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同人誌を処分することにした

昨日のnote記事に引き続き、今日も片付けをしている。
その中で。
今まで買った同人誌を、処分することにした。

文字にするだけで心苦しい。
正直なところ、罪悪感がある。
我が家にめちゃめちゃ広い居住スペースがあるなら、正直どの本も大切に残しておきたい。でも、子どもの為に、いい加減片づけないといけない。
もう長い間読んでいない本が、正直沢山ある。いい加減、断捨離の時だ。


とはいえ、いきなり全部捨てるのは、私には無理だ。
幸い、旦那さんは私の趣味に理解がある。いや、理解がある人を選んで結婚してるんだけれども。別に今回のことも、こんなもの捨てろと言われた訳ではない。自分で勝手に決めたことだ。
とりあえず最後に一度目を通して、「どうしてもこれは」と思うものを厳選していこうと思った。まぁその「どうしても」、めちゃめちゃ数が多そうだけど。

ちなみに私の場合、『実家に預かってもらう』というルートも実は存在する。旦那さんは自分で選べたけど、親と、ついでに義実家に至るまでこの界隈に理解のある相手だったのは完全に運ガチャ大勝利である。
とはいえ実家に送ってしまうと、それはそれでまた10年眠らせるだけになることもなんとなく予想がつくので、今回は一旦処分できるものは処分してしまおうという考えに至った。

尚、同人誌というものは昨今は随分と市民権を得てきたようにも見えるが、あくまで『公式のお目こぼしをもらって行っている、著作権的にはグレーゾーンの遊び』であることを忘れてはならない。
どんなにほのぼの本だったとしても、一般流通している書籍のように、ミックスペーパーとしてゴミの日に出していい存在ではないのだ。

で、今回はここのお世話になることにした。

処理代等は特にいらず、送料だけ負担すれば、きちんと『分かってる人』が処理してくれます、という最高のサービス。
古い原稿とか、普通の古本もOKらしい。
「自分が作った同人誌の在庫処分に困ってエコサリオを始めました」というコメントが、めちゃめちゃ共感性を高めてくる。すみません非常に助かります。

さて、少しずつ厳選していこう。
『旧ジャンル』『昔のジャンル』という言葉はあまり好きではないのだが(基本的にメインとして今熱いジャンルの変遷こそあれど、その前に愛していた沼に冷めた訳ではないのだ。全てが現在進行形ジャンルと言いたい)、
一応今のメインジャンルは『おそ松さん』と『デレステ』。
デレステの同人誌は買っていないので、今我が家で大多数を占めているのが『おそ松さん』なのだけれど、これはイベントで買い漁っていた日付が比較的直近なこともあり、今精査するのは実は結構難しい。
最近「うわー、かわいーっ!」って思って買ったばかりの服を、買いすぎだからさぁ捨てろって言われたって無理でしょ。だって可愛いから買ったんだもの。いずれ捨てるにしても、せめて今シーズン+α着てからにしてほしい。それと同じような話だと思う。

後、松はジャンルの規模が化け物だからそこも怖いんだよな……。
仮に1ジャンルにつき1%が神作家だったとして、クラスタが100人なら神作家は1人だけだけど、クラスタが10000人いたら神作家は単純計算で100人いるってことになる。とても処分出来ない神本が、一体何冊あることか。
いずれはこれも精査しなきゃいけないんだけど……いや怖いな……一旦考えるのやめとこう。

その前に『Ib』とか『ハガレン』とかちょいちょい買ったものはあるけど、一番今整理しやすいのは『ぷよぷよ』だ。
私が一番最初に同人を始めた、私の中のレジェンドジャンル。
我愛永遠不滅成。一生推し。だけど、買ったのがもう10年、15年も前の本が多い。流石に感性も多少変わる。あの頃崩れ落ちそうなほどに心臓を射抜いた本も、今見ればやや陳腐な表現に見えることもある。様々な神作品たちを10年見続けて目が肥えてしまったから、今見たらそこまで上手く見えないなっていうこともある。
時の流れは残酷だ。

こんな書き方をすれば「何を偉そうに」と反感を食うかもしれないけれど、正直私も買い手であると同時に書き手側でもあるので、もし「10年前の星干さんの本、今も大事に持ってます!!いやぁ作品、今と全然変わってませんねぇ!!!」ってキラキラした瞳で言われたら
「えっ有難う凄いね?!物持ちがいいね??!?!??でも捨ててwwwwもう捨ててそれはwwwww流石にもう色々稚拙で恥ずかしいwwwwww(後その「変わってない」は成長してないという意味ではなかろうな大丈夫か?????)」
ってなるので、多分世の中の同人作家さんたちも、「まぁそりゃあ……10年だしねぇ……」って言ってくれると思う。多分。

ただ、そんな時の流れに負けずに(うわーーーーーーーーー今見てもどちゃくそ上手えぇぇぇぇぇ嘘でしょ全然色あせない……!)っていう神作家もいる。眩しい。色んな感情が溢れて、思わず目を覆う。
私は同人誌は漫画で買うことが多いので漫画に限定した物言いをするけれど、

・絵柄の古さを感じさせない
・背景その他も含めたペン使いが丁寧
・コマワリが見やすい
・書き文字が読みやすい、あるいは好み
・台詞回しや展開が安っぽくない(そのへんはプロとアマの差を感じるなぁと思うことは、多々ある。いやいっそそのチープだけど王道な展開が観られるのは同人誌ならではの楽しみ、という気持ちも否めないのだけれど!)
・理屈はさておき、なんかすごい好き!って思わせるものがある

等々、まぁ色んなポイントがあって、10年経った今見ても上手い人はガチで上手い。私も10年前と比べれば随分マシになった方だとは思うけど、更に10年真面目に修行したとして、いつまでもこの人の隣に立てる気はしない。
いつまでも後光が見える。神。

相まって、そんなにも前に買った本だと「うわっっっ、いらっしゃったなぁこの方!!!懐かしい!!!!!」が加わってくるのでもうほんと辛い。
絵柄だけで名前が思い出せる方、逆に名前だけでときめいてしまう方、名前は思い出せないけど絵柄に物凄く印象があって、作者名を見て思い出して崩れ落ちた方、あぁーーーーーこの人のHP日参してたあぁぁぁ毎日見に行ってたあぁぁぁあ!!!!画像いっぱい保存したあぁあぁぁぁ!!!!!いっそ印刷もかけたあぁぁああぁぁあ懐かしいよおぉぉぉ……!!

『個人HP』『同盟』『ウェブリンク』『お絵かきチャット』の全盛期を生きた女なので、怒涛の如く思い出が押し寄せる。ひぃ。
いつからかHP日参しなくなったなぁ、本当にいつからだっけ。
この方々は、今もお元気にしてらっしゃるだろうか。無理に同人活動を続けてくれてなくてもいいから、見知らぬどこかで幸せに元気に暮らしていてほしい。何の縁もないけど、お歳暮送りたい。

そんなとんでもねぇ神様方の作品は流石に残させて頂くとして、「好きだけど、これを最後と思って読めてよかったなぁ」くらいで終われたものはとりあえず処分の方向にすることにした。

あぁでも、やっぱり手放すの、惜しいな。今回はもう手放すって決めたから、そこは変えないけど。
だって1冊1冊全てに愛が籠ってる。読むのはあっという間だけど、これを描き上げるまでにどれだけの時間が掛かってるんだろう。1時間で雑にほほいっと描けたような本なんてまずない。どの本にも何週間、何か月と手間と体力と気力と技術が注ぎ込まれて、その人たちが当時表現したかったものとか、面白いと思ったネタとか、そういうものがめいっぱい濃縮されてる。
愛おしいねぇ。あぁ、愛おしいねぇ。
手元に置き続けてあげられなくて、本当にごめんなさい。
でもこの本を買った時、お金を払ったその時に、私は間違いなくワクワクしたし、「買えたーっ!」っていう喜びに溢れたし、綺麗な表紙にも素敵な中身にも、沢山の感情の揺さぶりを貰ったよ。

色々と読み漁って、ふと顔をあげたらベビーベッドで娘が寝ていて、時空が飛んだかのような気分になった。
うわ、読んでる間、気持ちが10年前に飛んでた。
えーとえーと、ただいま令和。ただいま娘、ただいま子持ちになった私。

あの当時の時間や空気まで、閉じ込められていたような気がする。
やっぱり、良いお買い物をしていたんだなぁ。

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