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社会心理学のキーワード【Ep38】
こんにちは、ひとかどさんです。
前回、”自己効力感(自分ならできるという感覚)”という概念を、
社会に影響を与える自分になるための土台として紹介しました。
それでは、いよいよ、社会心理学の領域に踏み込んでみましょう。
その一歩目は、社会心理学における3つのキーワードを理解することです。
キーワード1:固定概念(Stereotype)
人やグループ(組織)に関して、誇張された信念や歪められた真実のことです。
その多くは、家族や友人、マスコミなどからの情報、時には他人からの評判を通して形成されるものです。
行き過ぎた固定概念の問題点は、個人や社会のばらつきをとても小さいものにし、「多様性のある社会の形成」を阻むことになります。
なお、以前紹介した”非合理な信念(思い込み)”も固定概念の形成に関連しています。
キーワード2:先入観(Prejudge)
予備知識に基づく人やグループ(組織)に関する意見や態度であり、ポジティブなものもネガティブなものも両方あり得ます。
中でも、先入観は「外の集団」に対するものとして形成されるとき、無視や恐れ、嫌悪感を伴った複雑な心理状況を引き起こすとされています。
こちらも、以前紹介した”他人を「ジャッジ」してしまう要因”が関連しています。
キーワード3:差別(Discrimination)
端的に言えば、人を平等に扱わなくする行動(潜在的なものも含めて)です。
そもそも差別とは、固定概念や先入観を持った結果、バイアスがかかった態度が形成され、いずれその嫌悪感などが何かしらの行動になるものです。
これこそ、社会心理学上の課題だと言えるでしょう。
社会心理学上の問題レベル
Lv.1 固定概念や先入観によりバイアスのかかった態度を抱く
Lv.2 態度が行動になる
Lv.3 差別
Lv.4 暴力に発展する
Lv.5 大量虐殺(Genocide)
社会を形成する要素
上記の説明の通り、社会心理学が問題視する「差別」に発展する前に、
人は固定概念や先入観を持ち、バイアスのかかった態度を形成するのですが、
それは、人間社会に存在する以下の要素が関わってきます。
家族:個人としては本質的に異なる人間でありながら、小社会である家族間の「常識」を作る
宗教:社会と共有する「道徳的価値観」を作る
法律:社会と個人との契約を意味し、「罪と罰の意識」を作る
教育:「知識やスキルの基礎」を作る
経済:資本主義という仕組みの中で「個人の経済的行動原理」を作る
政府:民主主義という仕組みの中で「個人の政治的行動原理」を作る
マスコミ:世論を形成し、社会に対する「大多数の意見」を作る
終わりに
心理学に興味がある人でも、
それは心理テストなどの「自分」がテーマになる場合であって、
「社会」という大きなテーマになると
自分の事のように関心を持てないという人は多いかもしれません。
しかし、MAPの最後のステップは、
あくまでも「④社会に良い影響を与える人になること」です。
そのために重要な「社会」に対する理解を
残りのエピソードで深めていけたらいいなと思います。
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