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2022年の私的ベストアルバム100選(1)

こんばんは。ヒトです。
昨年に音楽サブスクサービスというのを知り(遅い)それから暇な時は常に音楽を垂れ流す生活が続き、音楽マニアというわけでもないのに、気が付けば今年視聴したアルバム数は約800枚と、異常な数になってしまいました。

せっかくなので今年聞いたアルバムの中から特に良かった作品を100枚選びたいと思います。あくまで「筆者が2022年に聞いたアルバム」からの選出ですので、トレンドとは全く関係のない、ほぼ趣味100%のリストになりますが、個人の熱量が生む偶発的な出会いもまた音楽の楽しみ方だと思うので、私の紹介するアルバムの中から、一つでもお気に入りの作品が見つかれば幸いです。

オールジャンルで、邦・洋の区別はありません。順不同。残念なことに音楽を批評する言葉を持ち合わせていないので、紹介文は拙いですが、せっかくのサブスクというサービスです、百読は一聴にしかずということで、適当に読み流し、もし目にとまるものがあれば、ぜひ音楽の方を聞いてください。
アルバムの中でもとくに気に入った一曲を、spotifyリンクで貼っておきます。spotifyの無料アカウントで聞けます。

全選曲をspotifyプレイリストにまとめました。こちらもご活用ください。

(埋め込みリンクの詰め込みで、非常に重たいページになってしまいました。ブラウザによっては適切な表示が難しいようです。chromeなら比較的安定します)


1~20

Sławek Jaskułke - Sea (2014)
いきなりですが、ピアノ曲です。ポーランドのピアニストの方で、著名なアーティストとは言い難いのですが、とにかく今年度に聞いた音楽の中でいちばん胸に突き刺さったのが本作でした。できるなら、レコードをあの世に持っていきたい。このピアノの音色を聞いてると、胸中に様々な感情が湧き上がってきます。余談ですが、本アルバムをリピートしながら漫画「がっこうぐらし!」を読破したので、このアルバムを聞くと、号泣しながら読み終えた時の感情が蘇ってきます。記憶を結びつけてくれるのもまた音楽の良さかな。

Gezan - Never End Roll (2016)
日本のオルタナロックバンドです。ボーカル:マヒトゥ・ザ・ピーポーの甲高いボイスが特徴で、それが荒々しい音楽性とよいコントラストを生み出しています。荒々しいけど、決して下品ではない、どこか儚さと清涼感を覚える。後期のブッチャーズが好きな人は気に入るんじゃないでしょうか。いまの日本ロックバンドで一番のお気に入りです。全曲名作。

NEU! - NEU! 2 (1973)
ノイ!と読みます。ドイツ電子音楽の黎明期に登場したグループです。第一作”Neu! ”はいわずとしれた名作ですが、その続編”NEU!2”がここまでの傑作だとは、知らなかった。ミニマルな響きが、次第に心揺さぶるグルーヴへと進化していく過程にしょんべん漏らします。こんなカッコいいアルバムはない。

Agitation Free - 2nd (1973)
こちらもドイツのクラウトロックです。ぶっちゃけ全然知らん。けどこのグループのセカンドアルバムが途方もなくかっこよかった。よい掘り出し物。ゆったりとした、大人なカッコよさを感じられる、インストアルバムです。一曲素晴らしいのがある、というタイプの作品ではなく、アルバム全体で感じさせてくれる作品です。

The Band - Northern Lights - Southern Cross (1975)
ザ・バンドの「南十字星」です。無難な名作でごめんなさい。でも、カッコいいんです。「名作」というと肩肘を張って聞いてしまいますが、「南十字星」はそのジャケットのように、海辺で焚き火をしながら歌い合ってるようなゆるさがあります。そのゆるさがカッコいいのです。なのにどこか切なさも覚えます。ザ・バンドの中でも別格の作品です。

group_inou - Day (2012)
今年出会ったアーティストの中で、もっとも衝撃を受け、もっとも聴き込んだグループは間違いなくgroup_inouです。何十回リピートしたか分かりません。ノリのよいエレクトロなメロディと、シュールで下品な歌詞が完璧に混ざり合っています。ジャンルで言うと、オルタナヒップホップという枠になるそうです。知らん。group_inou は大ハマリしたので、以降のリストにも何度か登場します。全アルバムが傑作です。もう解散しているのが実に残念です。

Ludwig Göransson - Tenet (2020)
クリストファー・ノーラン監督による、「逆行」を題材にした斬新なSF映画。時を扱った映画でも「過去に戻る」映画なら枚挙に暇はないですが、「時を遡る」という現象にフォーカスを向けた本作は実に衝撃的であり、画期的で、映画的でした。もちろん矛盾のない精密な脚本も本作の見所の一つですが、「見たことのない映像をみせる」という点で、間違いなくノーラン印の映画でした。あ、音楽の話でしたね。そのサントラです。

Johnny Klimek & Tom Tykwer - The Matrix Resurrections (2021)
こちらは映画は今一つだったけど、サントラのほうは傑作だったパターン。ウォシャウスキー姉妹のヴィジュアル担当・リリーが抜けてしまい、実は初代3部作を成立させていたのは哲学でもラブロマンスでもなく「超絶カッコいいカンフー・ガン・アクション」だったことを証明させてしまった続編でした。しかしながらサントラは実に感動的に仕上がっています。これだけ聞いても良いです。そしてたまにはドン・デイヴィスのことも思い出してあげてください。

Philip Glass - Aguas da Amazonia (2017)
現代音楽の巨匠、フィリップ・グラスの作品。私はミニマル・ミュージックが好きなのですが、同じメロディを繰り返しながら、次第に壮大な世界観を形作っていくグラスの音楽にすっかり虜になってしまいました。中でも”Amazon River"は傑作です。こんなのを聞かされたら泣いてしまいます。「現代音楽? 難しそう」と食わず嫌いしてる人にぜひ聞いてほしい名曲です。

Magnum - Kingdom of Madness (1978)
ザ・80sブリティッシュ・ロックな音楽。文句なくストレートにカッコいいロックです。中学生の時にQueenにハマったのが自分の音楽の原体験ですが、Queen(特に初期)が好きならMagnumもきっとイケます。てかロジャー・テイラーがプロデュースしてるし。全盛期の作品はすべて聞きましたが、"Vigilante”を除けば処女作の本作がピークだったのが残念な点かな。よくある、よくあることさ。

EPO - Vitamin E・P・O (1983)
邦楽に疎いので、全く知りませんでした、EPO。昨今はシティポップ文脈で再評価されてるようですね。めちゃくちゃ良いです。底抜けの明るさを感じさせる、80年代のオシャレなJ-popといった印象です。歌詞も面白いです。Vitamin E・P・O は特に粒ぞろいのアルバムでした。

荒井由実 - Cobalt Hour (コバルト・アワー) (1975)
本当に邦楽(というか音楽全般に)疎くて、「ユーミン」というものと「荒井由実」が同じ人を指すことをついこの間知りました。さらに言うなら「松任谷由実」を「知らないけれどいいアーティストだな~」って聞いてたら、ユーミン=荒井由実=松任谷由実と知りさらにビックリしました。そして松任谷由実は「まつにんたにゆみ」とは読まないことにやはりビックリしました。

Ne-Yo - In My Own Words (2006)
売れ線すぎて、ちょっと挙げるのに勇気を覚えるのですが、Ne-Yo良いですよね。ノリの良い現代R&Bって感じで、実にクール。自然と体が動き出します。特に本作は "Stay" "Sexy Love" "Let go" と、Ne-Yoのヒット曲がたくさん詰め込まれててお得です。大ヒットゴリ押しアルバム、好きです。

Brian Eno - Before and After Science (1977)
「ロックの方のイーノ」の傑作です。実験音楽の複雑さも含めながら、一度聞けばすぐに虜になってしまうメロディ性に脱帽。何十回聞いても飽きません。ロックミュージックの傑作 ”King's Lead Hat" と、アンビエント作家イーノの才能を感じさせる傑作 ”By This River" 、2つの名曲が同時に収録されてることに、彼の非凡さを感じます。

Brian Eno - Music for Installations (2018)
アンビエントの大御所、ブライアン・イーノ。彼の手掛けたインスタレーション作品(で使われた音楽)を集めたコンピレーション・アルバムです。実は音楽だけではなく、「環境芸術」もやってるわけです。私も今年の夏に開催していた「BRIAN ENO AMBIENT KYOTO」を鑑賞しに行きました。「わずかに少しずつ変化していく」表現方法はイーノらしいと感じました。インスタレーションが主体の音楽なので、イーノのアンビエントアルバムと比べると、重苦しい普段と違った趣になっています。心を休ませたいときに聞きたい音楽です。

キリンジ- 3 (2000)
キリンジのことは正直良く知りませんが(全作聞いたけど)、この「3」は間違いなく傑作です。オシャレでノリノリで、聞いているとワクワクさせてくれます。他のキリンジ作品と比べても、頭一つ抜けた傑作です。キャリアの名曲が本作に詰め込まれてます。とくに「エイリアンズ」はどうしようもない名作です。

Thelonious Monk - Solo Monk (1965)
ジャズには疎いのですがセロニアス・モンクは好きです。プレイにユーモアがあって、聞いていて明るい気分にさせてもらえます。きっと、誰が聞いても気に入る音楽なんじゃないかと思います。

Steve Reich - Works: 1965-1995 (1997)
スティーブ・ライヒの傑作選ですね。彼の代表作がだいたい収められてるので、入門に良いと思います。ミニマルの核心に迫るような作品だらけで感動します。シンプルな音の連打が、どうしてこうも胸を揺さぶるのか、美しく思えてしまうのか、不思議に思います。"Music for 18 Musicians" と "Electric Counterpoint" はなんど聞いても感動します。

パソコン音楽クラブ - Night Flow (2019)
知ってる人は知っている、パソコン音楽クラブ。現代的な電子メロディが美しいグループですが、本作はとくに長谷川白紙とのコラボレーションの "hikari" が名曲だと思います。実験的な部分とポップな部分、バランスの取り方がうまいです。長谷川白紙はこの後も何度も登場するので覚えてください。テストに出ます。

Radwimps - Radwimps 4 ~おかずのごはん~ (2006)
Radwimpsの初期の作品。Radwimpsの作品はすべて聞いたのだけれど、不思議なことにいちばん聞き返したのがこのアルバムだった。他の作品のように(それこそ”前前前世”とか)代表的なタイアップ曲があるようなアルバムではないけど、静かな良作だらけ。クセになるスルメアルバム。Radwimpsの作品でもっともバランスの取れたアルバムは本作だと思う。



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