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DXを活用した保険商品!?AIによる安全で安心な損害保険とは何か?〜DX事例44_三井住友海上火災保険株式会社〜

ITコンサル×パートナーCFOのタナショーです。

このnoteではDX事例やIT活用事例の紹介を通して、経営者の方がITを身近に感じたり面白いと思ってもらえることで、企業の成長に役立つ情報をお届けしていきます。

今回は保険業界からです。損保業界におけるメガ損保と言われる「三井住友海上火災保険株式会社」のDXを活用した損保商品です。


DXを活用した保険商品とは何か?三井住友海上のDX事例

三井住友海上は損害保険会社です。自動車保険や火災保険、対物対人保険やホールインワン保険まであり、生命保険と違って実に幅広い商品を作ることが可能です。
そんな損害保険会社である三井住友海上は、DXを活用した下記の取り組みを行っています。

①DXを活用した保険商品「DX valueシリーズ」
事故・災害を“未然に防ぐ”機能や事故・災害の“影響を減らし回復を支援する”機能を持つ商品として、三井住友海上は「DX valueシリーズ」商品を展開しています。
その商品シリーズの第一弾が「見守るクルマの保険(ドラレコ型)」です。
「見守るクルマの保険」は、自動車保険と専用ドライブレコーダーを組合せた商品です。自動車の事故などで一定以上の衝撃が発生した場合ドライブレコーダーが事故状況を録画するだけでなく、レコーダーに搭載された通話機能により、保険会社のオペレーターと直接会話することで救急車手配やレッカー手配を依頼することができます。

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三井住友海上火災保険株式会社「新商品シリーズ「DX valueシリーズ」の展開について」より抜粋


この専用ドライブレコーダーで録画された映像は、自動的に三井住友海上に連携され、AIが事故情報の記録や自己処理を行うことで、保険金の支払期間を短縮することも可能とのことです。「DX valueシリーズ」は現在までに第三段まで商品化されています。


②運転中、AIがモニタリングして危険運転を防止!「F-ドラ」
前述の「見守るクルマの保険」と同種の商品のようですが、こちらは法人向けのサービスとなります。社用車の車内に取り付けられたインカメラが運転者の挙動を監視し、居眠りやわき見、携帯電話での通話という危険運転をAIが検知し、アラートで注意をうながすことができます。またインカメラとは別に設置された専用ドライブレコーダーにて、急加速・急減速・急ハンドルなどの危険運転も検知し、アラートできます。

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三井住友海上火災保険株式会社「フリート契約向けドライブレコーダー・テレマティクスサービス『F-ドラ』」より抜粋


これらの危険運転の記録については、企業の管理者が一元管理して閲覧することができます。他にも「走行データ」「走行マップ」「優良運転者情報」なども閲覧することができ、社用車を運転する社員に対して安全運転への教育に活用することが可能です。


③スマホで商品提案から契約締結まで完結!「MS1 Brain リモート」
不動産の契約もそうですが、保険商品の契約も紙を使って対面で行うことが一般的でしたが、これは完全にリモートで完結します。
AIが顧客の契約履歴、自己情報、契約内容からニーズを分析し、最適なプランを提案するという「MS1 Brain」がありましたが、コロナ禍の環境変化に対応するためリモート機能を追加しました。

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三井住友海上火災保険株式会社「「MS1 Brain リモート」の提供開始」より抜粋


ZOOMの画面共有のように、スマホの画面上に表示された商品情報を見ながら通話が可能です。そして、商品説明に納得がいけばそのまま契約画面を表示して、スマホ上で契約手続きが完了します。

契約内容は契約者ページより確認が可能ということで、面倒な対面の作業や紙での手続きが一切不要で、保険商品の契約や更新が可能となります。


DXと経営戦略の関連性について

三井住友海上の出資会社である「MS&ADインシュアランス グループ ホールディングス株式会社」の中期経営計画である「Vision 2021 ステージ2(2020-2021)」にて、重点戦略の1つに「デジタライゼーションの推進」というものがあります。

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MS&ADインシュアランス グループ ホールディングス株式会社「Vision 2021 ステージ2(2020-2021)」より抜粋


ここでは、DXだけでなく、DI(デジタルイノベーション)やDG(デジタルグローバリゼーション)の3つの施策を持って、事業環境の変化に対応し、持続的成長に取り組むとしています。

また、三井住友海上のトップメッセージにおいても、DXの必要性を説いており、「社会的課題をDXの力で解決し、SDGsを道しるべとした共通価値の創造CSV(Creating Shared Value)を実現する」と謳っています。

CSV:経済的な価値創出だけでなく、社会と共有の価値を創造していくことで企業価値を創っていくこと。「社会的に存在する上での果たすべき責任」という意味のCSRとは別の概念

DXを推進することで、大規模地震、感染症、地方創生、少子高齢化などの大きな社会的課題に取り組み、「未来にわたって、世界のリスク・課題の解決でリーダーシップを発揮するイノベーション企業」を目指して三井住友海上は活動を続けています。


まとめ

いかがでしたでしょうか?
本文ではきちんと紹介していなかったのですが、「見守るクルマの保険」や「F-ドラ」には事故が起きたときの緊急サポートだけではなく、そもそも事故を起こさないための「未然に防ぐ」サポートも充実しています。

事故が起きたときのサポートは充実していてほしいのは当然ですが、そもそも事故は起きないほうが良いに決まっています。安全・安心を提供するのが保険という商品特性なので、自動運転技術などの自動車本体の「安全」だけではなく、保険という視点からも「安全」が用意されているのはとても安心できますね。

今の時代、安全・安心を提供するサービスはとてもニーズが高いですね。タナショーも記事を書いていて再認識しました。次回の記事も楽しみにしていただければ嬉しいです。タナショー


参考にさせていただいた情報
三井住友海上火災保険株式会社HP
https://www.ms-ins.com
三井住友海上火災保険株式会社「三井住友海上の現状 2020」
https://www.ms-ins.com/company/aboutus/disclosure/data/disclosure-01.pdf
三井住友海上火災保険株式会社「新商品シリーズ「DX valueシリーズ」の展開について」
https://www.ms-ins.com/news/fy2020/pdf/0330_1.pdf
三井住友海上火災保険株式会社「特設コンテンツ MS1 Brain」
https://www.ms-ins.com/company/advertisement/specialsite/#brain
三井住友海上火災保険株式会社「「MS1 Brain リモート」の提供開始」
https://www.ms-ins.com/news/fy2020/pdf/0224_1.pdf
三井住友海上火災保険株式会社「フリート契約向けドライブレコーダー・テレマティクスサービス『F-ドラ』」
https://www.ms-ins.com/business/car/fdora/
MS&ADインシュアランス グループ ホールディングス株式会社「Vision 2021 ステージ2(2020-2021)」
https://www.ms-ad-hd.com/ja/group/what/strategy/management_plan/main/00/teaserItems2/0/linkList/01/link/Vision2021_STAGE2.pdf

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