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課題の分離の本質
アドラー心理学でいう課題の分離
他人の課題に踏み込まない
自分の課題に相手を踏み込ませない
というように自分の課題と相手の課題を分けて考えるスタンスのこと。
しかし、働く上で自分の課題にだけ集中して相手の課題を切り離す。なんてことは簡単じゃないし、少し冷たい印象を与える。もっと人と人との関係って交じり合うものではないのかと思う方もいる。
私もその1人だったが、意識して実践することで患者さんを始めとする様々な人間関係に良い影響を与えているので、今日はそこを共有したい。
誰の課題か見極める方法として
①責任を負うのは誰なのか(結末を)想像する。
②自分がコントロールできるものか
どういうことか、看護師の私の例として
・糖尿病があるのに、お菓子を隠れて何度も食べている患者さん。
→ずっと隠れて食べていることで、糖尿病が悪化する。と大きく捉えると患者さんが対処する相手の課題だが、看護師としての職務はお菓子を食べることによる治療の弊害や合併症のリスク等を説明する責任を果たすことは看護師の課題。
説明を受けた患者さんが、どのように行動するのかは患者の課題。
患者さんが1日にどの程度なら食べて良いのかと疑問を抱いたなら答える責任を果たすのが看護師の課題。
答えを聞いた患者が、どう取り組むかは患者の課題。
より良い答えをさがし続けるのが看護師の課題。
と常に課題は相手と自分を行き交っており、全然冷たい人ではないのだ。
後輩指導についても、
先輩の課題は説明のタイミングや口調、正しい業務知識と技術の伝達。
後輩の課題は説明を聞いて理解し、実践できるかというのみだ。
先輩が後輩の理解力や実践力にストレスを抱えてもどうしようもなく、そこは先輩の説明の仕方を工夫することが先輩の課題。
また後輩が先輩の説明の分かりにくさを嘆いても衝突するだけなので、なぜ実践に伴わなかったのか考えることが後輩の課題。
つまり、お互いの課題に踏み込む危険性を知ることが、尊重した関わり方に繋がるのだ。
また、相手の反応や言動、見返り、評価は全て相手の課題でコントロールできないものと知り、相手が自ら望んでその行動をするまで関わることが自分の課題。どう動くかは相手の課題。
課題の分離の本質は
他者と深く関わらないことではなく、自分が今この瞬間からできることを見つけ、相手の行動を見守り成長を支えるといった究極に相手と向き合う方法なのだと伝えたい。
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