産休を取得できる週数)より、産休に入らせていただきました。
人手不足極まる業界であること、未経験で入社して4年が経ってようやく貢献できるようになったかというところで産休に入ること、プロジェクトへの参画が中途半端になること…様々な不安がありましたが、チームメンバーがカバーしてくれ、快く送り出してもらいました。
お陰様で無事に引継ぎができ、自分の中で区切りをつけて産休に入ることができたと思います。
チームメンバーには心から感謝しています!

産前休業中は、以下のようなことをして過ごしました。
出産育児の準備はおおむね完了していたため、出産育児に関する情報収集や、心身をいたわる時間にあてさせていただいています。

・安産のための運動(ウォーキング、ストレッチ、ヨガ、家事)
・睡眠時間の確保
・育児知識の取得(読書、Eテレ番組の視聴)
・これまでの妊婦生活を振り返る(家族アルバムの作成、noteへのアウトプット)
・スキルアップ(Udemy講座で技術の学習)
・社外の方にキャリアの相談をする
・カフェなどで一人時間を過ごす
・夫婦二人の時間を過ごす
・家の掃除や私物の断捨離を行い、身の回りを整理する
・趣味(絵を描く、趣味の本や漫画を読む、アニメやドラマを視聴する)

産休育休=サバティカル休暇と捉えてみる

中期編にも記載していましたが、周囲に産休を取得しているSE女子がいなかったりと、産休に入ることでキャリアに対しての漠然とした不安を持っていました。
しかし、実際に産休の時間を過ごしてみると、仕事から離れることでプラスの面も多いと感じました。
例えば、以下の点です。

  • 出産育児、社外の人との関り、趣味など仕事外の活動が増えることで、別の視点からキャリアを検討することができる。
    (産休中に社外の方にキャリアの相談をしたり、スキルアップのための講座を受講したりする中で、様々な先入観があったことに気が付くことができました。また、子どものことや趣味の時間を取る中で、自分が何を優先したいかを検討することができました。)

  • 仕事を続ける=キャリアアップではない。
    (振り返ると同じような業務に費やす時間もあり、必ずしも大きなスキルアップにつながっていなかったと感じます。)

  • 産前の時間を使って生活を見直し、生活の基盤を整えられる。
    (共働きで夫と分担してバタバタと家事をしていましたが、食事や掃除を丁寧に行ってみることで、今まで見落としていた楽しみや衛生上のリスクに気が付くことができました。)

まだ産前休しか経験しておらず、(壮絶と聞く)出産育児を通してまた様々な視点が見えてくるのだと思います。
これは何か、最近聞いたことがある休暇の形態に似ている・・そうだ、これはサバティカル休暇ではないか?
「一年後の育休明けに自分がどのように変化しているだろうか?」「この先、これまでになかった働き方をして、仕事も家族との時間も楽しんでいきたい!」といった気持ちになり、ワクワクしています。
産前産後休業は出産準備と母体の回復のため、育児休業は育児のためではありますが、自己成長やイノベーションのきっかけにもなりうると考えると、サバティカル休暇と捉えても悪くはないように思いました。
その考えに基づくと、男性育休も取りやすい世の中になるのではないかと思います。
(一時期話題になった産休育休中のリスキリング発言は、リスキリングを推奨する時期が適切でないように思えましたが・・)

驚くほどにトラブル祭り🥲

妊娠期間は何かしらのトラブルがつきものですが、後期はまた一段とトラブルが増えて悩まされました。
大きくなったお腹に圧迫されて胃もたれ、息苦しさ、不眠、眠気とだるさ、こむら返り、全身のかゆみ、皮膚アレルギーの悪化、腰痛、頻尿、ほてりで暑くて眠れない、お腹の頻繁な張り、前駆陣痛、お腹の調子が悪い、腰や恥骨への圧迫感、手足の酷いむくみ、視力の低下、強烈な胎動による痛み、情緒不安定、体重増加(好きなものが食べられない)・・などなど!
私は初期のつわりよりは軽度でしたが、日替わりで様々なトラブルが続きました。

体調面からは、正直なところ産休が待ち遠しくて仕方がありませんでした!笑
産休に入ると昼にも睡眠が取れるので、少し気持ちが楽になりました。
しかし、正期産の時期(妊娠37週以降、産まれてもよいとされている時期)に入るとトラブルが増加すると同時に、赤ちゃんに会える日が近づいていることに対する高揚感、逆にいつ陣痛や破水が来るか、壮絶なお産を乗り越え無事に産めるのかという不安が加わり、心身とてもしんどく感じました。

しかも正期産の時期に入ると、安産のため、陣痛を促すために体を動かせと、産院から言われるのです!
(産院が悪いわけではないのですが…笑)
お腹がぎゅーっと張ってつらくても痛くても、ウォーキングに階段上り、スクワットに掃除・・修行のように感じました。
これだけ動けば産まれるのでは!と思ってドキドキして待つも、陣痛やお産の兆候はやってこず、やきもきする日々。
子どもと自分の命がかかっている分、スポーツの大会に備えて練習したり、大学受験に備えて勉強したりするのとはまた異なる心境でした。
実際のところ、いつ産まれるかは赤ちゃん次第であったり、体質に寄ったりと個人差があるそうなので、焦らず気長に待ちたいと思います。

VS 出産の恐怖

妊娠するまで知らないことだらけ

「出産は命がけ」「鼻からスイカを出すような痛みだ」「帝王切開になることもある」
出産についてそのような言葉は聞いたことがあり、過酷なイメージは持っていましたが、妊娠して当事者になるまで知らないことだらけでした。

・初産婦の平均分娩時間は12~15時間であり、20時間、30時間などそれ以上にかかることもあること。
・陣痛は嘔吐したり手が震えたり、パニックになったりするほどの痛みであること。
・会陰切開(子宮口と肛門の間をハサミで切る)を行うことが多く、産後暫く座れないほどの痛みがあること。
・破水や予定日超過などでお産を進める必要がある場合、バルーンやラミナリア等で子宮口を広げる処理をすることがあること。
・赤ちゃんが危険な場合やお産がなかなか進まない場合、陣痛に数時間耐えた後に帝王切開になることもあること。
・お産をスムーズに進めるため、導尿や浣腸を行うこと。
・点滴をしながら出産することもあること。
 ※GBSという常在菌を持つ場合は点滴が必須で、自分もこれに該当していました。
・分娩後、お腹を押したり手を入れたりして胎盤を引っ張り出す処理があること。
・お産中のトラブルや先天的な異常により、赤ちゃんの命の危険があったり、NICUで治療をしなければないケースがあること。
・母体側も出血多量により命の危険や、大きく体調を壊す可能性があること。
・無事に出産した場合でも、産後も出血や会陰切開の痛み、発熱、貧血、産後うつなどで体調がすぐれないこと。

産院の出産準備講座や説明、妊婦用アプリや雑誌、漫画(『コウノトリ』)等で知識をつけていき、出産は本当に奇跡であると感じました。
同時に、子どもの為と分かっていても怖くて仕方がなく、妊娠後期になってお産が近づくにつれて恐怖が増していきました。
かわいい我が子に会えると痛みが吹き飛ぶと聞きますが、今はまだ信じられません・・笑

妊娠出産は自然の所業であるのに、こんなに壮絶であることに納得がいかなかった私は、書籍で人類の歴史を学びました。
ユヴァル・ノア・ハラリ著『サピエンス全史 文明の構造と人類の幸福』によると、二足歩行となったことで産道が狭くなり、人類は難産を余儀なくされたそうです。
そのため他の哺乳類とは異なり、数年間は自立できない未熟な子を産み、社会性をもって皆で子を育てていく、という形で生き残ってきたのが現在の人類とのこと。
なるほど、生き残れたら進化の過程で淘汰されないのであって、お産がいかに苦痛であるかは関係ないんだな、と学びました・・。
今医療の介入により無事に誕生しているお産は、昔であれば淘汰されてきていたと思うと、ゾッとします。

もしかすると妊婦本人は知らない方がよかった、ということもあるかもしれませんが、社会人として、マネジメントや政治に携わる人としては、知っておいてもらいたいと思いました。
さくらももこさんのエッセイ『そういうふうにできている』が分かりやすくコミカルに描かれているので、お産が身近でない方にはぜひ一読いただきたいです。

心の準備

とはいえ、子どもに会うためには必ず乗り越えなければならないことであり、妊娠中のストレスは良くないため、心の準備に取り組んでいます。
参考までに、やったことや、自分にとって支えになっている言葉を紹介したいと思います。

・産院のマタニティヨガ教室に参加し、リフレッシュと分娩時の呼吸の練習を行う。
・「陣痛=生理痛。だから私は陣痛の痛みを知っている。」(Youtube 【12人産んだ】助産師HISAKOの子育てチャンネル)
・「出産はものすごく痛いけど、楽しいよ。」(母)
・何事も経験になる、と自分に言い聞かせる。
・経産婦の友達に話を聞いてもらう。
・妊婦用SNSで初産婦同士で交流し、共感し合う。
・勉強や趣味に没頭して気持ちを紛らわす。
・安産のお茶と言われているラズベリーリーフティーを飲む。
・夫と外食して話を聞いてもらったり、マッサージをしてもらったりする。

心の準備ができた、と言い切ることは難しいですが、出産を控える妊婦を応援してくれる人がたくさんいることを実感できました。
まずは母子ともに健康に出産できるよう、でも気負いすぎずに過ごせて行ければと思います。

変わる好み、性格、不安定な情緒…私とは一体?

心身トラブル祭りの妊娠後期ですが、予定日が近づくにつれて情緒が不安定となり、メンタルの管理がとても難しかったです。
マタニティヨガの先生によると、子育てに向けて責任感や覚悟を持つために、妊娠中は楽しい気分ではなくシリアスな気持ちを持つようにできているそうです。
突然泣き出してしまったり、イライラしたり・・夫にはとても迷惑をかけ、支えてもらっています。

妊娠して好みや性格が変わってしまい、自分のアイデンティティが揺らいでいるような感覚もありました。
例えば、

  • 人からの言葉に敏感になり、人と会いたくなくなった。
    (「子どもの名前決まった?」など子どものことに干渉されること、「元気そうだね」「妊娠出産は女性にとって最も大きなイベントだよね」と決めつけられること、妊娠しただけなのに専業主婦のような扱いを受けること、などが非常につらく感じました。それまで人と会うのが好きでよく出かけていたのに、人と会いたくないと感じるように…。)

  • 味の好みが変わった。
    (ネギ、ニンニクなどの薬味がダメになったり、甘いものが異常に食べたくなったりしました。)

  • 思ってもないタイミングで涙が出てくる、思ってもない言葉が出てくるなど、コントロールできない。

などです。
ホルモンの影響があるとはいえ、あれ、自分はこんな人間だったのかな?という戸惑いがありました。

しかし、妊娠期間に関わらず、ライフイベントを通じて好みや性格が変わることもある、ということを再認識するきっかけとなりました。
これから自分や周囲(特に子ども)の性格の変化を目の当たりにするとき、この経験を活かしていきたいです。

少子化対策について思うこと

妊娠とお金

「異次元の少子化対策」というワードをよくニュースで聞きます。
「子育て」に関わる当事者になるため、私もますます関心を持っています。
特にお金にまつわる支援が議論されているようですので、妊娠にかかったお金を備忘録として残しておきたいと思います。

  • 診察・健診にかかったお金:39,920円
    妊婦健診は基本的には補助券が自治体から配布され、無料となりますが、補助券をもらうまでの診察や、つわりや切迫の治療ではお金がかかりました。
    補助券は出産予定日の週までしか無いため、予定日を超過した場合はさらに健診費用が掛かる見込みです。

  • 妊娠出産用品、ベビーグッズにかかったお金:326,200円
    親戚から贈ってもらったグッズや、フリマサイトで入手したものもあったので、すべて購入するとこれ+10万以上はかかるように思います。
    妊娠と出産で体形が大きく変わるため、衣類をすべて買いなおす必要があったり、40を超えるベビーグッズを揃えたり、ベビーグッズを置くために家具を買い替えたりと、思っていた以上にお金がかかった印象でした。

政府が定めた支援金5万円は私たちもいただくことができ、とても助かりましたが、それだけでは当然不足しているのが実情です。
妊娠出産というイベントはただでさえ不安が強いのに、経済的な不安が加わることはかなり厳しいだろうと思います。

少子化対策を提案するなら

現在妊娠している時点で、私は政府の少子化対策のターゲットではないかもしれませんが・・個人的には少子化対策では経済的支援と、子育ての楽しさを知る機会を増やすことが重要であると感じます。
近年、SNS等を通して女性に子育てや家事の負担が偏っている実情が認知されてきたことは日本社会にとってプラスだと思いますが、それによって子育てのネガティブな面ばかりが強調されているように思います。
私自身も当初はネガティブな印象を持ち、子どもを持つことへのためらいもありました。(私の場合は、夫をはじめとする周囲の人の話を聞く中で、考えが変わっていきました。)
人間はネガティブな情報に耳を傾けるようにできている、という側面もあると思います。

子育ての楽しさを知る機会は、ぜひ学校教育で確保したいと思いました。
家庭科で家事の技術や知識、保健体育で妊娠出産の仕組みや避妊については学びますが、妊婦の体の変化や、当事者になったときに必要な準備について知ったり、どのような家族計画があって自分は何を選択するのかといったことを考える機会はあまりなかったように思います。
誰でも選択する機会が訪れる可能性が高いですし、男女間の育児家事負担など、諸問題の解決にもつながると思いました。

今の気持ち

陣痛を待つ今はやはり落ち着きがなく、楽しみな気持ちでハイになったり、落ち込んだりを繰り返しています。
でもやっぱり強いのは、どんな子が産まれるのか、会う日が楽しみ!という気持ちです。

母体はしっかりと妊娠に適用して変化し、力強い胎動や胎児のぬくもりを感じるから、確かにお腹の中にいる。
しかも科学の進歩によって、まだ肉眼ではわからないサイズの頃から妊娠が分かるし、健診の2Dエコーや4Dエコー、またはスマホのアプリを通して、詳細に胎児の成長を見ることができます。
それでも、まだこの目で我が子の顔をみたことがなく、声を聞いたこともありません。
10カ月余りずっと一緒にいて一心同体、しかも自分の遺伝子を受け継いでいて、会ったことがない!とても不思議な存在です。
元気な動きを感じたり、お腹にもたれかかるようなあたたかい感覚を感じると、かわいい!と感じますが、不思議さが勝っていて、これが親としての愛情なのか正直まだピントきていません。
出産は未知すぎて怖いけれど、そんな我が子に会える日がとても楽しみです。

ここまでお読みいただき、ありがとうございました!
産後落ち着いたら、また経験をアウトプットしていきたいと思います。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?