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Cosmicエディタに見る、「支援したいOSプロジェクト」の私の判断基準

Pop!_OSを開発するSystem76が、次期デスクトップ環境COSMICと合わせて自社開発のオリジナルテキストエディタを開発中であることを発表しました。

これを受けて、私が支援したいと思うOSプロジェクトの判断基準について書いてみようと思います。


System76が現在取り組んでいること。

System76は、

「自社でUbuntu派生の独自OS「Pop!_OS」を開発している」

・・・だけではありません。

  • 自社OSを最適化したハードウェア開発をしている

  • 自社で完全オリジナルのキーボードを開発している

  • 自社で完全オリジナルDE「COSMIC」を開発している

  • 自社で完全オリジナルテキストエディタを開発している(New)

  • 開発リーダーは個人プロジェクトとしてLinuxではない全く新しいオリジナルUNIX互換カーネルをRust言語でフルスクラッチで開発している

というプロジェクトに取り組んでいます。これがその他の幾多に存在するLinuxディストリビューションのプロジェクトと「決定的に違う点」です。

ここが、私が
「Pop!_OSは他の単なるLinuxベースOSプロジェクトとは違うよ」
「単なるUbuntu派生ではないよ」
と度々言及している点です。

ハードウェア開発にも取り組めるのが本物

私はミニチュア模型の造形をフルスクラッチでやっているモデラーでもあります。模型や造形制作とTECH界開発は似ている部分があります。例えると

  • ハードウェア開発=立体造形サイドの部分

  • ソフトウェア開発=ペインティングサイドの部分

です。この2つで敷居が高いのは「ハードウェア開発」のほうでしょう。

模型・ミニチュア制作に例えると

模型やミニチュア、その他造形も全く同じです。根本の、ソフトウェアを乗せる土台となる造形・模型の立体物そのものを作るのが最も難しい。

伝統的アート分野の「絵画」と「立体造形」も同じことが言えます。絵画よりも彫刻や粘土塑像の方が圧倒的に敷居が高く難しい。
理由は、それらをやる人口を見ればわかります。絵を書く人より造形をやる人は圧倒的に少ない。「絵のほうが人気があるから」という単純な理由ではないでしょう。造形は気軽にいつでもどこでも出来るわけではなく、ある程度の「絵になる段階」まで持っていくのにものすごく時間がかかります。

レオナルド・ダ・ヴィンチですら、彫刻に手を出したものの数点の試作のみで終わっています。ダヴィンチは絵画派ですが、それを差し引いても、それら試作は彫刻派のミケランジェロの造形作品と比べると完成度や造形力に圧倒的な差があります。
そのくらい、絵画と彫刻・塑像造形にはあり、難しいものなわけです。
(絵画と彫刻・造形どっちが上、という論ではありません。どちらも違った才能・適性が要求され、彫刻・造形は少々特殊な3D立体デッサン力が必要で、取り組む際にも2Dよりもハードルが高い、という意味です。)

これらの例から見ても彫刻・塑像をする人が少ないのは「敷居が高いから」というのも大きな要因の一つと言えます。

私はダヴィンチ派ではなくミケランジェロ派ですが、それは、

「ハード(立体造形)とソフト(ペインティング)両方を出来るのが本物のアーチスト」

と思っているからです。

音楽に例えると

音楽で例えるなら、

  • ハードウェア開発=作曲または作詞

  • ソフトウェア開発=歌または演奏

といえるでしょう。どちらが敷居が高く難しいか。やる人が多いか少ないか。私が言うまでもなく万人が理解するところと思います。

この分野の例でもやはり、

「ハード(作曲または作詞)とソフト(歌または演奏)両方出来るのが本物のアーチスト」

と思っています。

ソフトよりハードが敷居が高い


TECH界も同じです。ソフトウェアよりハードウェアのほうが敷居が高い。

そして、本気でOSに取り組んで覇権を握っているメーカーは、ハードウェア開発にも手を出しています。

  • Apple(もともと2刀流。ハードウェアとソフトウェアどちらも1級品)

  • MS(ソフトウェア派。ソフト強めだがハードウェアも強くなってきた)

  • Google(元ソフトウェア派。ハードも強くなってきた)

  • Amazon(元ソフトウェア派。ハードも強くなってきた)

OS界の覇権を握っているi系OS・macOS、Windows、Android、FireOSを開発するこれらのメーカーはソフトウェアだけでなくハードウェアもトップレベルです。そして、

デスクトップLinuxが圧倒的に弱かったのがこの「ハードウェア力」

です。それをやろうと本気で取り組んでいる唯一のLinuxディストリビューションがPop!_OSでありSystem76です。

ハードウェアに取り組めるOSプロジェクトこそ本物です。

だから、わたしはPop!_OSのファンになり、ユーザーをやっており、そして支援したいと思っているわわけです。

まとめ

私がやっている模型制作やアート関係の話も絡め、System76の開発するCOSMICに俄然注目をしています。System76には他のLinuxプロジェクトにはない「スピリットと哲学」を感じます。だから私はSystem76とPop!_OSを応援したいと思っているわけです。

ではまた。


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