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【詩】裏方は一人サーカス団

さぁさ見てくれ僕の芸
あちこち漂うこの風船
なんと触れれば即爆発
腕の一本は吹き飛んじまう
そんな野蛮なこの部屋で
僕は愉快に暮らしてるのさ!

さぁ見ててごらん
実演しよう
壁に擬態したこの風船
右手でちょっと突いてみよう
閃光!
爆音!
飛び散る破片!
心配ご無用
右手は義手さ
僕が笑ってさえいれば
痛みも無かったことになる!

今のはあくまでショータイム
いつもは爆発なんてさせないさ
風船が重く沈んできたら
淀む空気の流れを読んで
そっと天井に帰してやる
そら、間一髪!
この檻に風穴が開くことはない!

どうやって身に付けたのかって?
全然難しくなんかないさ
生まれた時からやってりゃね

嗚呼この器用さが恨めしい
地獄のほころびをつくろう才能!

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