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[DX事例70]人間とテクノロジーが共生する新しい介護とはなにか_SOMPOケア株式会社

あけましておめでとうございます!
ITコンサル×パートナーCFOのタナショーです。

このnoteではDX事例やIT活用事例の紹介を通して、経営者の方がITを身近に感じたり面白いと思ってもらえることで、企業の成長に役立つ情報をお届けしていきます。

今回は介護業界からです。国内の介護を手掛ける大手企業であるSOMPOケア株式会社の介護DXについてご紹介します。


人間とテクノロジーが共生する新しい介護のあり方とはなにか? SOMPOケアのDX事例

SOMPOホールディングスは2015年度から介護事業に参入しましたが、その数年で介護事業の売上高は業界2位施設数では業界1位と急成長し、介護業界最大手の一角となっております。
介護というと、要介護者に対して献身的なサポートが必要になるためITによる効率化や省力化がしずらいことも多いです。そんな介護業務におけるSOMPOケアの取り組みをお伝えしていきます。

①排泄を検知して予測を行うケアシステム 「Helppad」

排泄は介護業務の中でも特にプライバシー配慮が必要な業務になります。
例えばおむつ交換をしようとしたが濡れていなかったという「空振り」や、排泄タイミングを予測するために、毎日の排泄行為をきめ細かく確認して記録する作業など。これらの行為は要介護者にとって心理的な負担が大きく、かつ、介護職の方にとっても効率化したい業務でした。

そこでSOMPOケアならびにグループ会社でもある「Future Care Lab in Japan」は、排泄を検知し自動記録を行うケアシステム「Helppad」を開発しています。

Future Care Lab in Japan「Helppad」より抜粋


Helppadはにおいセンサーで排泄を検知排泄記録のデジタル化を行う製品です。ベッドに敷くだけで使用ができ、排泄を検知すると自動記録されます。
排泄記録を分析することで排泄タイミングの予測が可能であり、介護職に通知することで適切なタイミングでトイレ誘導やオムツ交換ができます。

このHelppadを利用することで前述の「空振り」や「失禁」を減らすことができ、ヘルパーの業務負担に繋がります。使い方もベッドに敷くだけなので「身体非接触」で利用することが可能です。


②多数のセンサー情報を一つの画面に集約。データ統合プラットフォーム「ケアデータコネクトfor Future Care Lab in Japan」

「ケアデータコネクトfor Future Care Lab in Japan」は株式会社BRIGHT VIEのケアデータコネクトをカスタマイズした商品となります。ケアデータコネクトは、約30社のセンサーメーカーと連携し、全センサー情報を1画面で確認できる見守り統合プラットフォームとなります。

ケアデータコネクトHP「ケアデータコネクトで出来ること」より抜粋
ケアデータコネクトHP「ケアデータコネクトで出来ること」より抜粋


連携できるセンサーデータはバイタルや睡眠状況、排泄センサーやドアの開閉などの情報となります。それらの情報を収集することで、入居者ごとに「就寝中なのか」「排泄予測タイミングまであと何分か」「部屋にはおらず外に出ている」などの情報を一つの画面で確認することができます。

本システムはiPadなどでも利用がきるため、ヘルパーはiPadを持ち運ぶことでいつでも入居者の情報を確認し、必要なときに必要な作業を効率的に実施することができるとのことです。


経営戦略とDXの関連性について

SOMPOホールディングスの資料となります。中期経営計画(2021 年度~2023 年度)の基本戦略の一つである「新たな顧客価値の創造」では、データ活用をもとに新たなビジネスモデルの構築に取り組んでいます。その中でも現在集中的に取り組んでいるグループ戦略として、介護RDPの開発というものがあります。

SOMPOホールディングス株式会社「中期経営計画の進捗」より抜粋

SOMPOはRDP(リアルデータプラットフォーム)=「自社が抱える介護や業務データを収集・分析し、社会課題を解決する新たなソリューションを開発する活動のこと」と定義しています。
SOMPOケアでは様々なプロダクトや商品サービスを開発し、SOMPOケアが保有する24施設での介護現場に展開。実際に使ってもらったフィードバックをプロダクトに反映するというサイクルを実施しています。
いわゆる「アジャイル開発」と言われるものですが、「開発をしたらすぐに現場に展開」→「現場からの改善点をプロダクトに反映する」という作業を高速で繰り返すことにより、顧客にとってより便利で使い勝手の良いサービスを生み出すことが可能となります。

SOMPOケアは介護RDPを推し進めることで介護職の生産性向上や要介護の方のQOLを向上させるようなサービスを生み出し、介護業界におけるリアルデータ・プラットフォーマーを目指そうとしています。


まとめ

いかがでしたでしょうか?
今回の事例は要介護者の状態に関するデータを取得・統合し、そのデータを使って介護業務を効率化していく話でした。

介護業界のように人間相手への献身的なサービスが必要な業界は、同じ人が手厚く実施することが重要ではありますが、従業員の数も限られています。
人が実施している雑務を効率化し、顧客への対面作業やコミュニケーションが取れる時間を増やしていくことが大事ですね。その時間を生み出すためにIT活用が利用できないか探してみていただければと思います。

2022年もスタートしました。引き続きnoteでDX事例をお伝えしていくのでよろしくお願いいたします!
タナショー


参考にさせていただいた情報
SOMPOケア株式会社 HP
https://www.sompocare.com
SOMPOホールディングス株式会社HP
https://www.sompo-hd.com
SOMPOホールディングス株式会社「中期経営計画の進捗」
https://www.sompo-hd.com/-/media/hd/files/doc/pdf/ir/2021/20211125.pdf?la=ja-JP
SOMPOホールディングス株式会社「新中期経営計画(2021~2023年度)」
https://www.sompo-hd.com/-/media/hd/files/doc/pdf/ir/2021/20210526.pdf
Future Care Lab in Japan HP
https://futurecarelab.com
Helppad HP
https://helppad.jp
株式会社BRIGHT VIE 「ケアデータコネクト」
https://care-data-connect.com

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