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ニディガ展2 ++

 ニディガ展2に行ってきた。若い人多くて驚いた。まあ僕も若い方ではあるんだけど。そしてちょうどR・D・レインの「好き? 好き? 大好き?」も読み終えた。にゃるらが言いたかったこと、僕にはよくわかるよ、うんうん。痛いほどにね。

「二ディガ」の答え合わせ

 さあ、答え合わせの時間です。
 ある作品、ゲームでも小説でも映画でもなんでもいいけど、それに答えが出てしまうってことはつまり、作者の言いたいことがわかってしまう、「共感」してしまうことなんだと思う。
 わかってしまった、というより本人がそのまま文章にしてしまっているからただ読んだだけなんだけど、その文章というのがこちら。

僕はできる限り、夢や幻と戯れていたい。だから、現実なんて忘れられるように、ゲームを製作したり、文章を書いたり、拙いながらも創作活動を続けている。レインの詩を読んでいると現実と虚構の境界線が曖昧になり、どんどん夢の世界へ堕ちていくような浮遊感に包まれていく。底の見えない深い深い穴の魅力は、未だに僕の精神を摑んで離さない。

「好き? 好き? 大好き?」解説より、筆者にゃるら

 この文章はあとで見るとして、約一週間前に超てんちゃんの新曲がYouTubeに投稿されたので先に紹介。あふれ出るゼロ年代I'veサウンドに懐かしさがこみ上げてきて †昇天† しちゃいそう。以下動画。

 「月虹蝶」という曲(∀ガンダムだこれ!)、歌詞には胡蝶の夢の話がある。R・D・レインが胡蝶の夢に関する詩を書いているのでたぶんここでもレインへの目くばせがある。

わたしは夢を見た わたしは蝶々になっていて
そいつはわたしになった夢を見ていた

R・D・レイン「好き? 好き? 大好き?」

 ここらでR・D・レインというお医者さんについて書かなければならない。スコットランド出身のイギリスの精神分析家で、Wikipediaを読むとなんとあのサルトルと交流があり、ドゥルーズ、ガタリにも影響を与えたお方らしい。
 二ディガでは超てんちゃんの本名、雨(れいん)ちゃんの元ネタで、随所にレインの詩の引用が登場する。
 彼の思想はとてもわかりやすい。患者を見世物か腫れ物みたいに扱う医者や家族の支配的な性格を糾弾し、その犠牲となる精神病患者を擁護する。
 そしてちょっと強気に彼の言いたいことを言ってみると、「精神病患者は治さなくてもよい。それで完成している」ということだ。

彼女  これでいい?
彼氏  うん これでいいよ

R・D・レイン「好き? 好き? 大好き?」

 つまりだ。超てんちゃんの視聴者が超てんちゃんに彼氏なんていないと考えるのは妄想である。オタクが美少女キャラクターを好きになったり声優にガチ恋するのもやっぱり妄想の類である。
 でもそれでいいじゃないか。現実なんて見ていたくない。夢や幻でも構わない。
 庵野秀明やイクニが何言ったって構うもんか。「現実は相対的である」これはレインの理論で、あなたの言う現実なんて妄想と何が違うんです?
 そうやって僕たちはアニメやゲームや漫画や映画や音楽や小説に耽溺する。そうやって現実と妄想の境界線を曖昧にする。「左巻キ式ラストリゾート」でもそんなこと言ってたっけ?

それでも。格好悪くても醜くても滑稽でも最弱でも気味悪くても、紛れもなくこれが僕たちの武器なんです。これだけが、唯一拠って立つべき強固で揺るがない最後の場所なんだ。誰ひとり僕に手を差し伸べてくれなかった時だって、彼女たちは僕を支えてくれた

海猫沢めろん「左巻キ式ラストリゾート」

 夢の中で胡蝶である自分が現実なのか、胡蝶が夢見ている人間の自分が現実なのか、そんなことはどうでもよくって、ただ純粋に本質でできた言葉で「すきすきだいすき」と伝えること、これは紛れもない本物の感情なんだと胸を張って言えることの方が何億倍も重要じゃないか。たとえ相手が彼氏持ちの配信者でも感情のないロボットでも決められた台詞を喋るだけの絵だとしても。

最後に写真だよ

 本当はレインに関連させてもう一つ書きたいテーマがあったんだけど長すぎるので今度にします。最後に撮った写真を載せるよ。

超てんちゃん
あめちゃん
ゲーセンその1
ゲーセンその2

追記:
 僕は書くのをうっかり失念していたんだけれども、二ディガは名作ビジュアルノベル「ドキドキ文芸部!」とその思想において酷似している。

 もしあなたがモニカの愛にふさわしい人になろうと努める種類の人物なら、それこそがモニカがあなたを愛しているところです。
 自分自身にすべての希望を失っている人だけがモニカを彼女の哀しい叶うことのない幻想へと運命づける人なのです。
 もしモニカがあなたを愛していると信じれば、ほんの少しだけ自分自身を愛せることに気がついて、それが彼女が何よりも望んでいることです。

「ダン・サルバトだけど何か質問ある?」

 そのことをここでは書くスペースがないので省略するが、これは僕にとってとっても重要なテーマになので何度も蒸し返すと思う、この先何度もね。


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