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日本史であえて三人だけ挙げて概略を書きました。
前回の記事です↓

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ただし当然のことながら、
三人だけで歴史が動くはずもありません。
彼らには「戦友」的な仲間がおり、
鎬を削った「ライバル」たちがおり、
後に彼らの「志を継ぐ後継者たち」がいました。

本記事では、そんな
彼らを直接的・間接的に取り巻く
人物群像を描き出して、紹介しようと思います。
…小学校レベルとか一般教養レベルとか、
そんな枠は取っ払って書くので、
ちょっとマニアックな人物も
出てくるかもしれません。

①聖徳太子が、天皇中心に国をまとめようとした
②源頼朝が、天皇を敬いつつ幕府を作った
③西郷隆盛が、幕府を滅ぼして再統一した

私が前回の記事で書いたのは、三人。
①聖徳太子 ②源頼朝 ③西郷隆盛 でした。
順番に、行きましょうか。

①聖徳太子

彼とタッグを組んで「戦った」戦友は、
推古天皇(すいこてんのう)です。
女性の天皇です。
聖徳太子は「自ら天皇になる」
という道は、採りませんでした。
だから「太子」なんですね。
あくまで「摂政」(せっしょう)という
天皇を助けて政治を行う地位に就き、
様々な政策を行います。
おそらく、天皇に即位していたら、
さまざまな儀式や調整に気を取られて
大胆な施策はできなかったでしょう。
二人組だから、できた。

彼のライバルは、蘇我馬子
豪族代表、天皇の位を狙おうかという
「蘇我氏」のリーダーです。
天皇家 対 豪族たち。
聖徳太子とは仏教政策で手を組みますが、
潜在的なライバルであったでしょう。
この頃は必ずしもまだ、
天皇家の権威は絶対のものではありません。
事実、聖徳太子が死んだあと、
馬子の孫の蘇我入鹿は、聖徳太子の子どもの
山背大兄王を殺害してしまいます。

ですが、聖徳太子の志を継ぐ者がいました。
中大兄皇子と中臣鎌足のコンビ。
ご存知「大化の改新」などにより、
蘇我入鹿にリベンジし、豪族たちを押さえ、
天皇家中心の政治を進めます。
彼らは、のちの天智天皇、藤原鎌足です。
「天皇家&藤原家」の
コンビプレイの始祖とも言えましょう。
さらに言えば「壬申の乱」に勝ち、
「古事記」「日本書紀」などの編纂を開始、
「天皇」の称号を初めて使って
「日本」という国号を使い始めた
天武天皇も、後継者の一人かもしれませんね。

②源頼朝

彼の戦友と言えば、
軍事的には、有名なヒーローこと源義経
政治的には、大江広元が挙げられます。
義経は軍事の天才で、一気に平家を滅ぼします。
広元はもと朝廷の役人で、東に幕府を作った
頼朝にさまざまなアドバイスをします。
もちろん、妻の北条政子や、
その弟の北条義時なども外せません。
義経は粛清されて滅ぼされてしまいますが、
広元、政子、義時たちは
「鎌倉幕府」をがっちりと固めていきます。

ライバルは、もちろん平家です。
平清盛は、頼朝の終生の「親の仇」であり、
殺すべき相手だったでしょう。
ただし、もし清盛がいなければ、
都や朝廷に取り込まれた平家を反面教師として
東に幕府を作ろうとした発想もまた、
生まれていないかもしれません。
(ひいては「東京」も生まれなかったかも…)

彼の志を継ぐ者は、たくさんいます。
例えば義時の子、第三代執権、北条泰時
彼は武家のために「御成敗式目」
という法律を作ります。
なあなあで不明確だった裁判の基準を固め、
幕府の権威を高めました。
時代は下って、徳川家康も後継者と言えます。
江戸幕府を作った彼は、
源頼朝の事績を勉強した上で、
「東に」幕府を作ったそうですから…。

③西郷隆盛

彼の戦友は、やはり大久保利通ですね。
西郷と大久保のコンビがいなければ、
明治維新、倒幕、たぶんできていない。
情愛の西郷、智謀の大久保、
(実際には西郷も物凄い謀略家ですが)
幼馴染ならではの息の合った行動で、
江戸幕府を滅亡させていきました。
ただその後は、友人同士で相争うという
「西南戦争」なども起きましたが…。
新政府の障害となりそうな「薩摩の侍」を
西郷が道連れにして滅亡させたのでは…、
という見方もできる、かもしれません。

最大のライバルとしては
徳川慶喜、最後の将軍が挙げられます。
「大政奉還」などの奇策によって
政権を朝廷に返し、矛先をかわす。
徳川家を加えた形での新政府、
というカタチも、十分にあり得たはずです。
西郷たちも、かなり、手こずりました。
西郷・大久保(プラス岩倉具視)と
徳川慶喜との知略戦は、
幕末の中でも、かなりアツい部分ですね。

こうして西郷たちが苦心して作り上げた
明治政府は、後に伊藤博文たちが
「大日本帝国憲法」などを制定したり、
板垣退助たちが「自由民権運動」を起こし
国会を作ったりして、固まっていきます。
…今でも私たちは日本の首都を
「東京」、EASTのCAPITALとして
使っているのです。

以上、駆け足で書いてみました。

バラバラに歴史上の人物を覚えても、
いつか記憶はバラバラになります。

軸になる人物を押さえ、そこから派生させて
捉えたほうが良いのでは…、という
一つの「提案」でした。

さて、読者の皆様はどのような人物を軸に、
日本の歴史を捉えていますか?
…あなた自身の戦友、ライバル、
志を継ぐ者は、誰ですか?

最後に、彼らを描いた作品を紹介して
この記事のまとめとします。

①聖徳太子:山岸凉子さんの漫画
『日出処の天子』

②源頼朝:三谷幸喜さんの大河ドラマ
『鎌倉殿の13人』

③西郷隆盛:司馬遼太郎さんの小説
『翔ぶが如く』

大河ドラマにもなっています↓

創作物なのでフィクションもありますが、
かなり面白いです。興味のある方は、
リンクからぜひどうぞ
(なお『日出処の天子』はちょっと刺激的な
描写もありますので、お子様に読ませる際には
ご注意くださいませ…)。


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