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今日は、姉という社会のはなし(11-8)

今日は、姉の話しをしようと思う。
わたしには
6歳年上の兄と、5歳年上の姉がいる。
ふたりは年子で、わたしだけすこし年が離れた
そんな3にんきょうだいです。

小さな頃の兄と姉の写真を見ると
兄の方がやんちゃな表情を見せていて
第二子である姉の方がどこかすまし顔。

うちのはす向かいには駄菓子屋があったのだが
そこで、ありたけのお札を小銭にくずして
しまったことがあるとか(程度は不明)
なんともかわいい話があって
年子の兄姉はいくつもの経験を共有して
すくすく育ったのだろうな、と思う。

が、末のわたしの記憶の中では、
とにかく姉が緊張する相手だったってこと。

あれはまだわたしが保育園に通っていた頃。
当時は土曜日に半ドンといって学校があり
土曜日の保育園のお迎えは、
小学校帰りの兄や姉だったことがある。

もしかしたら年長時の数回かもしれないが
わたしは本当にその日がイヤで
プレッシャーから帰りの身支度に焦った。

その日のお迎えは兄だった。

わたしはちょっとうんちがしたくて
でも急いでいたから言い出せなくて
がまんして、
兄のこぐ自転車の後ろに乗った。

帰り道には線路を渡る。下り坂。
たぶんその振動で・・・
出てしまったのよね。(失礼)

家に着いても
自転車から降りようとしないわたしを
兄は放って家に入り
じきに、姉がやってきた。

「早く降りなさいよ!」
そのようにきつめに言われたのだろう。

わたしはおしりを気にしながら
どうにかこうにか家に入り
2階のトイレにひとりでこもり
困り果てて泣いていた・・・

お昼ご飯はたいてい、
保温機能の炊飯ジャーに母が
朝のうちにピラフやらチャーハンやらを
作って入れていてくれた。

皿に盛りつけした姉が、また
ご飯できたよーと、呼んだのだろう。
呼んでも呼んでも降りてこず
仕方がないので見に来てみたら、
もらしたうんちの処理ができずに
6歳の妹が泣いているわけだ。

かわいそうだ。
かわいそうでたまらないけど、
姉だってかわいそうだ。
まだ11歳。
今の息子と同い年だもんな。

姉は、母の勤め先に電話をかけて
ことの顛末を話し相談している。
姉も半泣き。そりゃそうだ。

でも、母はいつだって頼りになる姉を
頼りにするしかなかった。

「ふいてあげなさい」

その一言が受話器からもれ聴こえた記憶は
事実なのかなんなのか。

以来、わが家では歴史に残る
名ゼリフになっており、大いに笑い話だ。
家訓にしたいくらいです。

つづく。

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