『ジッグラト・スペアリブ』モデル
「自身の立ち位置を示すモデル」を提案します。
題して『ジッグラト・スペアリブ』モデル。
このモデルでは、縦軸と横軸により、
四つの象限に分けます(図をご参照ください)↓
縦軸では、仕事環境や、
属する組織の特性を表します。
「柔軟的な環境か、固定的な環境か」。
これを『ジッグラト』と呼称する。
すなわち「ジグソー」と「ピラミッド」。
ジグソーとは、ジグソーパズルのように、
凸凹のピースを組み合わせ作る組織のイメージ。
柔軟的、平等的、平面的です。
ピラミッドとは、あのエジプトのピラミッド。
石が積み重なって成り立つ組織のイメージ。
固定的、序列的、垂直的です。
一方、横軸は、仕事そのものの類型です。
代替できるような標準化された仕事か?
代替できない属人化された仕事か?
これを『スペアリブ』と呼称する。
すなわち「スペア」と「アドリブ」。
スペアとは「代替できる」仕事です。
人によらず、誰でもできる。マニュアル化。
標準的、代替的、定型的、継続的、単純労働。
アドリブとは「代替できない」仕事です。
その人でないと、即興が効かないと、できない。
属人的、非代替的、非定型的、刹那的、創造労働。
このように縦軸と横軸で分類した時、
以下の四つの象限に分けられますよね。
…さあ、読者の皆様は、
四つのうち、どの象限に立っていますか?
そういう人もいらっしゃるでしょう。
その場合はどの象限とも決めきれない。
象限の間、いわば「ど真ん中」ですね。
ただし、この世の中には、
フリーダムに一期一会な仕事しかしない
『男はつらいよ』の寅さんのような
「糸の切れた凧的な自由人」もいれば、
何十年もメンバーが変わらない会社で
新入社員の頃から定年まで
ほぼずっと同じ仕事を行うような
「完全固定でガチガチな人」もいます。
そしてここからが問題なのですが、
自分が立ったことのない象限については、
「想像」をするしかない。
思った以上に、この世は千差万別。
あなたの仕事環境や、仕事類型が、
そのまま当てはまる人ばかりでは、ない。
あなたと「住む(働く)世界が違う」という人は、
この世にたくさんいるんです。
いくら人間みな平等、といっても、
労働環境やその仕事は、同じではない。
千差万別、なんです。
したがって、今、自分が立っている立ち位置を
客観的に位置付けて自覚しつつ、
これまで味わったことのない象限については
できる限りに想像力を働かせる…
この意識こそが大事なのではないでしょうか。
そのための「ジッグラト・スペアリブ」モデル。
分けることは、分かること。
もう少し深堀りしましょう。
それぞれの象限では、
どのような例が考えられるのか?
①「ジグソー」な環境で「スペア」の仕事
離合集散の、浮き沈みの激しい環境で、
定型的な仕事をする、と言えば、
『芸能マネージャー』でしょうか。
芸能人の予定を組む。売り込む。
でも芸能人本人と違い、代替は効きます。
マネージャーは裏方。地味な仕事も多い。
②「ジグソー」な環境で「アドリブ」の仕事
離合集散の、浮き沈みの激しい環境で、
一期一会の仕事をする。これはまさに
『芸能人』ですよね。
代替が効きません。アドリブ大事。
己のキャラと才覚で、勝負していきます。
いわゆる「冠番組」まで持てれば
「定型」の仕事になるかもしれませんが、
売り出し中は「なんでもやる」精神が大事。
③「ピラミッド」な環境で「アドリブ」の仕事
かっちりした組織で
非定型な仕事をする、と言えば
『市長』などが考えられるでしょう。
公務ですので、年功序列の組織です。
基本はピラミッド。しかし市長は
市議会で答弁したり、選挙もあったり、
市政を考えたりと、定型ではない
一期一会的な仕事がたくさんある。
感染症対策だって臨機応変に行わなければ。
アドリブが効かないと、やりにくい仕事です。
④「ピラミッド」な環境で「スペア」の仕事
かっちりした組織で
定型の仕事、と言えばやはり
『公務員』ではないでしょうか
(もちろん、業務や権限にもよりますが)。
年功序列の組織で、公平に仕事をする。
マニュアル、法律、手続きこそ大事。
原則、恣意的にアドリブを効かせてはNG。
着実に公平に案件を処理してこそ、の仕事。
…さあ、読者の皆様は、
四つのうち、どの象限に立っていますか?
それとも、中間ですか?
繰り返しますが、
自分が経験したことのない象限のことは、
「想像する」しかない。
生粋の②芸能人が、生粋の④公務員のことは
なかなか想像しづらい。世界が全く違うから。
逆に④公務員が、②芸能人のことも
なかなか想像できない。
だからこそ、
「意識して」そういう人のことも
想像するような機会が必要なのです。
自分と同じ象限の人は、わかります。
そうでない象限の人のことは、わからない。
意識して想像しないと、世界がどんどん狭くなる。
他にも、例を挙げましょう。
いくらでも、挙げられます。
波乱万丈で「かりそめの家族」を結成する
②スパイファミリーには
永遠のいじめられっ子で「固定的な家族」の
④のび太の気持ちは、想像しづらい。
逆もまた、しかり。
まあ、①ドラえもんが絡めば別ですが…。
同じように、弱肉強食かつ自由な
フリーランスの世界に生きる人が、
「固定的で不自由な
下請け業者的な人」に助言しようとしても、
よほど想像力のあるフリーランスの人や
下請け業者的な環境・仕事をしてきた
経験のある人でないと、
そもそも助言を受ける側の気持ちが
わかりにくいので、
「(助言者とは異なる)象限にとどまる」
ような有用な助言をすることは、
難しいのではないでしょうか?
逆に「その象限から立ち位置を変える」とか
「助言者がいる象限に行く」ための助言なら、
とても有用だと思います。
④のび太も、①ドラえもんの道具によって、
かりそめではありますが
他の象限、立ち位置に移動できますので…。
ちなみに
『複業』『兼業』『SNS活用』などにより、
「複数の象限に同時に立つ」ことも可能です。
以上、本記事では
「ジッグラト・スペアリブ」モデルを
提案してみました。
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