新人賞を受賞してから発売まで二年かかったラノベ作家の話の話。それ等から考えられる編集問題と根本的なマーケティングについて思うこと



ㅤ先刻こんな記事を読みました。



ㅤ自分は労働問題は3種類あると思っています。
ㅤ1つ目は給料の安さ
ㅤ2つ目は労働時間
ㅤ3つ目はそれ以外の何か

ㅤ1つ目に関して言うと
ㅤ全体の底上げ、全体的な活性化、
ㅤそもそも一定以上の金があってもそいつの個人消費額は上がり難い

ㅤ2つ目に関して言うと
ㅤ人出不足だから仕方ない面もあるが、
ㅤ然しそれにしても〝休みが多い仕事〟が少ない。選択肢が乏しい。
『給料減らしていいからその分休みくれ』なんて融通は利かない。

ㅤ退職年齢が年々長くなってるが、それはいいと思う。
ㅤ寧ろ寿命の伸びに比べて短いと言ってもいい。
ㅤ健康寿命?それは完全に個人の自己管理の責任。
ㅤ情報も商品も乏しかった時代とは訳が違う。


ㅤ⋯⋯というのを前置きに、
ㅤ今回は3つ目について深堀りしていこうと思います。

ㅤ上の記事はラノベ賞取ってから出版まで、集英社編集に2年放置されたという話。

ㅤ悲しいことに珍しい話ではない。
ㅤ角川とか小学館とか講談社とか集英社とか⋯⋯つまり殆ど全ての出版社で聞く。

ㅤ先刻労働について2点の問題を挙げた。
ㅤそれは改善すべきかもしれないが、
ㅤ全体像でなく一企業としてそれを良しとするかはまた話が違ってくる。囚人のジレンマのように?
ㅤ経営が切羽詰まってると甘んじて受け入れる事も難しいかもしれない。

然し3つ目に関しては120%全面的に向こうが悪いと言っていい。


ㅤ会社の利益の為に給料を減らす、労働時間を増やす、
ㅤそれとはまた別でただ純粋に悪質性のみが高い。

ㅤこの気質は出版社というより、全体的なものであると思う。
ㅤでも出版社と作家は会社と社員程の繋がりがない為、こういった事が言われ易い。
ㅤまた有名でなくとも作家というだけで割と注目され易い。
ㅤなので編集者がクソというイメージは他より強い。
ㅤまあ実際クソ度が高い面もあると思うけど。改善する気が全く感じられないし。

ㅤ然し上のはマシな例。
ㅤだけと言うのも違うが、
ㅤ放置されただけで発売はされたし。

ㅤそれで一安心したのか、今後の立場を悪くしたくない為真逆の事を言ってるのか定かでないが、
『集英社さんは悪くない。自分にも問題があった』と云っている。ㅤ然しどう見ても集英社が120%悪い。

ㅤ集英社と言えば少年ジャンプの出版社で、漫画としては最大王手。
ㅤ然しラノベで言えばダッシュエックス文庫という最弱クラスのレーベル。

ㅤなろうがなかったらとっくに廃刊してた。
ㅤ実際一回廃刊してるし。
ㅤブレイブ文庫もだけど、レーベルパワー弱過ぎるとこはマジでなろう以外売れない。
ㅤでもめぼしいなろう作品は大手に取られがちという。 


ㅤていうか角川が一社でレーベル乱立し過ぎ。
ㅤそれでいて出版作の差別化もないし。

ㅤこういう事件は比較的規模の小さいとこで起き易い。
ㅤなので集英社と言えどラノベのとこなら、その意味で起こる可能性は比較的高かったと言える。


ㅤ因みに自分はジャンプ作品昔よく読んでたけど、最近は激減した。
ㅤ雑誌は買わないけど単行本で読む作品は多かった。今は殆どない。
ㅤ2000年代初期~中期が個人的黄金期。
ㅤ2010年代は辛うじて読めてた。

20年前のジャンプ

ㅤ殆ど好きな作品しかない。
ㅤ武装錬金とシャーマンキングとミスフルがドベ争いしてるのレベル高過ぎる。

ㅤ今のジャンプはそれこそ漫画だけどジャンプじゃない感じ。
ㅤ何故そう感じるのか少し考えてみて、印象弱いってのがしっくりきた。
ㅤ上のジャンプが好きな者としての物言いになるが。

ㅤ単純な人気でも劣ってるけど、例えば同程度の売上でもどういう風に受けてるかってのはある。
ㅤ〝らしさ〟ってそういう事と思う。

ㅤ週刊のマガジンやサンデーは何で廃刊してないのか不思議なくらいつまらない作品しかない。
ㅤジャンプも片足突っ込みつつあるけど。

ㅤしかしラノベと漫画で天と地程に明暗分かれてるのは面白い。
ㅤ同じ雑誌ですら浮き沈み激しいから不思議ではないが。
ㅤ(というかヒット作が出るか半分祈ってるだけのような感じ)

ㅤ特に集英社みたいなマイナーレーベルだと、ラノベ編集は賞取った作品を出版する以外に何すんのって感じ。
ㅤそれ以外の仕事がないのにそれやらないってマジで何なの?
ㅤクソ企画と誤字脱字の目視と売れないレーベル賞の選考に忙しいってマジ?

ㅤコストカットリストラの話をよく聞くが、何でこいつらの存在による人権費が削減されないのか不思議。
ㅤどう考えてもいなくて平気。
ㅤヒーロー文庫は殆ど編集いないらしいけど好調だし。

ㅤ賞取らせるけど出版はさせないとか、分けわかんない事をするのも絶えない。
キネティックノベル大賞もヤバい香りがプンプンする。


ㅤ既に開催から4年で第十回目なのに殆ど商業的な動きがない。
ㅤそもそも書籍化されるか怪しいけど、
ㅤつーか多分殆どされないけど、
ㅤされるにしても4年間音沙汰無しという有り得ない所業。
ㅤこのザマで開催し続けてるのがイカれてる。

ㅤこの賞には絶対送らない方がいい。
ㅤ一回下手に賞取って他に送れなくなったり、雑な扱いされて打ち切られるのは一番悔いが残る筈。作品に思い入れがあるなら。

ㅤダッシュエックス文庫の場合その編集がクソなのか編集部がクソなのか定かでないが、
キネティックノベルは明らかにヤバい。

ㅤあまりにもクソ過ぎるとこがあるから、賞に送る上でこういう情報を読み解く能力は最早必須と言える。
ㅤせめてクソが確定してるとこは回避しなければならない。
ㅤそもそもなろうで賞を開催する意味が分からんけど。
ㅤブクマ多いのしか受賞させる気ないし。

『俺が良いと思ったものが良い!ハズレなし!低ブクマでも書籍化するぞ!』とか言ってみてほしい。
ㅤそのコンセプトで始めた講談社のレーベルは数年で終わったけど。
ㅤでもそれはそいつの選ぶものがハズレだっただけと思う。
ㅤ(ガチの低ブクマで売れた例もあるにはあるし)

ㅤ内容的にもハズレと思ったんだが、
そもそも一巻の時点で売れてなかったから、どの道どうしようもなかった。
ㅤ漫画にしても掲載誌がマイナーになる程、最初は表紙で売れる割合が増える。

ㅤ作品でもマーケとしてSNSやそこで何か企画やるのが当然な空気あるけど、
ㅤ余程のコンテンツでもない限りは実際SNS効果で売れるかっつーと微妙。

ㅤ本は作者のフォロワー数より遥かに売れないのが普通。
ㅤ酷いものだとなろうのお祝いコメントの数より売れない。
ㅤ結局表紙とタイトルで買わせて、面白さで続きも読ませるというのが一番。

ㅤ一巻が売れない作品はそもそも『読まれてない作品』だけど、
ㅤ一巻がそこそこ売れて二巻が売れない作品は『つまらない作品』である割合が高い。

ㅤ本の購入層は⋯⋯大前提なようで見落としがちだが『書店に行く奴』ということ。
ㅤそいつにインパクトを与える事はとても重要。

ㅤ表紙をケチるレーベルは論外。
ㅤけどマイナーレーベル程これをやって、その結果売れないという負のスパイラルに陥りがち。

ㅤ⬆クソレーベルの分かり易いお手本。
ㅤ三人の女の子はともかく、それ以外がお粗末。

ㅤ背景はないし(デザイン的に意図されたものではない)
ㅤタイトルロゴはフリー素材以下。
ㅤマジで5分あればこれより良いロゴ作れるレベル。

ㅤまあこれはラノベレーベルでなく〝ライト文芸〟として出版されたので、意図して変化を付けようとした側面も否めないが。
『ラノベとライト文芸、何が違うの?』というと厳密な違いはない。
ㅤどっちも挿絵あるし。

ㅤ狙いとして考えられるのは、
ㅤ書店でラノベと別の棚に置いて貰えるから、
ㅤ競争率の激しいラノベ棚と別の場所でのびのび置いて貰える⋯⋯というとこ。

ㅤ然しその狙いは外れ、表紙手抜きレーベルとしか見られず早々に廃刊した。
ㅤライト文芸だって最近は表紙のクオリティ高いしな。

ㅤライト文芸は偶に読んでる。
ㅤ『いなくなれ群青』は面白かった。

ㅤラノベ新文芸(単行本サイズ)も当初はそんな狙いあったかも。
ㅤなろう小説を当たり前のように倍の価格で売るのやめてもらっていいですか?

ㅤ一般小説は読者数が少ないから高い新書で売ってヒットしたら安い文庫で売るって流れがあるけど、
ㅤなろうを単行本サイズにするのは不当に値段を釣り上げる悪質な行為。
ㅤ陰実の書籍は単行本サイズだけど分厚いし高級感あって好きだけど。

ㅤ単行本サイズはネット小説以外100%売れないから、なろう効果はあるんだろうと思う。
ㅤ然しそれにしたって表紙がいいのは前提になる。
ㅤどちらかだけでは成り立たない。

ㅤ本はSNSではなく書店で売れる。あと漫画アプリ。
ㅤつまり『購入する場』で購入される。

ㅤ実際チェーンの書店で大々的に特定作品のピックアップとかやると、まあ分かり易く売れたりする。

ㅤだからwebで無料公開とか、売上減少を危惧されるが実際のところそうはならない。
ㅤそれは逆にweb公開で売上を上げ難いってことでもある。
ㅤしかしピッコマのようにwebで公開してwebで売るとなれば話は違ってくる。

ㅤこの結果はその現れと言っていい。
ㅤ漫画アプリの実に84%のシェアを占める2つのアプリが両方韓国製である。
ㅤヤバスギだろ。
ㅤあと芸人起用のTVCMが効果ない事をめちゃコミが証明してみせた。

ㅤ電書売上は年々増加傾向にあり、というか電書売上は殆どイコールでKindleか韓国アプリのもの。
ㅤただ疑問なのは、公表される電書売上の数値は同人とかを含めてのものなのかということ。
ㅤ電書同人とか含めればもっと大きくなりそうな気もする。

ㅤ因みにゲームはパッケージ販売とDL販売の売上比率が1:9らしい。
ㅤ今はソシャゲもあるし、ゲームは『電子上で買うもの』という意識が完全に根付いている。

ㅤ現在電書売上は紙版の3割を超えている。
ㅤ従来では置き場を理由に電書を選ぶ者が多かったが、
ㅤ現在はスマートフォン、そしてピッコマの台頭により違った形で電書の流れが加速している。

ㅤ『この作品は電書で売れてる』という作家の話も偶に聞く(エグい系が多い)
ㅤ5割を超える日はそう遠くないかもしれない。 

ㅤ然し電子は過去全ての作品をひっくるめて売っており、
ㅤ書店はスペース的に最新のものしか売れない。
ㅤ発売からの瞬間風速的な売上で言えば、書店が圧倒的だ。

ㅤピッコマで昔の人気作が今読まれる現象はとても良いと思う。
ㅤ電子の良さの一番は置き場が無限な事だし、
ㅤそれには個人的にも書店的にも頭を悩ませるところ。

ㅤそりゃあ話題になるのは最新作だろうけど、
ㅤ作品は残るものだから。

ㅤ過去作が既に死ぬ程あるのに、
ㅤ瞬間風速的売上の為に新しい作品を創り続けるのも、歪な感じだし。
ㅤ読み手目線の話になるが。

ㅤ面白いのを読むだけで、今とか昔とか関係ない。

ㅤyoutubeとかXとか·····SNS全般にも同じ歪さを感じる。
ㅤ善し悪しに関係なく、とにかく、
新しいものしか見られない。新しいものが正義っていうの。
ㅤ(目新しいとは言ってない)

ㅤ歪っつーか単純に行為として無駄過ぎる仕様だし、個人的に死ぬ程性に合わない

穴の空いたバケツに水を入れ続けるって例えがあるけど、言い得て妙。

ㅤ情報化社会と言われ、
ㅤ膨大な情報が常に更新され続けてるけど、
ㅤ変化感は多少あるけど、その実何も変わってないという。

ㅤXでタイムラインから流される度に同じ事を繰り返し言い続けるタイプの人は·····無駄だけどそれは仕様だからとかじゃなく好きで言ってるんだよな。
ㅤ自分とは真逆の感覚。

ㅤまあnoteもSNSだけど、(あくまで比較的)マシな感じ。


ㅤ然しなろうラノベが電書でも売れ筋なのは少し不思議。
ㅤ挿絵はあるしナンバリングされてると覚え易く読み返し易いけど。

ㅤなろうはもう少しweb上で色々装飾していい気もするけど、
ㅤあの質素なままが良い気もする。
ㅤまあ装飾なら他サイトが既にやってるし


ㅤ~終わりに~

ㅤ流れのままに書いてると、
ㅤ記事タイトルと辛うじてズレてないと言えるかもしれない話が延々と出来てしまうなと思った

ㅤあと~終わりに~って締めればあちこちに飛んでる長話にオチが付く感じあるな、と


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