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今いる世界は贈与にあふれている

ここ数日、といいますか、近年はどうも世界がおかしいね、という話を友人や同僚とすることがあります。

もしかしたら、今まで生きていた世界があり得ないほど「幸せ」であったのかもしれません。

今回は、不安が広がる今だからこそ読みたい、今いる世界そして資本主義とは何かについて考える入り口になるだろう本をご紹介します。「世界は贈与でできている」という本です。

副題にあるように、哲学的な話になるので、週末などまとまった時間にじっくりと考えながら読んでいただきたいです。

本の要約は書籍から私(このnoteの筆者)が印象的だった箇所を引用してきているため、感想が気になる方は「この本を読んで感じたこと」から読み進めてください。


本の要約

前提
贈与はGIVE&TAKE(ギブ&テイク)(=交換)と異なる

仕事のやりがい、天職とは
→自分にとって効率的に稼ぐことのできる職業、職能ではない。
=自分にできること、自分のやりたいこと、自分がやらなければならないと気づくこと、の3つの要素があって天職

ボランティア活動に対する考え方が50代と20代で違う
例:「献血はコスパが悪い」
ボランティア活動は若者はたくさん参加しているのに、献血の参加率は悪い
→ボランティアに参加する理由として、50代は「社会がよくなることがうれしい」とするが、20代は「ありがとうと言われるのがうれしいから」「相手が喜んでいる顔がみたいから」という理由が上位に来る、という研究も
感謝というレスポンスが返ってこないと贈与できないのは贈与ではなく「交換」

政治に用いると…?
「政治的有効性感覚」

現代社会では…
贈与ではなく、交換を前提とした市場経済というシステムを採用している。


この本を読んで私が感じたこと

贈与のありがたさを感じるワケ

この本で、筆者が繰り返し定義づけているのが、

「他者からの贈与は僕らの前に、必然的に不合理なものとして現れる」

ということば。
少し抽象的に感じるので、著者のことばを引用すると、

今、目の前にあるものは、私たちが気づかぬうちに受け取っていた贈与。何気ない日常の中で、ありふれている無数の贈与は隠されている。私たちは災厄があればそのありがたみに気づくが、平和な日常に慣れてしまうと忘れてしまう。

とあります。

つまり、近年の「普段とは違う」世界に置かれている世界は、当たり前ではないことに気づかされるのではないでしょうか。

なぜそう”気づかされる”のかというと、私たちは資本主義という「交換」を前提としたシステムの中に生きているからです。「交換」が当たり前だからこそ、贈与が埋もれてしまい、気づいた時にありがたみを感じるのです。


私の癖

この本を読みながら、私は日々、今自分が置かれた状況下でいかに最善の方法を尽くすかを考える癖があることに気づきました。

例えば、仕事で上司や先輩から「この仕事やっておいて」と言われたとします。その仕事を嫌々引き受けつつも、結局は「この仕事をクリアすれば何か経験を得られるかもしれない」という思いが勝るのです。

特に、過去に同じ部署にいた同僚が退職する話を書いた時にも、自分も一緒に辞める選択肢を取らず、今の部署に居続ける理由も、その考え方に通じるかもしれません。

この答えに関して私は今は会社をやめず、納得いくところまで実績を作ってから一人立ちできるようにする、が答えです。今抜けても中途半端にただ新規事業の立ち上げに関わっただけで終わってしまうから。


日々のありがたみを感じながら

少し私の例を出しましたが、資本主義や贈与、という堅苦しい印象のあることばに惑わされることなる、この本をぜひ読んでほしいです。
今を生きる人間でしか考えられないことだからです。


合わせて読みたい

資本主義について考えるきっかけとして、「共産資本社会」という考え方でビジネスをされている方々がいます。「共感資本社会を生きるー共感がお金になる時代の新しい生き方」です。
こちらの本は対談形式でサッと読みやすいです。私の感想文noteも合わせて読んでいただけると嬉しいです。


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