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#8. 世界各国の魅力的な言葉あれこれ


その言語を知らない人にとってはこの上なく魅力的に響く言葉というのが、どの言語にも一つや二つ、あるものだ。

以前、英語に翻訳できない日本語として「恋の予感」があるというのを書いたけれども、それと似たような話で、先日こんな記事を見つけた:

「わたしたちが英語で使いはじめるべき 23 の素晴らしい外国語」というタイトルで、英語以外の言語から、魅力的な単語を 23 引いている。

すべてが気になってしまった人は元の記事に飛んでもらうとして、ここではその内いくつか、ぼくが気に入ったものを紹介する。

1. Kummerspeck

German for "grief bacon." It refers to the weight you put on while overeating for emotional reasons.

「悲しみのベーコン」という意味のドイツ語。感情的理由から食べ過ぎたことによって増えた体重のこと。


2. Chi Ku (吃苦)

Chinese for "to eat bitterness." This refers to the ability for one to endure hardship without becoming a bitter person.

「苦みを噛む」という意味の中国語。無情な人になることなく、苦しみに耐え忍ぶ力のこと。


3. Pochemuchka

A Russian word for a person who asks too many questions.

やたらと質問してくる人を指すロシア語。


4. Backpfeifengesicht

A German word referring to a face that needs a slap.

ドイツ語でビンタが必要な顔のこと。


5. Cwtch

A Welsh word that most closely translates to "safe place," but actually refers to a certain type of affectionate hug — by giving someone a "cwtch," you're providing them with a "safe place."

「平穏な場所」とでも訳され得るウェールズ語。だが実際には、ある種の愛情の込もった抱擁のことを指す―つまり、誰かを愛を込めて抱きしめることで、あなたはその人に「平穏な場所」を与えているということである。


6. Culaccino

An Italian word referring to the circle of condensation left on a table after picking up a perspiring glass.

結露のついたグラスを持ち上げた後、テーブルに残っている水の跡。

笑ってしまうものや考えさせられるもの、くだらないものまで、どれもこれもたいへん魅力的である。

単語の機微には、その言語の背景にある地域の文化が出る。雨の多く降る日本の言葉には、雨を表す単語が様々あるし、雪国のフィンランドには雪を表す言葉が 50 以上もあるという。

ここで紹介したような単語も、きっと「そのようなことがよくある」からこそ、生まれてきた言葉なのだと思う。

ロシアには質問攻めで人を苦しめる輩が多いのかもしれないし、イタリア人はコップを持ち上げた後の結露にも人一倍気を配っているのかもしれない。

「ビンタが必要な顔」にまで一つの単語をつくったドイツ人をおかしみ、ドイツ語をやってみたくなった人もいることと思う。

しかし、ここでひとつ忠告。一度学び始めたら、それからの挫折は禁物である。

心が折れてやけ食いすれば、「悲しみのベーコン」がついているなどと、ドイツ人に笑われてしまうからだ。


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