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日本の食、和食、と聞いて、
皆様は何を思い浮かべますか?

「寿司、天ぷら、うなぎ」
「ご飯に味噌汁に漬け物。一汁三菜?」
「海に囲まれているから海鮮、お刺身とか」
「ラーメンやカレーはすでに国民食です!」

…などなど、人によって思い浮かべる
イメージが違うのでは、と思います。

おそらくこれは海外での経験の有無でも
違ってくるように思います。
なぜなら、中の世界では自身が
「当たり前」と思っていることでも、
「外」の世界では意外と
「当たり前ではない」ことが多いからです。


一例を挙げます。例えば「箸」について。

日本的な食事では、よく箸を使います。
では、箸を使う国や地域は
世界の中でどれくらいあるのでしょう?

日本、中国、韓国、北朝鮮、台湾、
シンガポール、ベトナム、タイ、
ラオス、カンボジア、モンゴル…。
このあたりでは日常的に使われています。

世界の約三割が箸、約四割が手、
残りの約三割が
ナイフ・フォーク・スプーン。


もちろん日本においても手を使ったり、
スプーンを使ったりします。
しかしあくまで「箸」がメインで、
他はサブ、補助的なイメージ。
それが、他の国や地域では
「箸」をサブですら使わない所が多い…。

そういう体験を重ねると、
日本で日常的に使われている「箸」も
「世界的に主流、ではないんだな…」と
気付きやすい、と思われます。

ただですね、これらは海外だけでなく
「日本国内」においても言えるんです。

本記事では「日本の伝統食文化」
について書いてみます。

さて、皆様はどのくらい各地の
伝統食を知っているでしょうか?

日本は、地域色が非常に豊かです。
その地域に根付いた「伝統食」を、
農林水産省が「図鑑」にしています。
名付けて『にっぽん伝統食図鑑』
(そのまんま東、ですね)

このページに出てきた料理の名前を、
ほんの一部分だけ、紹介しましょう。
さあ、どんな料理なのか、どんな味か、
思い浮かびますか?
全部すぐに思い浮かんだ人は、凄い!
「美味しんぼの山岡さん」と呼びます。
(海原雄山かも)

◆たちかま(北海道)
◆がんづき(宮城県)
◆くじら餅(山形県)
◆凍みこんにゃく(茨城県)
◆枯露柿(山梨県)
◆こんかいわし(石川県)
◆すこ(福井県)
◆さめのたれ(三重県)
◆寺納豆(京都府)
◆赤てん(島根県)
◆ひがしやま(高知県)
◆げたんは(鹿児島県)

…いかがでしょう。
凍みこんにゃく以外は、
私がよく知らない名前ばかりを
「図鑑」から列挙してみました。

凍みこんにゃくだけ説明しましょう。
呼び名は「しみこんにゃく」
図鑑から説明文を引用します。

(ここから引用)

『凍みこんにゃくとは、
厳冬期の畑にわらを敷き、
薄くスライスしたこんにゃくを並べ、
水をかけて凍結と解凍を繰り返して
水分を抜いた伝統食材である。

スポンジのようにだし汁を吸い込み、
料理の味わいと独特の食感を
同時に楽しめる。
一般的には「煮しめ」として食べられるが、
近年は揚げ物など様々な料理に使われている。

低カロリーで食物繊維や
カルシウムが豊富なことから、
ヘルシー食材としても注目されている。

茨城県北部は昔から
こんにゃく芋の栽培が盛んで、
こんにゃく発祥の地とも言われている。

江戸時代中期に、
常陸大宮市(旧久慈郡諸沢村)の
農民であった中島藤右衛門が、
生産にも出荷・流通にも手間がかかる
こんにゃく芋を輪切りにして
冬日で乾燥させ、粉末にする製法を考案。
それにより長期保存や
遠方への輸送が可能となったこんにゃくは、
水戸藩の専売品として
藩の財政を支えることとなった。

水戸藩はその功績から
藤右衛門に名字帯刀、麻裃着用を許可している。
凍みこんにゃくは、江戸時代後期に

常陸太田市(旧久慈郡天下野村)出身の探検家、
木村謙次が丹波から製法を持ち帰ったとされ、
こんにゃく作りが盛んな茨城県北部で、
農閑期の副業として作られるようになった。

現在では、全国でも
この地域の数軒の農家のみで
生産される希少な食材である』

(引用終わり)

へえ~と思いながら、私も読んでいました。

高野豆腐のこんにゃく版のイメージ?
探検家が丹波から持ち帰って、
農閑期の副業として作られた。
それが水戸藩の財政を支える一品に…!

と、このように図鑑では
伝統食について詳しく紹介が
されていますので、リンクからぜひ。
…「げたんは」が、気になりますよね?

さて、ここからは「伝統食」について
私が思っていることを書きます。

伝統食の中には、
その地域だけで知られているものもあれば、
広く世に知られているものもあります。


例えば北海道の「いかめし」
有名ですよね!
百貨店の駅弁フェアや、
ゲーム『桃太郎電鉄』などで
知った方も多いかもしれない。

例えば熊本県の「からし蓮根」
私は漫画『美味しんぼ』で
主人公の山岡さんが
熊本県出身の政治家からスクープを取る
きっかけとして使っていた場面から、
知っていました。
(本人はただ飯を食っていただけだ、と
言い張っていましたが…)

このように、本来は
マイナーな地域限定の料理だったものが、
何かのきっかけで全国区になることがある。

山梨県の「ほうとう」や、
鹿児島の「さつま揚げ」などは、今では
飲食店で出されることも多いですよね?

その一方で、非常に美味しく、
地域によっては日常的に食べられているのに、
全国的には無名のままの伝統食も
この日本にはたくさんある。
無名であるがゆえに、製法が途絶えて
消えていく料理もたくさんある…。


海外の話も絡めてみます。

海外で日本食、和食と言えば、
「スシ・テンプラ」などが有名?という
イメージがあるかもしれませんが、

とあるランキングでのベストスリーは、

◆第1位:ラーメン
◆第2位:抹茶
◆第3位:寿司

だったそうです。

中国発祥、日本で発展したラーメンが
「日本の食」として認知されている…。
抹茶は、スイーツの材料にも加工できるため
使い勝手が良く、普及しやすかったんでしょう。
「マッチャテイスト」は「和」を感じる
印象的な味、なんでしょうね。

このように、地域を離れると私たちが
「当たり前」のように感じていることが
そうでないこともある。
逆に意外なもののほうが有名なこともある…。

「伝統食図鑑」は、
そんなことまで思わせてくれます。


最後にまとめます。

本記事は『にっぽん伝統食図鑑』を
紹介しつつ、その地域色と知名度について
考えてみました。

おそらく、海外の方がこの図鑑を見れば、
日本人からすればメジャーな料理でも、
「初めて知った!」というものが
多いのでは、と思います。

…え、「げたんは」がどんなもので
どんな味なのか気になる、ですって?

そんな方はぜひ下記のリンクから
「図鑑」にて検索を!

「げたんは」が気になって
夜も眠れない方のために、
そっとページに直接飛べるリンクを貼ります↓
https://traditional-foods.maff.go.jp/menu/gentaha

※こちらの記事もご参考に↓
https://tokusan-meisan.info/getanha/

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