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410字 毎週ショートショート学びの場

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ゼロさん+まろちゃんの410字で、ヒスイの410字もステージアップだ! まなぶ、切磋琢磨、みがく、やりぬく、ひとつあがる。 をめざす。非公開マガジンです。
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#書くこと

なにをみても、きっと何かを思いだす。

ほら、あそこって雲の辺りをきみは ゆびさしている。 きみのほらがどこなのかわからない。 …

理由もなく好きになる。

すきな音楽はふいにどこからか理由もなく 訪れてくれるとうれしい。 調律師の尾斗はいつもそう…

人生いっつもミスマッチング。

ゴートゥザヘルって叫んだ。 ただこらしめたい、従属系のしがらみから 抜け出したいだけだった…

最後の天使がそこにいた。#ショートショート

むだなものほど、人生を豊かにする そんなことを言っていたのは いにしえの話だ。 今はむだ…

嫌われているものも、美しいものは美しいと思うクリスマス。

宿命的に漆黒の冬をもち、はかない夏はなにより 自然とふたりきりになりたいと願う人々が暮ら…

穴の中の君に贈る言葉。#ショートショート

魂は、みえないでしょ。 僕は最近、たましいってこんなふうに しわくちゃで。 道端に放置され…

もうええわ。#ショートショート

誰かを推したいなんて感覚はない。 推しとか言うじゃん。 ちょっとケッて思ってる。 蹴ってもいいって思ってる。 なのに、神様はとても残酷なのだ。 死んでしまった人間を数十年に一度だけ 地上にもどしてあげるフェアをやるという。 一度死んだ人間が好きな人のもとに 帰れるらしい。 そのお題がさ、「全力で推したいダジャレ」 なのよ。 ダジャレなんて推されている時には 既に面白くともなんともない代物に なり果てているはずなんだけど。 神様は、笑いの門外漢だから

立方体の思い出。#ショートショート

なにげなく耳に入ってきたことばが耳の中を よぎって、みぞおちのどこかしらに着地する。 言…

ありふれた日常がバグった夜。#ショートショート

コンビニで燻製チーズを買った。 燻製にすると食べ物たちは若干 縮む。 縮むだなんて、嫌い…

雨雲に告られました。#毎週ショートショートnote

シャボン玉に微かに映るささやかな虹を いつまでも見ていたら、その透明で七色 に光るしゃぼん…

ほんとうのジュリエットからの手紙。#毎週ショートショートnote。

路美夫には悲しい過去があった。 樹里という名前の婚約者がかつていた。 江渡樹里。 名前と…

死んでしまいたいと思えば思うほど。#毎週ショートショートnote

さっきから天井からなにかが落ちてくるのだ。 部分でもあるような全部でもあるような欠片が。 …

ジグソーパズルのように。#毎週ショートショートnote。

ジグソーパズルのような地図。 いろいろな国の欠片が地面に散らばっていた。 ずっと世界線が…

息を吸うように嘘をつく。【ショートショートnote】

感想文部に入っているのは、たまたま 教室をまちがえたからだった。 由真は嘘が好きだ。 萩原朔太郎の「竹」を由真が小さな 声で朗読していた。 「光る地面に竹が生え 青竹が生え 地下には竹の根が生え」 読んだあと、その詩の感想をはずかしいぐらい 美辞麗句で述べた時だった。 あの時わたしは見た。 由真の制服のスカートの裾から何かが見えた。 尻尾のような柔らかいふさふさの、もふもふ しているようなもの。 でも、それに気づいたのはたぶんわたしだけ みたいで、部