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配膳ロボットを使った非接触のサービスで焼肉屋に業態転換!?〜DX事例28_ワタミ株式外社〜

ITコンサル×パートナーCFOのタナショーです。

このnoteではDX事例やIT活用事例の紹介を通して、経営者の方がITを身近に感じたり面白いと思ってもらえることで、企業の成長に役立つ情報をお届けしていきます。

今回は「居酒屋 和民」といえば知らない人はいないでしょう。今回のタイトルにもあります通り、昨年この居酒屋の和民を「焼肉の和民」として業態転換することを公表したワタミ株式会社のDXです。


焼肉の和民が提供する非接触なサービスとは?ロボットを使った配膳

コロナ禍を生き抜くために「居酒屋業」から「焼き肉」に業態転換するワタミですが、業態転換といっても同じ飲食業なのにそこまで売上が回復するものなのか?とタナショーも疑問ではありました。
今回ワタミは、外食時の”密”な状態をいかに回避するか、というキーワードで業態転換を行っています。

①ロボットが配膳と皿の取り下げを実施
タイトルの通り、焼肉の和民は配膳用のロボットを投入しました。ロボットベンダーの各社比較中ということで、店舗によって導入しているロボットは異なります。pepperを開発したソフトバンクロボティクスの配膳ロボットや、日本システムプロジェクト社製の配膳ロボットがそれにあたり、重量センサーや非接触センサーを使い分けながら障害物を回避しつつ自動で配膳を行います。
配膳だけでなく、皿の取り下げも行うそうで、このロボットにより配膳に伴うお客と店員の接触率を減らすことができています。

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ワタミ株式会社HP「ワタミグループ2021年3月期中間決算説明会」より抜粋


②その他非接触サービス、回転寿司のレーンを使った配膳や換気
配膳するのはロボットだけではありません。回転寿司店のようなレーンが作られた席も用意されており、タッチパネルで注文をするとレーンを通して料理が運ばれてきます。さらに、店内は排煙・空調設備にも力を入れており、3分ごとに店内の空気が完全に入れ替わるような仕組みも導入しているとのことです。

・レーンを利用した配膳
・ロボットを利用した配膳
・注文はタッチパネル
・3分で空気の全面入れ替えができる換気システム

これらの取り組みにより、焼き肉の和民では「密の回避」を全面にアピールすることで”安心な外食”を提供しています。

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経営戦略とDXの関連性について

ワタミの経営戦略として、経営資料や中期経営計画にDXを強調した情報は載っていませんでしたので、記事などから拾った情報をお伝えしていきます。

ワタミ株式会社は「居酒屋 和民」など約360店舗ある居酒屋のうち、2021年度末までに120店舗を「焼肉の和民」に業態転換し、5年間でフランチャイズ展開も含め400店舗を目指すと発表しています。

居酒屋だと配膳時の店員との接触や、お酒が入り会話が増えることによる接触率の増加を不安視したお客様に対して、「従来から排煙など換気をしっかりしている」焼肉店に目をつけた形です。更にロボットやレーンなどの非接触サービスを増やし行くことで、安心して外食に来てもらう環境を作ろうとしています。

居酒屋の和民は利用者のニーズに合わせ駅前立地が中心ですが、焼肉だとファミリー層の利用も見込まれるため、「焼肉の和民」はベッドタウンや大きな駅の周辺などにも展開予定とのことです。和民はITテクノロジーとビジネスアイディアで、経営厳しい飲食業にも関わらず、コロナ時代を生き抜こうとしています。


まとめ

いかがでしたでしょうか?

配膳ロボットはIT技術なので少し矛盾しますが、今回の和民の業態変換、これぞまさに”デジタルを使わないDX”なのかと思いました。
どういうことかというと、「DXは最適なサービスを提供するために、人も組織もガラリと変えること」とよく書いていますが、今回の業態変換がまさにそれと同じだからです。

居酒屋業を営んでいた和民が、「コロナ禍でも外食に来たくなるような」サービスを作るために、焼肉屋に一斉転換するわけです。これには居酒屋のオペレーションを担当していたお店のスタッフや店長にとって、とてもショックを感じてしまう出来事です。急激な方針転換に、もしかしたら辞めてしまうスタッフもいたかもしれません。それでもワタミはこのサービスを実現するために、思い切って焼肉業に”変革”したわけです。

もちろん変革に痛みはつきものですが、人や組織を変えてでも叶えたい目標がある。そして、それをIT技術を使って行うというのがタナショーなりのDX定義です。
DXの実行には経営者が主導して行わなければならない理由がよく分かると思います。従業員が実行するには荷が重いですよね。

あなたの会社も人や組織を変革してでも、叶えたい目標やビジョンはありますか?そのときはITの活用をお忘れなく。タナショーも引き続きDX事例を紹介していきます!
タナショー


参考にさせていただいた情報
ワタミ株式会社HP
https://www.watami.co.jp
ワタミ株式会社HP「ワタミグループ2021年3月期中間決算説明会」
https://ssl4.eir-parts.net/doc/7522/ir_material5/150905/00.pdf
AI+ by ITmediaNEWS「ロボット配膳「焼肉の和民」、“非接触”セルフレジのくら寿司 コロナ禍の飲食店、勝機はIT&ロボット活用にあり」
https://www.itmedia.co.jp/news/articles/2012/01/news140.html
ITmediaNEWS「「焼き肉のワタミ」、関西の旗艦店オープン 配膳ロボット導入で省人化」
https://www.itmedia.co.jp/news/articles/2012/21/news041.html

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