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マインドフルネスの脳科学:デフォルトモード・ネットワーク

今回は脳科学の観点からメモ.

認知機能(注意や記憶,遂行機能など)は,
つまり,私たちの脳の働きは,
機能局在と側性化,そして神経ネットワークの協調
によって成り立っている.

神経ネットワークは既に10個ほど発見されているそうであるが,

今回,取り上げるのは,
デフォルトモード・ネットワーク(Default Mode Network)
について.


◆デフォルトモード・ネットワークとは
デフォルトモード・ネットワークとは,
安静時・休息時に活動している神経ネットワーク,
つまり,「ぼ~っとしているとき(=脳のアイドリング状態)」
の神経ネットワークである.

Default:普通.標準.


デフォルトモード・ネットワークの構成部位
デフォルトモード・ネットワークには,
以下の部位が関与するといわれている.

前頭前野内側部(mPFC)
後帯状皮質(PCC)
楔前部
角回
側頭頭頂接合部(TPj)
海馬(HF+)
脳梁膨大後皮質(RSC)
下頭頂小葉(plPL)

このデフォルトモード・ネットワークの特筆すべき点は,
安静時・休息時のネットワークであるにもかかわらず,
60-80%のエネルギーを消費しているという点である!!

そして,脳が活発に動いているときは,
この状態から5%ほど多くエネルギーを使うだけである.

私達の脳は休んでいる時に,
意識的な反応に使われる脳エネルギーの20倍も消費しているのである.


デフォルトモード・ネットワークの働き
デフォルトモード・ネットワークには,
以下のような働きと関係するといわれいる.

自己モニタリング
 (自分の頭の働きと行動を自分で知って調整する)
内省・内観
 (自分自身の心のはたらきや状態をかえりみる)
空想 
過去の記憶 
未来の想像 
社会的認知 

このように,
デフォルトモード・ネットワークは様々な内的思考に関連している.

つまり,過去のことをクヨクヨ考えたり,
将来を心配しているときは,
デフォルトモード・ネットワークが活動していることになる.

したがって,このような時は,
マインドフルネスとは逆の状態である
「マインドワンダリング」「マインドレスネス」
といった状態になっているということである.
(それはいけない)

デフォルトモード・ネットワークは,
雑念が浮かびやすいネットワークともいえる.

休日にどこにも行かず,
家でゴロゴロして身体を休ませたとしても,
脳の中で過去の後悔やまだ来てもいない未来の心配をしていたとしたら,
脳の中では,デフォルトモード・ネットワークを常に活動させてしまい,
脳が疲れた(”脳疲労”)状態を作り出してしまうということになる.
(こんな人多いかも)

デフォルトモード・ネットワークの活動をうまくコントロールすることが,脳疲労の軽減には重要といえる.

では,どうやって??


◆マインドフルネスとデフォルトモード・ネットワーク
マインドフルネス瞑想に,
「慈悲の瞑想(思いやりを育む瞑想)」というものがあるが,
この瞑想を行うことによって,
デフォルトモード・ネットワークの構成部位である
内側前頭前野後帯状皮質の活動が低下することが報告されている(Brewer,2011).


脳の疲労をとるには,マインドフルネス瞑想が効果的なようです.


【文献】

・Brewer J(2011)Meditation Experience is associated with differences in default mode network activity and connectivity. Proceedings of the National Academy of sciences 108(50):20254-9. DOI:10.1073/pnas.1112029108

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