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次世代型大規模物流センターで物流ソリューションを提供!デジタル活用で労働集約型の物流業界を変革せよ!〜DX事例47_SGホールディングス株式会社〜

ITコンサル×パートナーCFOのタナショーです。

このnoteではDX事例やIT活用事例の紹介を通して、経営者の方がITを身近に感じたり面白いと思ってもらえることで、企業の成長に役立つ情報をお届けしていきます。

今回はロジスティクス、物流業界からです。
戸田恵梨香さんがCMでプレゼンしている姿がかっこいいですよね。佐川急便をグループ傘下におさめる「SGホールディングス株式会社」の物流DXです。


労働集約型の物流をDXで最適化。SAGAWAが生み出すスーパーハブ施設「Xフロンティア」

SAGAWAは2020年1月に、グループ最大の物流施設となる次世代型大規模物流センター「Xフロンティア」が竣工しています。延床面積17万平米と広大な面積の中、物流拠点の中核となる中継センターの機能だけでなく、大型・特殊輸送エリアや国際物流エリアなどの「物流」に関するあらゆる機能を集約しています。処理性能としても、取扱個数10万個/hという高い性能です。

そんなXフロンティアの機能を含めた、SAGAWAのDX事例を紹介します。


①Xフロンティアの機能。ピッキングの自動化「オートストア」
以前のPALTACの記事でも紹介したこともありますピッキングのDXです。Xフロンティアでは株式会社オカムラの「オートストア」を導入し、次世代型の自動ピッキングシステムを実現しています。

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上:株式会社オカムラ「オートストア」
下:SGホールディングス株式会社「次世代型大規模物流センター「Xフロンティア」全面稼働開始」より抜粋


オカムラHPの商品ページと、Xフロンティアの実際の写真を載せてみました。この隙間が全くなさそうなコンテナ内に、高密度で荷物を収納。そしてロボットが縦横無尽に移動して荷物をピッキングします。コンテナ内はロボットが移動するため、人が通るような大きな動線は必要なく、従来の倉庫よりも約2〜3倍の収納力を実現できるとのことです。
また、荷物は人が待機しているスペースに運ばれるため、作業者は定位置から移動せずに検品や入出庫作業を行う事が可能となります。


②完全従量課金の小中規模EC向け物流アウトソーシング「XTORM(エクストーム)」
Shopifyなど個人でも簡単にECサイトが運営できるようになりましたが、荷物を保管し、発送業務を行うのは手間がかかるものです。XTORMはこの倉庫・出荷業務を完全アウトソーシングしています。XTORMは在庫管理Saasを展開する「ロジクラ」との共同サービスとなります。
XTORM利用者は商品ができたらSAGAWA(Xフロンティア)に送ります。そうするとXフロンティア内で倉庫保管され、注文がきたらその情報をXTORMに流すだけで、あとは自動でピッキングされ注文者のもとに届けられます

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XTORM HPより抜粋

XTORMの利点はなんといっても、倉庫や出荷業務を一切しなくていいことにあります。これによりECサイトは自分の商品開発や広報に力を入れることができます。

年末商戦やブラックフライデーといったイベント時には出荷量が急激に増えるため、従来は急遽アルバイトを雇うなどの対応も必要でしたが、XTORMではロボットが作業を行うため影響がありません。Xフロンティアは24時間365日稼働しているため、最短で翌日配送も可能となっています。


③電力データから不在予測!?ラストワンマイルもDX
こちらもとても面白いです。まだ実証事件の段階だそうですが、集配先の電力使用状況から不在状況を読み取り、再配達の件数を減らす取り組みになります。

通信機能を備えた電力メーター、いわゆる「スマートメーター」と連動し、集配先が不在かどうかを予測します。この在・不在状況を把握することで、在宅していそうな時間帯を効率的に配送できるように集配ルートを自動作成することができます。

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SGホールディングス株式会社「2021年3月期決算説明資料」より抜粋


2022年度からは個別電力データの開放も始まるため、今回の取組みが実現に至れば、更に効率的な配送ができるようになります。


DXと経営戦略の関連性について

SAGAWAは中期経営計画「Second Stage 2021」の経営戦略の中にデジタル化を挙げています。

物流業界にもDXの取り組みが盛んに行われていますが、SAGAWAは依然として物流業界は労働集約型産業であると語っており、デジタル化による効率化が必須だとしています。

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SGホールディングス株式会社「SGホールディングスグループ 統合報告書
2020」より抜粋

労働集約型産業であり物流業界において、労働人口の縮小や働き方改革が進む中、持続的な成長を実現するためには業務の無駄をなくし、効率化を進めることが重要です。

SAGAWAはAIやロボットの活用しながら人が行う作業を減らし、社員の作業効率を高めながら顧客に便利なサービスを追求するため、積極的にデジタル化を進めています。


まとめ

いかがでしたでしょうか?SAGAWAはCMでもおなじみの「GOAL」という物流コンサルサービスも実施しているので、物流といえばSAGAWAというイメージもありますよね。

そんなSAGAWAですが、経営資料などを見るとあまりDXという言葉が見つからず、反対に「デジタル化」「デジタライゼーション」という言葉が多く登場していました。デジタライゼーションは「デジタル化」という意味となります。
タナショーは過去何度か「DXとは最適なサービスを実現するために、人と組織をガラリと変えること」と言っています。ITの活用で人や組織も変革してしまうのがDXなら、デジタル化を意味するデジタライゼーションは、DXの一歩手前の取り組みというイメージです。

SAGAWAがDXという言葉をあえて使っていないのかは分かりませんが、もしあえて使っていないのであれば、SAGAWAは今後デジタライゼーションではない真のDX施策を公表してくるかもしれませんね。Xフロンティアや電力メータのAI活用などの様々な取り組みを行っているSAGAWAがDXをしたら、どんな凄い取り組みになるのかとても楽しみですね♪
次回もお楽しみにしていただければと思います。
タナショー


参考にさせていただいた情報
SGホールディングス株式会社HP
https://www.sg-hldgs.co.jp
SGホールディングス株式会社「SGホールディングスグループ 統合報告書2020」
https://ssl4.eir-parts.net/doc/9143/ir_material_for_fiscal_ym16/95478/00.pdfSGホールディングス株式会社「2021年3月期決算説明資料」
https://ssl4.eir-parts.net/doc/9143/ir_material_for_fiscal_ym/99247/00.pdf
SGホールディングス株式会社「次世代型大規模物流センター「Xフロンティア」全面稼働開始」
https://www.sg-hldgs.co.jp/newsrelease/2021/0302_1671.html
SGホールディングス株式会社「XFRONTIER 竣工記念メディア説明会」
https://www.sg-hldgs.co.jp/x-frontier/pdf/presentation_01.pdf
株式会社オカムラ「オートストア」
https://www.okamura.co.jp/solutions/factory/logistics/autostore/
XTORM HP
https://logikura.jp/xtorm/
DIAMOND SIGNAL「ロボットが不眠不休で稼働する佐川の“次世代物流センター”、パートナーに選ばれたスタートアップの正体」
https://signal.diamond.jp/articles/-/722


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