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オンリーワンな廃校活用 ~メニコンの&HAUS~

メニコン、と言えばコンタクトレンズ!

社名も「『目にコン』タクトレンズ」
から生まれた会社です。
(「メニコン」は商標登録もされています)

1951年、日本で初めて
角膜コンタクトレンズの実用化に成功!
以来、半世紀以上にわたって
コンタクトと言えばメニコン、と
第一想起されるような会社として
事業を継続してきた会社。

…そのメニコンは、文化事業にも
積極的に関わることでも知られています。
サッカーの「メニコンカップ」、
「メニコンスーパーコンサート」、
「ギャラリーMenio」
「HITOMIホール」などのメニコンANNEX、
「メニコンシアターAoi」など、
様々な文化の環境整備に注力している。

この会社が最近、文化の薫り高い都市、
陶芸の「笠間焼」でも有名な
茨城県の笠間市において、
とある試みを始めました。


廃校を活用した施設。ドッグラン完備。
しかし、ただのドッグランではない…!

本記事では、メニコンが手掛ける
この「&HAUS」(アンドハウス)という
事業・施設について紹介をしてみましょう。

近年、少子化や過疎化の影響を受けて、
全国各地で「廃校」が増えているのは
よくニュースになるところです。
(リンクから廃校の記事もぜひご参照を↓)

その廃校を、活用していく。
レストラン、宿泊施設、交流施設…。
様々な自治体が、それぞれに
工夫を凝らしているところ。

学校は基本グラウンドや体育館があって
広い敷地を有しますから、
「ドッグラン」に活用しよう!という
アイディアは出そうですよね。
うん、犬も、広々としたところ、
学校で走れれば、とても楽しそう…!

しかし、メニコンの「&HAUS」は
ただのドッグランでは、ない。

何と、この施設は動物保護領域での
最新研究分野のひとつ、
「シェルターメディスン」
考え方に基づいた施設なんです!

…シェルターメディスン? 何それ?
何だか聞き慣れない
カタカナ英語的な言葉、ですよね。

これは直訳では「群管理の獣医療」
様々なシェルター、つまり
「保護施設」から集めた
たくさんのデータを分析して、
「獣医学的」な観点から
動物保護の在り方を見直すことで、
基準値に沿った管理方法を実現する、
という考え方やスタイルを指します。

一般家庭で飼養されるペット、
「伴侶動物」に対する獣医療。
それを、一般家庭とは「異なる」
環境によって保護・管理していく。


…考えてみればペット、
飼い犬などは基本「個人」「家庭」が
「個々に」保護・管理していますよね。
しかしこれには、リスクが伴うものです。
もし、飼い主が亡くなったら…?
その飼い犬はどうするの…?
とても、大きな問題。

特に、高齢者の方のペット問題は
悩んでいる方も多いのではないか?
読者の皆様は、いかがですか?
親や自分が亡くなった時に、
さて、かわいい犬を、誰にどう
面倒を見てもらうべきなのか…?

はい、そこでシェルターメディスン!

「&HAUS」では、
「犬と生きる、を問い続ける。」
キャッチフレーズにして、
「全体と個」を大切にしています。

個人の力だけでは及ばない、
変えられないことであったとしても、
同じ意思を持つ人たちが集まれば
変えることができる!
「すべての犬のしあわせにつなげる
ビジネスモデル」
を、模索している。

この施設ではドッグランだけでなく、
「犬との暮らし方教室」
「犬のみらい保障」「犬の保険」など
様々なサービスが用意されています。
飼い主に万が一があった時でも、
「&HAUS」で責任をもって
終生、飼養してくれる…。


しかし、なぜ、メニコンが
こんな事業を行っているのでしょうか?
もしや、メニコンの社長や従業員は
みんな、犬が大好きだとか…?

その理由を調べてみると、
意外な接点がありました。

1997年、メニコンは日本で初めて
「動物用眼内レンズ」を発売しています。
白内障になった犬へのコンタクトレンズ。
2002年には、犬猫用の治療用レンズ
「メニわんコーニアルバンデージわん」
を発売しています。

つまり、犬や猫など
ペットの医療事業にも、
数十年、関わっている会社なのです。

そもそも犬は、警察犬などにも
活躍している動物。
聴覚や嗅覚が、とても優れている。
しかしその代わり、視力は
人間で言うと平均0.2~0.3ほど。
「角膜潰瘍」や「白内障」などにも
かかりやすい、と言われています。

歳を取れば身体が衰えていく。
犬も人間も、同じ。

いかに犬に、良い犬生、キャリアを
歩んで(走って?)もらうべきか…?

メニコンは、ずっと考えてきたんです。
その動物医療事業の延長上での、
「犬と生きる、を問い続ける。」です。

…考えてみれば「廃校活用」も、
施設の長いキャリアを考えてみれば
「キャリアチェンジ」ですよね。

もともとは子どもたちを育む施設として
つくられた学校施設。しかし
子どもたちが少なくなり、いなくなり、
「学校としては」使われなくなった。
しかし、敷地や施設自体のキャリアは
ずっと残り、続いていきます。
新たな役割を担うことによって、
廃校もまた、生まれ変わることができる。

ペットとして飼われ始めた飼い犬も、そう。

飼い主がいなくなったら、即、
犬生が終わるわけではない。
そこから新たな犬のキャリアが始まる。
もし個人だけで面倒が見きれなくなるなら、
同じ意思を持つ人たち、
「全体」で支えていってはどうか…!


新たな飼い主を探したり、
終生、飼養したりしてくれる。
その犬自身も、新たな次のキャリアを
充実させることができる。

「&HAUS」は、そんな事業なのです。

最後に、まとめます。
本記事ではメニコンの
新しい事業について紹介してみました。

2022年11月3日にオープンした
まだまだ新しい施設です。

施設は3階建て。
敷地は約2万4225平方メートル。
延べ床は約1978平方メートル。

1階にスタッフルームや
地域住民の利用できる交流スペース。
2階には計22匹のペットを
一時的に預かる場所を備えている。
敷地の一角には、
犬が自由に運動できるドッグラン。
今後は「トリミングルーム」や
「フォトスタジオ」などの設営も
予定されているそうです。
猫の預かりも視野に入れる、とのこと。

「コンタクトレンズの会社」と
「文化豊かな市町村」が組み、
犬たちのキャリアのみならず
新たな地域のキャリアをも拓く…!
異色の組み合わせ、パートナーが手掛ける
「オンリーワン」な廃校の活用…!


高速のインターも近いし、
お土産の笠間焼も買えるし、
「常陸秋そば」は美味しいし、
里山の風景で癒されるし、
まずは遊びがてら
犬を走りに来させるだけでも
とても良い環境にある施設です。

興味がある方は、ぜひ一度、
ホームページをのぞいてみては
いかがでしょう?

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