BL世界に住んでいる(かもしれない)
BL漫画をちょいちょい読んでいる。R18のものは基本読まないが、R15くらいなら普通に読む。
ただ別のジャンルの漫画と比べて特別好きかというとそうでもない。ハマるというほどではないが、男女の恋愛ものよりは何となく読みやすい。多分、自分自身がBL漫画の世界に住んでいるようなものだからだ。
ゲイの世界ではなく、あくまでBLの世界。そもそも僕はアロマンティック/アセクシャル的なアレなのでゲイではない。にも関わらずうっかり気を抜くと男との恋愛フラグが立つ。そういう風に世界ができている。それは僕が周りから女とみなされているせいなのだが、僕の一人称視点ではノンケ受けのBLみたいなものである。それも妊娠出産できるタイプの。
そのためBLには自分を重ねて読んでいることも多い。どっちが攻めとか受けとかの論争もあまりピンと来ない。自分が感情移入しているほうが受けがいい。そのほうが感情移入しやすいから。それ以外に言えることが何もない。
BL世界の登場人物も、みんながみんな男性を恋愛対象としているわけではない。『絶対BLになる世界VS絶対BLになりたくない男』という漫画で、主人公が男性との恋愛フラグを回避すべく奮闘しているが、若い頃の僕も恋愛に発展しないようかなり気をつけて生活していた。
恋愛フラグを立たせないためには、相手に「あいつオレのこと好きじゃね?」と思わせないことが重要である。脈なしだぞと態度で示すのだ。男には頼らない、最低限しか優しくしない、二人きりにならない。そんな努力が実を結んだのか単に魅力がなかったのか、無事にモテない青春時代を送ったのだった。
彼氏ができてからはそういう気遣いの必要が薄れた。恋愛フラグをへし折るための最強の手札は「彼氏いるんで」だからだ。それはそれで「人妻っぽくてエロい」とか言ってくる大学の先輩もいて、「は? クソうぜぇ」と思ったりもしたが。その時は流してしまったが、直接言っても良かったのかもしれない。「は? クソうぜぇ」って。
自分としては友情の延長のような気持ちで結婚までしたのだが、その辺りの性に関することは過去記事に書いたので割愛する。しばらくはうまくいっていたものの、結果として離婚の方向になっている。恋愛感情や性的関心が互いに向いていない場合は、相当しっかりした話し合いをして気持ちのすり合わせを継続しなければ関係の維持は難しいのではないかと思う。どんな関係でもそうかもしれないが。
特に男が好きでもないのにBLの世界に送り出されるというのは面倒なことだ。恋愛フラグを気にせずに済んだなら、もっと気楽に友情を育むこともできたかもしれない。フラグを気にするあまり友達を作る機会を逃してきたのかもしれない。残念なことだ。
これから「旦那がいるんで」という免罪符が使えない人生が再び始まるわけだが、そろそろ中年だし出会いもないのでフラグを気にする必要はあまりなさそうだ。ありそうだったらフェイクの結婚指輪でも着けておこう。自分ではもうBLにはなりたくない。
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