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探しものは何ですか?

 私は企業のサイバーセキュリティ改革をご支援させて頂いており、お客様を担当している営業チームと協業しながらお客様の課題解決に従事しています。


 先日、とあるお客様向けの案件で社内で打ち合わせを行い、営業担当者からこんなフィードバックを貰いました。

 "xx(Solutionの名前)関連の案件は、案件のClosingフェーズになって突如要件が浮上するケースが多くて、なかなかCommit(営業担当者が当期の成約を会社に約束すること)できなくて困っているんですよ。。。"

 さらに彼は正直にこう言ってくれました。"SFDCではUpside(Commitの前段階、約束はできないけど約束手前)だけど実態はCommitなんです。何とか今期にねじ込みたいのでご協力下さい。"

 この意見には私も同意です。それと同時に腹落ちしてそうしようと行動を起こすまでには至っていません。何故でしょうか?


 サイバーセキュリティに限らず、デジタルSolutionは顧客のデジタルにまつわる課題を解決する対価として、顧客に月額のFeeをお支払い頂きます。

 課題を解決するためには課題を理解することが出発点になります。課題を理解せずに、"弊社のSolutionは業界随一です!"と営業担当が言ってもただのノイズにしかなりません。


 おおくのお客様はサイバーセキュリティ他、特定のある分野に精通しているわけではないため、漠然とした課題を認識してはいるものの自社にとって何がBest Solutionなのかを理解しているケースはまれです。

 探しものはあるけど、自分が何を探しているか理解していない(理解したいけどできない)ケースがほとんどかと思います。


 お客様への提案活動は常にお客様の課題発見に務める。ベタですがこれにつきると思います。例えばBroken AuthenticationやSensitive Data Explosureは、どんなに注意してSolutionを設計/実装/運用していても潜在的な問題を抱えているケースがほとんどかと。

 お客様自身も理解していない潜在的な課題をあぶり出して大事故が起きる前に対策を提言し続けることは、営業チームに所属する専門家だけのミッションでは無く営業活動に携わる全てのメンバーに共通するミッションですね。


 かつ人間の悩みや欲望には際限が無いため、課題発見の活動には終わりがありません。お客様も人間ですので、"あれはどうなってるんだっけ? これは大丈夫なんだっけ?  xxさん(Solutionを提供する側)何とかなりませんか?"となるかと思います。

 この会話に延々と付き合っていては、お客様のプロジェクトも前に進まないのと同時にSolutionを提供する側もいつまでたってもCommitできませんね。

 課題発見の活動を継続すると同時に、発見した課題の優先順位を整理して各々に対する端的なSolutionを提示しながら期限を切ってプロジェクトを前に進めることが寛容です。


 私自身100%自信はありませんが、この活動を続けることがSalesのForecasting精度を上げる近道かと思います。Close直前になって、"こんな要件があるんだけどxxさんのSolutionではできますか?"と言った、誰も聞きたくない会話は避けることができるはずですね。

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