見出し画像

#51シルクの新たな可能性! 狂犬ツアー報告記④

おはようございます。
袈裟や仏具の企画販売することを通じて豊かなものを拡げていきたい
久柳-くりゅう- の 昌子久晃(しょうじひさてる)です。

狂犬ツアー2日目朝。(報告記は時系列順になっていませんが、ご了承を)


当初プログラムにはない予定

前の晩の食事とお酒と出会った仲間との話が楽しすぎて、二日酔いの朝に、木下隊長からツアーグループチャットに連絡が。

新シルク産業創造館
ここにちょっとだけ顔出してくるかもでして、蚕を飼ってるのかな。
興味ある方いればいきますかね?

前の日の晩に連絡があったみたいで、私は爆睡中だったので、次の日の朝に気づく。

これは当初のプログラムにはない予定でした。
しかし、せっかく来たのだから、体験できるものは体験しておかないと。

法衣袈裟を扱う私としては、いかねば。
木下さんのメッセージにもあるように「蚕を飼育している施設」ぐらいに思っていました。

シルク(絹)と丹後エリアの関係 養蚕業の減衰

京都丹後地域は、湿潤な気候が絹織物生産に適しており、古くから織物の里として知られています。江戸時代には「丹後ちりめん」が発祥し、しなやかで染色性に優れた生地として和装文化を支えました。約300年の歴史を持つこの地は、今も国内最大の絹織物産地であり、伝統技術が現代にも受け継がれています。

丹後ちりめんの生産量は、昭和48年(1973年)の最盛期には約1000万反を数え、しかし、経済の変動や生活様式の変化により、和装産業は生産縮小を余儀なくされ、和装文化の衰退と技術継承が進まなかったことが起因し、現在の生産量は約30万反程度にまで減っています。

日本全国で養蚕業がピークだった昭和4年には220万戸もの養蚕農家があったが、直近では163戸にまで減少している。

いい意味で裏切られた研究施設

お伺いしたのはこちら

Googleストリートビューより

施設案内をしてくださったのは、なすなが繭株式会社の堀井取締役。
あとで聞いたのですが、木下さんとはつい前日zoomで打ち合わせをしていたらしく、「丹後にこられるのなら、是非寄ってください!」と堀井さんからオファーがあり、今回の訪問が実現したとのこと。

全国各地には織物産業が残っているエリアが今なお残っており、シルクができるまでの過程が学べる「織物〇〇館」みたいに見学できるところを想像していました。

ところが、そういった蚕から絹糸を生成する過程のご説明もあったものの、
いい意味で裏切られました。

実にシルクの世界は未来に向かって多岐に渡って用途拡大している!

なすなが繭株式会社さんのHPより

例えば、
絹糸に含まれるセシリンと呼ばれる、絹織物を作る過程でそれを不純物として取り除くのですが、それは天然のたんぱく質なので、それを抽出して別の用途で活用するとか、
初めから、セシリンの成分を出さない蚕をテクノロジーで研究開発するとか、
化粧品に使われたり、医療用の縫合に使う人体にかける負担を少なくする糸に使ったり。

研究施設で聞いたおはなし故、あまり、踏み込んだ話は差し控えますが、ホームページ掲載の情報の範囲で言うと、株主のラインナップを見ると、今後の成長性への期待がうかがえます。

仕事柄、織物、袈裟の生地、法衣の生地に使われるもの!
という固着化した頭でいたので、
今回の見学は大変学びになりました。

知ってる人は知ってる分野だと思います。
私は、新たな産業ベースでここまで進んでいるとは、ほとんど知りませんでした。

絹・シルクの分野も、ネクストステージに入り、未来に向かって新たな動きが進んでいるのですね!!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?