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【服部奨学生OBOG自己紹介】 第13期奨学生/鹿島梨奈(名古屋大学)

プロフィール

初めまして!名古屋大学人文学研究科修士課程の鹿島梨奈です。服部国際奨学財団には2022年10月〜2023年3月まで所属しており、このたび2023年9月より南京大学に交換留学します!今回は、私の経験をもとに、留学に至った経緯をお伝えしていきます。

筆者近影

東洋史学を志したきっかけ

時代劇が好きだった祖母の影響で、「歴史もの」が好きでした。特に小学5.6年生の頃、ギリシア神話やエジプトのミイラにハマり、テレビ番組を見たり本を読みあさったりしつつ、気に入った言葉をノートに書き出して、何冊もコレクションしていました。
高校生になって進路を考える際、真っ先に考えたのがこの小学生の頃の思い出でした。つまり、歴史学を学びたい、文学部に進学しようと思いました。

小学生の頃はワクワクする西洋の「歴史もの」が好きでした。ただ、同じ分野を学ぶのではつまらないなと考えていた時、ふと、私は中国のことについて何も知らないと気づきました。
ニュースを見ても、本を読んでもなんだか納得いかない。判断材料を持たない私にとってはどれが正しい中国像なのかわからない。そこで、中国史を学べる東洋史研究室のある名古屋大学を第一志望にしました。

2回の中国短期留学

同済大学へ

一度目は、2018年に大学のプログラムで夏休みに2週間同済大学へ短期研修へ行きました。
実は私自身は、海外へ行くなんて考えてもいませんでしたが、留学経験のある母が「せっかく中国史をやっているなら一度は行ってみたら?」と後押ししてくれました。
お昼は授業、夜は誰かの部屋に集まって、中国名産の「白酒」を飲んだり、先生が差し入れてくれたドリアンを食べたりしながら、将来の夢から恋愛感までいろんな話をしました。
休日には上海の観光地を巡ったり、世界遺産の蘇州の街並みを見に行ったりしました。
初めは、中国へ行くというのは正直怖かったです。中国人は日本人を嫌っているのではないかと考えていたので、ビクビクしていました。けれど全くそんなことはありませんでした。そのことに気づけた点が一度目の短期研修の一番の収穫だったと思います。

上海の観光スポット東方明珠にて

大連理工大学へ

次は2019年に大連理工大学の日中交流会でした。日本全国の大学から大学生派遣され、日中の友好を深めるというものでした。1週間程度でしたが、バディの中国人学生とともに過ごしました。名古屋大学への留学経験もある女学生でした。日本語学専攻であったことから日本語のレベルが高く、私も彼女のように外国語を操れるようになりたいなと思いました。
また、中国人学生との交流だけでなく、日本人同士の出会いもありました。たまたま学部一年生の頃に同じサークルだった先輩と再会したことで、意気投合し、一緒にビジネスのアイデアを出し合い、翌年コンテストに出場、その後起業をしました。
その先輩とは今でも一番の友人であり、現在の私の南京留学についても多くのサポートをしてくださいました。

大連理工大学の前にて

コロナで深刻な影響を受ける

ここまで順調に行っていた大学生活ですが、コロナによって足止めされてしまいます。大学4年生の卒論作成時は一度も大学へ行けませんでした。仕上がりも満足のいくようなものではなく、悔しい気持ちをバネに修士課程へ進学することに決めました。
しかし、修士1年になっても状況は変わらず、多くの授業はオンラインのままでした。また、日本各地で実施される研究会も全てオンラインでした。

転機は今年(2023年)4月の名古屋大学東洋史研究会です。こちらが初めての対面による研究会でした。その後の懇親会で名城大学の大知先生とお話しさせていただいて、特に女性で研究者志望ということにより気にかけてくださり、現在月に1回研究室訪問をさせていただいております。そして、大知先生に京都大学の研究会と、東大を含め関東の大学が中心となって実施している合宿を案内していただき、7月と8月にそれぞれ参加してまいりました。
どちらもオンラインにはない「出会い」があり、若手研究者の方から大家と呼ばれる先生方まで、実際にメールアドレスやSNSを交換し、それをきっかけに新たな研究会に呼んでいただいたり、一般には入手困難な情報や論文を手に入れたりすることができました。

関東の大学による合宿の様子

服部国際奨学財団との出会い

先ほどコロナで大きな影響を受けたと述べましたが、しっかりと大学へ通えず、卒論が納得いかなかった、まだまだ学んでいきたいという思いが大学院進学へ繋がりました。
ただ、私の進学は親にとっては想定外であったため、何度も話し合いを行なって、学費を自分で捻出するという約束で進学を認めてくれました。
そこで、奨学金を応募しようと思い立ち、調べていくうちに出会ったのがこの服部国際奨学金でした。
修士1年の夏に応募し、秋から採用していただきました。服部奨学生であった1年半の間、毎月10万円の支援をいただき金銭的な不安が無くなったことで、学業に専念できるようになりました。
また、財団のイベントにも積極的に参加することで、ここでも新たな出会いがありました。一番が早稲田大学の劉先生との出会いでした。劉先生がご著書を出版された際の座談会に参加させていただいたり、劉ゼミの学生と交流していく中で、北海道で実施されるゼミ合宿へも参加させていただきました。
財団では、多くの学びや繋がりを得ることができ、本当に感謝しています。

ゼミ合宿で訪れた北海道

2023年夏〜本格的な留学へ

南京大学へ半年間

指導教員の先生よりアドバイスをいただき、歴史学研究で高名な南京大学へ、語学の勉強も兼ねて交換留学へ行くことを決めました。
しかし、2022年度は中国だけ渡航することが叶いませんでした。留学そのものを諦めるか、それとも留年して来年に賭けるかという選択を迫られ、私は1年留学を延期し、翌年に渡航することにしました。
1年延期したことにより初めは落ち込んでいましたが、上述のようにさまざまな研究会に参加することで、多くの人脈ができ、結果として有意義な準備期間となりました。
そして、南京では、歴史学の授業だけでなく、博物館や図書館などで実際の文物を見たり、研究室訪問をしたり、友達を作ったり…とやりたいことがたくさんあります。

現在、この記事は乗り継ぎのために空港泊中の仁川空港で書いています。
また半年後、留学報告まで、再见👋

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