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『馬追原野』からの『空飛ぶパンプキン』!

長沼町(ながぬまちょう)は北海道。
札幌の東方にある町です。
新千歳空港から車で約30分、
札幌からなら車で50分程度の場所。

人口は、約1万人です。

田園や畑作の風景、牧場や丘の上のカフェ、
キャンプ場や温泉なども点在しており、
「北海道らしい旅」が存分に楽しめる。
「ジンギスカン」も美味しいそうです。

…そうです、というのは、私は
この長沼町に行ったことがありません。
それどころか恥ずかしながら、
町の存在すら最近まで知らなかった。

とあるニュースによって、
私はこの町のことを初めて知りました。

長沼町には先述したように、
魅力的な産物や施設がたくさんあります。
…ただ惜しいかな、あるお店が少なかった。

それは「本屋さん」です。
ここに本屋を新たに
立ち上げようとする方がいる。
2024年7月20日(土)に…。

相田 良子 さんです。
そのお店の名前は「本屋KIBAKO」

本記事では「本屋KIBAKO」がオープンする
長沼町の歴史と地理を、私なりに
皆様にご紹介しよう、と思って書きました。

まず、基本的な情報から行きます。

北海道はでっかいどうです。広い。
その北海道の真ん中あたりに、
「石狩平野」が広がっております。
道庁所在地の札幌も、ここにある。
関東平野に次いで日本で二番目の広さ!

この平野を産み出したのが「石狩川」
明治時代より前、北海道の開拓前には、
この石狩川やその支流、
大小の池や沼が広がっていました。
いわゆる『石狩大湿原』
札幌などの街や鉄道は、この湿地を
避けるように作られた、と言われています。

明治維新後、徐々に湿地が開拓されていく。

蛇行していた川がまっすぐに治水されます。
新たな土も持ってくる(客土)。
湿原は徐々に少なくなり、日本有数の
大農業地帯へと生まれ変わっていきました。
大都市である札幌をはじめ、北海道の人口の
約五分の二がこのあたりで暮らしています。

…長沼町があるのは、この石狩平野の一端。
西部に平野、東部に丘陵(馬追丘陵)。

さて、長沼、というからには
「長い沼」があったのではないか?

まさにその通りで、開拓前のこの地には
三日月湖(川の通り道の後にできる湖)が
あったそうなのです。
アイヌ語で「タンネ・ト」。細長い・沼。
これが町名の由来。

1887年、明治20年、
吉川鉄之助と渡辺伝二が開拓を開始。
1892年、村ができるにあたり、
「功労者である吉川さんの名前をとって
吉川村にしようぜ!」
という意見が上がりましたが、彼は固辞。
タンネ・トからの「長沼村」になりました。

…この長沼の名を有名にした小説がある。
辻村もと子さんの小説『馬追原野』です。

馬追は「まおい」と読みます。
父親である辻村直四郎の開拓日記をもとに、
娘であるもと子さんが書き上げた作品…。
1942年に書かれたこの小説は
1944年「第一回樋口一葉賞」を受賞しました。

1972年(昭和42年)に「馬追原野」の
文学碑が、馬追丘陵に建てられた。
そこから一望できる見事な田園風景が、
もと子さんの父親たちが開拓した小説の舞台。
黄金の稲穂が輝く未来を示していた…。

しかし、ですね。

折りしもこの1970年代、
日本は『減反政策』を開始します。
米が取れ過ぎるから減らせ、と。
米を作りたくても作れない…。
休耕田が次第に増えていきました。

…このままじゃいけない!
そこで取り組まれていったのが
「長沼ニューカントリー事業」です。

「長沼の水と緑と光」をテーマに、
休耕田に麦や大豆、新種の農産物を
栽培するようになりました。
採れた野菜をレストランで提供。
地産地消の「長沼ブランド」!

ここまでをいったんまとめましょう。

◆日本で二番目の広さ「石狩平野」と石狩川
◆「長い・沼」があった大湿原と馬追丘陵
◆明治時代から開拓開始、小説『馬追原野』
◆減反政策で田園地帯に休耕田が増えていく
◆長沼ニューカントリー事業開始、地産地消
◆今では「北海道らしい旅」を楽しめる町に

…何となくイメージがついてきましたか?
加えて言えば、最近では
「空飛ぶパンプキン」でも有名。

えっ、かぼちゃが空を飛ぶ…?!

実は北海道、かぼちゃの生産量が日本で一位。
長沼町でも生産されている。
このかぼちゃを、非常にユニークな方法で
栽培している会社があるんですね。

お隣の岩見沢市に本社のある
「新生商事」という会社です。
『かぼちゃの空中栽培法』
という技術の特許を取得している。

これは、かぼちゃを土につけず、
ハウスの骨格部分から垂れ下げさせて
文字通り「空中」で栽培する技術です。
実の全体にまんべんなく
太陽の光が当たるため、色や形が整う…。

この奇想天外なアイディアもまた
開拓時代から脈々と受け継がれてきた
フロンティア・スピリッツの一端でしょう。
長沼町には、そんな風土がある。

そのスピリッツの延長線上の一つに、
私は相田さんが今回オープンする
『本屋KIBAKO』があるのではないか…
と、私は思っているのです。

最後にまとめます。

本記事では『本屋KIBAKO』がある
北海道の長沼町の歴史と地理を、
私なりに取捨選択して書いてみました。
現地未経験、すべてネット情報です。
ご容赦ください。

もちろん、観光ガイド風に検索すれば、
見逃せない施設、美味が次から次へと…。

◆道の駅マオイの丘公園(新鮮野菜が盛り沢山)
◆マオイオートランド(屈指の人気キャンプ場)
◆ながぬま温泉(加水・加温なしの源泉かけ流し)
◆ハイジ牧場(羊や馬、山羊たちがたくさん)
◆ジンギスカン(高タンパク、低カロリーなお肉)
◆カフェやファームレストラン(地産地消の美味)
◆どぶろく(北海道で初めてどぶろく特区の認定)

詳細はぜひ、下記の長沼町の
観光協会公式サイト、
『となりのながぬま』からチェック願います。

…本屋の少ない町に
新たに本屋を立ち上げる相田さんには、
たくさんの応援団がついています。
一部の方のみ、メンションをつけます。

「HUG&SHAKE」の
淀瀬 博行さん、Risa Takashimaさん、
「せんのみなと」の
高崎 澄香さん、長嶺 将也さん。
空を飛んで本屋KIBAKOに駆けつけるとのこと。
まさに、空を飛ぶかぼちゃの馬車の魔法…!

もちろん『となりの美穂さん』こと
砂押 美穂 さんをはじめとして、
北海道在住のLinkedInの皆様も
応援に駆け付けることでしょう。

私事ではありますが、
この私は過疎地域で生まれ育ちました。
ゆえに、相田さんの今回の挑戦が、
とても意義のあることだ、と感じています。

引き続き応援します!
素晴らしいオープンになりますように。
皆様の長沼町レポも、楽しみにしております!

※長沼町の詳しい情報はこちらからぜひ↓

※相田さんの
本屋KIBAKOのオープン前記事はこちら↓

※相田さんの本屋KIBAKOのnote記事はこちら↓

※『馬追原野』はこちら↓

※『空飛ぶパンプキン』の記事はこちら↓
「美味の秘密は太陽の光、収穫待つ「空飛ぶパンプキン」」↓

合わせてぜひどうぞ!

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