「神様、仏様」 椎名林檎
神社と寺。
日本は、古来より森羅万象、あらゆる場所に神、大いなる存在がいると考えていました。その神を祀るのが神社。
そして、大陸から入ってきたのが、仏教。仏を祀ったのがお寺です。
神社と寺社は長い間、神仏習合ということで、共存してきました。
明治に入ったころ、日本は神道だということで、神仏分離ということになったようです。
時が下って、戦後社会。
社会はがらっと変化しました。現代社会では、日本人は仏教徒なのに、クリスマスを祝ったり、教会で結婚式を挙げたりします。クリスマスの数日後に、寺の鐘を聞き、神社に初詣。
神社と、大陸から伝来してきた仏教・お寺が共存してきたように、日本人の中には異なる要素をうまく取り入れる素養があるのでしょう。
島国だからなのか?この点は、一考の価値ありかもしれません。
同様に、異国の文化の取り入れについて考えてみます。
戦後、一気にアメリカ文化が来襲。ジョン・ウェインなどのドラマや映画、ロックやフォークはグループサウンズや日本の60年代フォークに影響を与えました。
ファッションも、アメリカ流を取り入れ、アメカジ、アメトラになり、今の50代、60代はこの洗礼を受けています。
そう考えてみると、日本という島国は、いろいろな文化を柔軟に受け入れて、なかなか面白い発展を遂げてきています。
諸外国のことを考えてみると、神様、仏様、という祈りの言葉が日本特有のものということも分かると思います。
この祈り文句も、柔軟性ゆえなのですね。
と思いながら、きっと今年の年末も除夜の鐘をきいて、初詣に向かうことでしょう。
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