息を吸うように嘘をつく。【ショートショートnote】
感想文部に入っているのは、たまたま
教室をまちがえたからだった。
由真は嘘が好きだ。
萩原朔太郎の「竹」を由真が小さな
声で朗読していた。
「光る地面に竹が生え 青竹が生え 地下には竹の根が生え」
読んだあと、その詩の感想をはずかしいぐらい
美辞麗句で述べた時だった。
あの時わたしは見た。
由真の制服のスカートの裾から何かが見えた。
尻尾のような柔らかいふさふさの、もふもふ
しているようなもの。
でも、それに気づいたのはたぶんわたしだけ
みたいで、部