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【服部奨学生紹介】 第16期奨学生/前川梨子(お茶の水女子大学)

今回は、2024年春季服部奨学生採用の前川梨子さんにお話を伺いました。
服部奨学財団には、留学生や大学院生だけではなく、学部生も在籍しており、専攻する分野も様々です。学部生として採用面接に臨んだ前川さん、どんな準備をして何を得たのでしょうか?


はじめまして。お茶の水女子大学文教育学部1年の前川梨子と申します。日本文学・日本語学を専攻しています。第16期服部奨学生として、今春採用していただきました。
まだ服部奨学生になって日の浅い私がお伝えできることがあるのだろうか、というのが正直な気持ちですが、この記事が服部奨学生を志すきっかけの一助となれば幸いです。

ー服部奨学金を知ったきっかけ

私が服部奨学金を知ったのは、高校3年生のときでした。大学へ進学するにあたり、我が家にとって資金面での壁はとても高いものでした。
貸与型の奨学金は将来返済しなければならないため、給付型の奨学金に絞ってインターネットや大学のHPなどで遮二無二探していた際に、服部奨学金の存在を知りました。

服部奨学金の大きな魅力は、分野に制限がないこと、学部1年生でも応募できることだと思います。
現在日本の民間団体が設けている給付型奨学金は、理系限定、対象は学部2年生以上など、募集要件に制限が多いため、対象にならないことがあります。
それらと比較して服部奨学金は、学部生も院生も対象で、さらに留学生も応募できるという点で、門戸の広さは随一だと感じます。

ー服部奨学金へ応募するにあたって

大学に進学すると同時に、服部奨学金への応募準備を始めました。
応募から選考にかけての作業を総括すると、自分を分解し、組み立てなおすような行為でした。
書類選考のオンラインフォームには、応募者に関する質問が並んでいます。家族構成や経済状況だけではなく、志望理由や今後の目標、財団の活動に期待することなど、その内容は多岐にわたります。

応募にあたり財団のnoteを拝見した際、奨学生の方々を紹介する記事が立派なものばかりで、正直気後れしたことを覚えています。

私は高校時代、学校に行けない日々が続いたうえ、学業や課外活動に打ち込んだ実績もありません。これといった内容が思いつかず、何を書けばよいのか数日間悩みました。
この分野に進んだ理由、目標にしている人物、将来のことなど、記入する内容を捻り出すべく自分のことについて悶々と考えました。
これほどまでに真剣に自分に立ち返る機会は今までなかったので、一連の作業はとても骨が折れるものでした。

考え抜いた末、オンラインフォームには将来何をやりたいのか、そのために服部財団をどのように活用できるか、それをもってどれほど財団に貢献できるか、その意気込みを中心に語り応募しました。
当時の原稿を読み返してみると、ずっと将来のことばかり綴っている印象を受けます。しかし、今思えばこれでよかったと思います。
服部財団は過去の実績だけではなく、奨学生の未来の可能性を重視してくださるからです。

服部財団は、奨学生同士の交流イベントが充実していることはご存知でしょうか。専攻や出自の異なる奨学生同士がコミュニケーションを取れる機会がたくさん設けられています。
奨学生として採用された後も成長できる機会が用意されているということは、服部奨学生の将来性を重視する姿勢の表れだと私は思います。
とりわけ、学部1年生や大学進学後に奨学金を受給することを考えている高校生の方々には、特筆するような実績や成果がない場合のほうが多いと思います。そのような方々にも自信をもって応募していただきたいです。

また、書類選考後にはなるのですが、最終面接前にお茶の水女子大学の服部奨学生の方々と知り合う機会がありました。現役、OBOGに関わらず、奨学生の方のお話は参考になるものばかりで、私が奨学生として採用された未来のことを想像しながら面接に臨むことができました。

周囲に服部奨学生の方がいらっしゃればお話を聞くのが一番ですが、そうでなくとも、服部国際奨学財団のHPやSNSなどは充実しているので、ぜひご覧になってください。

ー服部奨学生になってから

6月に奨学生として採用していただいてからは、とても有意義な日々を過ごしています。アルバイトに追われることなく、それによって生まれた時間で自分の興味関心を追求することに集中できています。
授業で紹介された本や映画に片っ端から触れてみたり、気になる展示があればすぐに足を運んだり、といったような具合です。

高校生のときは、私がこんなにのびのびと学生生活を送れるとは思ってもみなかったので、感謝の気持ちでいっぱいです。
いただいた奨学金は学費や家賃、生活費に充てているのですが、母の負担を減らすことができたので、心理的にとても楽になりました。

ー服部奨学生との交流

所属するコミュニティには、必ずある一定のバイアスがかかっていると考えます。
例えば、大学は専攻したい分野や校風によって集まる学生が絞られ、サークルも共通の趣味を持つ人達が所属するので、ある程度似通った人間同士での集団が形成されます。
それに対し、服部国際奨学財団という枠組みはそのバイアスがかなり低い場だと思います。出身地・国も、大学や専攻も、年齢も異なる学生が一堂に会する場はとても珍しいと考えています。

初めて服部奨学生の皆さんとお会いした服部奨学金授与式は、とても衝撃的なものでした。
安直ではありますが、とても豪華なホテルで、美味しいフレンチをいただいただけでも舞い上がってしまいました。授与式の最中や昼食会、二次会と他の奨学生の皆さんとお話しする機会はたくさんあるのですが、毎回新たな発見や驚きの連続でした。
現在、服部奨学生のうち学部1年生は少なく、お話しした奨学生の方々のほとんどは年上だったのですが、進路や勉強に関するアドバイスなどを気さくに話してくださり、非常に有意義な時間でした。とりわけ、大学院に関するお話はとても勉強になりました。

現時点では、学内で院生の方と関わる機会はほとんどないために、院試やゼミのお話などを伺うことができたのはとても参考になりました。
今までずっと就職することだけを予定していたのですが、修士に進む選択肢もこれをきっかけに考えるようになりました。
他にも美味しいお店や趣味の話などもでき、とても楽しかったです。

ー応募を検討している皆さんへ

民間の給付型奨学金、と聞くとなんだか敷居が高いと感じてしまう方も多いのではないでしょうか。
少なくとも、応募時まで私はそのように思っていました。
しかし、服部国際奨学財団は金銭面だけでなく、日々のやり取りやイベントなども通して奨学生を支えてくださる、とても温かい場所だと感じております。
また、応募時を振り返ってみて、書類審査や面接対策にあたって自分を見つめなおした経験はとても貴重なものであったと感じています。
自分の興味関心や将来の目標を言語化して再確認できた、とても良い機会になりました。
この記事が、服部奨学金への応募を検討している皆さんの参考になれば幸いです。

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