ヒットの法則:社内ユーザーの法則
今日もご覧いただきありがとうございます。
今回は、がっちりマンデーの「儲かりアワード2023夏」で取り上げられた、パナソニックサイクルテックの「ギュット」を見ていきたいと思います。
(トップ画像引用元:https://cycle.panasonic.com/special/gyutto/#lifestyle)
ヒット商品がヒットした要因は様々あると思います。自分はこう考える、といった意見がありましたら、ぜひコメントに残していただければと思います。皆様のコメントによって、より多角的な分析に繋がると思います。
社内ユーザーの法則
「ギュット」はパナソニックサイクルテックが製造、販売する、電動アシスト付きの子乗せ自転車です。がっちりマンデーの中では、商品のターゲットになるような女性社員に開発に参加してもらい、徹底的にユーザー目線で商品を開発したと紹介されていました。
これが、社内にいるユーザーの声を具現化する事でヒット商品に繋げる、社内ユーザーの法則です。
実際にギュットを見てみると、次のような特徴があります。
・鍵を取り出さなくても解錠できる「ラクイック」
・スタンドが立てやすい「かろやかスタンド」
・スタンドを立てると、ハンドルがぐらつかない「スタピタ」
・安定感のある「幅広タイヤ」
ラクイックは荷物と子供で手がふさがっているシーンで便利そうですし、軽やかスタンド・スタピタで、子供を乗せた重い状態で自転車が停めやすく、ぐらつきにくいのも安心感があります。
一方で、ライバルになる商品はどうでしょうか。
ホームページを見てみると、以下のような印象を受けます。
■ブリヂストンサイクル ビッケシリーズ ⇒ 走行性能に重点
■ヤマハ PASシリーズ ⇒ 子供シートの安全性
各社14万円から20万円で商品のラインナップを組んでおり、価格に差はありません。ライバル二社がスペック・ハード寄りの提案をしているのに対して、ギュットがユーザー目線で独自性を築いているのがわかります。
法規制による保護の下での攻勢
電動アシストサイクルというと、中国メーカーの参入で、価格競争が起きています。しかし、͡子乗せ自転車に関しては、「幼児2人乗り基準」という保安基準の適合が必要になります。本来は子供を前後二人載せる自転車に適用されるのですが、標準で一人乗せのモデルでも後で追加できるようにこの基準を満たしています。
子乗せ自転車はこの基準がハードルになり、参入がほぼない安定した市場のようです。大手三社の競合関係がほとんど変わらない中で、パナソニックサイクルテックがユーザー目線での開発を行い、価値提案を行ったことで、売上も伸ばせたのだろうと考えます。
なお、ユーザーが社内にいると、開発では多数のメリットが出てきます。
ユーザー目線での製品開発ができるのはもちろんですが、試作品での評価やニーズ調査が社内でもできるので、外部での検証よりもコスト、時間でのメリットが出てきます。
また、普段間接部門で務めている社員の声を取り入れ、商品になることで、社員の自信にもつながり、ユーザー・会社・社員の三方良しを実現できるでしょう。
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