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【旧来のLinuxユーザー的視点に物申す】Vivaldiは100%オープンソースではないが・・・

前回の記事(↓)の続き。


(私見)Linuxユーザーはオープンソース信者が多いが、私は違う考えです。その頑なな態度が自由度を下げ、普及を阻んでいると思ってます。

なにごとも「信者化」は自らの首をしめ、「自由」から遠のく

私がLinuxを使い始めたのは20年以上前になります。ただ、20年の間には、メインをMacにしたりWindowsにしたり、という感じでずっと継続して20年間Linuxを使い続けていたわけではありません。

なので、ある程度、俯瞰して見れる視点は持っていると思っています。

正直、Linuxやそのコミュニティの閉鎖的な態度や不自由さに離れた時期があります。理由は、

「オープンソース」信者とそのコミュニティにちょっと酔いしれていて、酔が覚めたから

ですね。

Linuxユーザーになると

「有料アプリは悪」とか「俺は全てオープンソースソフトで賄うぜ」とか「プロプライエタリソフトウェアは敵」

みたいなコミュニティの圧というか、そういう発想・思想に染まってしまいがちです。私はこれを「オープンソース原理主義」と呼んでいます。

はっきりいいますが、正直、「その発想・思想はくだらない」ですね。

「自由」をもとめてLinuxユーザーになったので、「不自由」はゴメンです。プロプライエタリでもなんでも、良ければ使えるものは使えばいいのです。
変な理念に自ら信者化して酔狂しないほうが幸せになれます。

もちろんそれは、Apple信者も、Windows信者も同じです。

Vivaldiは95%オープンソース


100%オープンソースではないVivaldiについての意見はいろいろあります。

私が購読しているLinuxコミュニティのエバンジェリストさんたちにも、その「オープンソース信者」的な影響が見え隠れします。

「Linuxのデフォルトブラウザはもう長いことFirefox。理由は100%オープンソースだから。でもMozilla Foundationの方向性は賛否両論多い。(できれば他のブラウザ使いたい)」
「Vivaidiはすごく良い(使いたい)。でも、95%オープンソースであり、100%ではないのが・・・」

みたいなことを必ず口にします。そこには、

100%オープンソースであってほしいという願望が見え隠れ

しているわけですね。(↓)


プロプライエタリ・オープンソースに優劣なし。拘らず使うのが吉

オープンソースでの成功例


大本のLinux自体がオープンソースの成功例であるがゆえに、宗教化してしまう面もあります。

プロプライエタリも、オープンソースも、失敗するのは統括する実権を握っている組織のブレですよね。

100%オープンソースのBlenderは資金確保をしっかり補いつつ、ユーザーからも支援を求める方向性にシフトして成功しています。

100%プロプライエタリのZBrushは、唯一無二の特化した性能を研ぎ澄ますことには成功しました。しかし、アップグレード料金は取らないというサービス旺盛な方向性を継続する一方で、ユーザーからのオープンな意見を積極的に取り込まず、ユーザーから要望の多かったUIの抜本的なテコ入れも行わず独裁的な開発を続けていくうちにどんどん時代遅れになり、結局はMAXONに買収されました。

だからといって、「Blenderの成功例をもって、オープンソースだから良い」とは言えません。資金繰りやディべロッパ不足で進化が開発難航・進化が遅くなってしまったGIMPの例もありますし、ポシャったオープンソースプロジェクトは数限りないですから、一つの成功例をもって全ては語れません。

プロプライエタリの成功例

プロプライエタリの権化であるAppleは、Mac、iPhone、iPadというすばらしい製品を世に出してきました。iPhoneに至っては世の中を変えたとすら思います。これらはプロプライエタリでなければ生まれなかったでしょう。
ただ、Appleはハードウェア寄りのメーカーであることを忘れてはいけません。ソフトウェアはハードの更新に合わせてどんどん進化する一方(ハードを売るため)、古いハードやソフトはあっさり切り捨てます。数々の自社製アプリも、いきなり開発中止にしてユーザー切り捨てを行ってきました。

同じくプロプライエタリの権化であり、長い間オープンソース界の敵であったマイクロソフト。WindowsやOfficeはプロプライエタリだからこそこれだけ進化・普及したと思います。 後方互換を大事にし、ユーザー切り捨て・アプリ切り捨てを最も行わないメーカーでもありますね。以前はオープンソースを敵とみなしていましたが、CEOが変わって大きく方向転換し、近年はLinuxやオープンソースへの支援もかなり行っています。Android搭載ディバイスも発売していますし、自社のサーバーはLinuxベースで動いてます。Googleのように、プロプライエタリとオープンソースのいいとこ取りメーカーにシフトしてます。

Googleは、典型的なオープンソースとプロプライエタリのいいとこ取りです。AndroidやChromeOSなど、Linuxをベースにしつつ大事な部分はプロプライエタリにして莫大な利益をあげているせいか、(その利益を支えるユーザー情報をかき集めるトラッキングなども含め)オープンソース界隈では嫌われることも多いです。

しかしAndroidは他社にも提供されてます。ユーザーが嫌うYoutubeの広告は、広告費なしでは運営を維持できない、という矛盾も含まれます。
「タダで提供しろ」は、「そのサービスが無くなっても文句は言わない」と同義であることを忘れてはいけないのです。

Linuxのバグやパッチの提供貢献度はGoogleのエンジニアが最も多い、という話もあります。結局、人間、タダ働きはしないものですよ。しっかりとした後ろ盾がないとね。

まとめると・・・

プロプライエタリ・オープンソース、どっちが良い、とは言えません。

なので、

べつに、いち企業がきちんと利益を上げ開発者をしっかり支援し開発を継続出来るなら、それで良いじゃないですか。開発チームはユーザーの奴隷やボランティアじゃないんだから。

としか思わないです。

まとめ:Vivaldiはいいとこ取りの模範例。みんなで使って応援しよう

好きなソフトウェアは、Blenderのように、しっかりと資金支援体制が出来てプロジェクトを継続させてほしい。Vivaldiもそのひとつ。こんなに短期間でひとつのブラウザに惚れるってなかなか無い。95%オープンソースだからこそ、残り5%の部分を大事に守りつつ継続して欲しいですね。

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