見出し画像

仕事や立場を、あえて二つに分けます。
スペアか、アドリブか、という分類です。

もちろん「仕事」は無数に千差万別にあり、
その分ける指標もたくさんあります。
あくまでこの分類はイメージ的で、かつ
便宜的なものだと先にお断りしておきます。

◆スペア=代替的、標準化、汎用的
◆アドリブ=即興的、属人化、個別的

このように仮に定義します。
本記事は、この二つに分けることについて。

まず、読者の皆様自身の「仕事」について
イメージしていただきます。

スペアですか、それともアドリブですか?

そう言われても…と、
戸惑うのではないでしょうか。

「毎日『機械的に』行う
『ルーチンワーク』は『スペア』と言えます。

ですが『会議に出て発言』したり、
『お客様と商談』したりするのは
即興で、自分でないと難しいですから
『アドリブ』と言えるかもしれません。

どちらもあります、一概には言えない」

そういう答えになる人が
多いのではないでしょうか?

もちろん、純性100%「スペア」、とか
他の誰にも私の真似はできない「アドリブ」、
そう言い切れる人もいる、かもしれません。

先述したように、千差万別、無数にある。
人や組織それぞれ、状況それぞれ、に
よっても変わってくる、と思います。
決して二者択一ではない。
中間もいくらでもあるかな、という
あやふやな分類になります。


ただそれでも
「分けることは分かること」とばかりに
無理やり分けますと、
見えてくることがある。

それは、自分の仕事が、
「他人にも任せられるものなのか」
という「外からの視点」です。
また、自分が、自分の仕事について
どう考えているのか
も明らかになる。
これを得るだけでも
考えてみる意義があるのではないか。

具体例を挙げて考えていきます。

例えば「コンビニ店員」
「マニュアル化」されています。
あなたがコンビニバイトとして
働くことになった時には、
店長や先輩が、仕事を教えてくれます。

「品出しはこう、レジはこう、掃除はこう、
お客さんにはスナック商品の声掛けを…」

などなど。
コンビニ本部が「マニュアル」として
「汎用化」=誰でもできるように、と
「見える化」している。

ただ、ではコンビニ店員ならば
「誰がしても同じ」になるかというと、
必ずしもそうではない。

あなたがよく行くコンビニ。
この店員さんの所作は快適だなあ、とか、
この店員さんは遅いんだよな、とか
「人によって違う」ことはありませんか?

あくまで仕事をするのは「人」です。
いくら「スペア」で標準化されていても、
「アドリブ」の属人的な要素は、ある。

逆の事例も考えてみましょう。

例えば「お笑い芸人」
あなたがお笑い芸人になり、
番組などの収録に向かったと仮定します。

唯一無二、属人的の極み。
当意即妙、リアクションが命!
アドリブで笑いを生み出していく…。

というお仕事ばかりではない、ですよね。

いわゆる「お約束」もある。
「様式美」のように、ここはツッコミどころ、
というのが放送作家の「脚本」によって
事前に決められている、かもしれない。
誰かがボケたら、みんな一斉に
ズコーッと倒れなければいけない。
「ひな壇芸人」なんてのも、います。

そう考えてみると、
「スペア」的なものも多いのでは?

ただ、無名の芸人がしゃべるのと、
人気芸人がしゃべるのとでは、
反応が違う、ということも多い。
そう考えると、属人的な部分も多い…。

「コンビニ店員」「お笑い芸人」
という二つの事例を挙げて
具体的にイメージしていただきました。

「スペアとアドリブに分けられる」
「仕事によって傾向はある」
「でも、一概には言えない」

ということです。

では次に「組織」の面から、考えます。

「社長」と「平社員」の二つを想定。
どちらがスペアで、どちらがアドリブ?

「そんなの、決まってるじゃないですか!
社長さんは対外的にも代表。
唯一無二の存在、アドリブ、属人的です。
一方、平社員は『替えが効く』存在。
スペア以外の何者でもありませんよ」

…そうお考えですか?
しかし、ちょっとうがった見方を。

世の中の会社は、
アドリブ的な社長さんばかりですか?
あなたは他社と仕事をする際に
社長さんの顔がすぐ思い浮かびますか?

そうでもないですよね。
先に「営業担当者」の顔が思い浮かぶ。
社長さんって誰?という会社も、多い。

そういう意味では、
「誰でもいい」「スペア的な」社長も
世の中には多いのでは?

逆に言えば、平社員と言えども、
必ずしも「スペア」ではない。
「やはり、この人じゃないとね」という
属人的な平社員も多いのでは?

その点でも、スペアか、アドリブか、
一概には決められない、と言えます。

…もちろん、組織的な「機能」から見れば、
厳然たる「スペア」「アドリブ」の
違いはある。


例えば「コンビニ店長」と「バイト」。
何か問題が起こった時に、
矢面に立つのは、店長。
最終的な責任はトップに来る。
「バイト」が責任を取ろうとしても
「あなたじゃ話にならないよ」となる。

ただし、本部から見れば、
店長すら「スペア」=代替が効く
そういった存在、かもしれない…。

コンビニという極度に標準化・マニュアル化
された仕組みの中では、
常に「スペア」が前提に考えられています。
だからこそ、こんなに社会に広まり、
規模も拡大していったのです。

そう、規模を大きくする際には、
「どう標準化し、誰でもできるレベルにまで
仕事を落とし込むか」これが不可欠
なんです。

スペアだから、アドリブだから
どちらかが絶対的に良い悪いではない。
「相対的に」どちらが適しているのか、
どうしていくのか、という話です。

さて、以上を踏まえて
まとめにならないまとめをします。

読者の皆様は、ここまで読んできて
「どちらの仕事がやりたい」と思いますか?

「…いま、子育て中です。
子どもが熱を出して急に保育園にお迎えに
行かなきゃいけないこともあるので、
できればすぐ休みが取れる
スペア的に働きたいんですが」

「誰にでもできる仕事など
私のやるべきことじゃない!
私がいなきゃ、仕事は回らない!
私は太陽! アドリブ一択!
ルックアットミー!」

人それぞれ、ケースバイケースですよね。
実際に働く人の視点から見た時には

◆スペア=責任小、休みやすい
◆アドリブ=責任大、休めない

と言えます。ただ逆に言えば、

◆スペア=何かあったらすぐクビになる
◆アドリブ=簡単にはクビを切られない

という側面も、ある。
そこを意識的に逆算して考えて、
「あえて」属人的に仕事を難しくして、
保身に走る社員も、たくさんいそうです。

ただお客さんとの関係から言えば
「簡単には代替できないですよ?」と
思わせて「差別化」することこそが、
リピーターのゲットには大事。

状況や立場に応じて、使い分ける。
それこそが大事、では?

…以上、投げかけるだけ投げかけて
本記事を締めます。

スペアとアドリブ。

皆様の仕事は、どちらが多いですか?

◎なお、「環境」だけに着目すれば、
ジグソー/ピラミッド
分類できると思います↓

ジグソーとピラミッド、
スペアとアドリブを組み合わせて、
以下のようなモデルを考えております。

『ジッグラト・スペアリブ』モデル

合わせてぜひどうぞ!

よろしければサポートいただけますと、とても嬉しいです。クリエイター活動のために使わせていただきます!