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『ビジネスで使ってみたい英語!: keep one's head above water(持ちこたえる)』

濁流に飲まれて溺れそうになりつつも、何とか頭を水上に出して息をしている。その濁流とは、経済的な問題であったり大量の仕事であったり。

これ、思いっきり身に覚えがあります。子供三人が乳児、幼児だった頃、育児と家事と仕事でてんてこまいでした。

アメリカの産休育休は短く、有給で4週、州によってはその後無給で8週追加することができますが、そんだけ。(というか、日本が長い...。)私は長男次男で各5週間、末娘では12週間だけで、夜泣きや夜の授乳が続く中仕事に復帰でした。

アメリカの保育園代は高く、子供三人で20万円ほど払っていた時期もあります。全員が小学生になるまで経済的にも時間的にもカツカツでした。大変過ぎて、当時の記憶がろくにないです(苦笑。

アップアップの状況をなんとかやりくりしている状態の表現がKeep one's head above water. 経済的に困窮してるときに使われることが多いですね。

Keep one's head above water: to stay out of trouble, especially financial difficulties; keep up with work or other demands.

 さて、昨今パンデミックのために、健康問題だけではなく、レイオフされたり、オンライン授業で家にいる子供のため仕事をやめざるを得なかったりで、経済的にも苦しむ人が増えましたね。

私の住む町は大企業が多く、比較的裕福な家庭が多いのですが、それでもホームレスの人が目立って増えてます。先日もガソリンスタンドで給油してたら、突然見知らぬ人に「現金持ってませんか?少し助けてもらえませんか」と話しかけられました。(まれーにそういうことがあります。)

先日聞いていたニュースにて、アメリカ人の46%が「深刻な経済上の問題を抱えている」と言い、3人に一人が「ほぼすべての貯蓄を使い果たした」と言い、6家族に1家族が食料を買うため他の支払いを遅滞させているという調査結果が出たそうです。

現在うちの学区の小中学生は、感染症対策で半日のみ学校に行っていますが、毎日無料のランチが提供されていて、誰でも持ち帰ることができます。ちゃんとご飯が食べられるのは学校の無料ランチのみという子供たちためでしょう。

Nobita has been financially struggling to keep his head above water since the pandemic hit the economy.
のび太はパンデミックが経済に打撃を与えて以来、何とか持ちこたえようと苦労してきた。 

その一方で株価だけは高い。リーマンショックでは、不景気に持ち堪えられず401Kを含めた投資や貯蓄を解約してしのいだ貧乏人はますます貧しくなり、また株を手放さずに耐えさらには底値で大量に買いまくったお金持ちは、その後の株価上昇でますます豊かになりました。

今回も貧しい人はもっと貧しく、お金持ちはもっとお金持ちになるのは間違いない。アメリカの格差はすさまじいものがあります。

経済格差を示す指標にジニ係数なるものがあります。「0が格差なしで1が格差ありまくり」を意味しますが、アメリカは0.4近辺をここ数年うろうろしています。0.4は社会が不安定化する「警戒レベル」、つまり騒乱が多発し始めるレベルです。(ちなみに日本は0.33%ほど。発表する機関によって数字が多少異なります。)

そんな矢先のBLF(Black Lives Matter)運動の広がりでした。幸い大半が穏やかなデモ行進のようですが、黒人の人権を訴えた運動の割に参加している人に白人、特に若い人が多いのは、社会不満への現れなんでしょうね。



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