見出し画像

わたしと、あなたのそのさかい

1才5カ月になった娘のことばについて。

なかなか子どもが母の名を呼ばないというのはわりとよく聞くこと。
ママだったり、かぁだったり、そしてうちは「かか」
それがわたし=母の呼び名。

発音としては「まま、まんま、まーま」はわりと早い段階で出てくるけど
それでもなぜか、「ままって言ってくれる前になぜか」
にーにが出た、パパが出た、そういう母の嘆き?はわりとあって
そしてうちは「とと」も出た。

息子のときもそうだったようなっと気がする。
か行はハードル高めだよね。
でもそういうことだけじゃなくて、母を名詞で呼ばないのには
ちょっとワケがあるような気がしたりして・・・?

というのもとても興味深い、この言葉の習得と発露の時期。
ちーちーが出て、わんわんが出て、ばいばーいのようなものが出て、
コミュニケーションが楽しくなってきて、
兄を呼ぶ「にぃに」を獲得したとき、娘は本当にうれしそうだった。
それまでとは違う、お気に入りを見つけたというような具あいで
気がつけば、自分の名の「はな」もつけて
「にぃに、あーな」と言いまくるようになった。
コップがならんでいれば指差し、「にぃに、あーな」
くつがならんでいれば指差し、「にぃに、あーな」

涙が出そうなほどかわいらしいその発音が、わたしや夫だけでなく
息子の胸も射抜いていた。
そしてあわよくばと、自分も呼んでもらいたくなる。
ととだよ、かかだよー。
ととは、息子もそうだった。わりと早い段階で出していた音。
それが父親をふりむかせる言葉なのだと、あとから気づくパターン。

問題は、かか。今のところ、一度も出てない。
言わせようとすれば口を紡いできたりする。

そんなある日、わたしと顔をつきあわせて音あそびをしていた娘が
わたしの鼻先を指でちょんちょんとして、そして考えて・・・
ものすごく照れたように笑ったときがあった!

わたしはそのとき感じたのです。
もしかして、娘は、わたしのことを
自分の一部だと思っていたんじゃないかなぁと!
そしてまさに今、「あ、このひとにも名前があるみたい」と
天啓のように気がつかれたのではないかしら、と!

子どもの成長は緩やかな上り坂ではなく
ぐんっと急に高い階段を一段あがるようなときがあるそうな。
白黒に見えていた世界が朝起きたら、カラーになった、とか。
分かりきることのできないところだけれども、だからこそ、
赤ちゃんや乳幼児が夜泣きをしてみたり、急にぐずってみたり
そういう境の日があるらしいと。何かで読んだことがある。

わたしはあの日の娘のなんともいえない照れくさそうな笑顔の日、
娘のちょっと大人になった瞬間を見たような気がした。

そう、あなたとわたしは別の人間。
会えて嬉しい! 改めてよろしくね。

わたしの創作活動をサポートしてくださる方がありましたらぜひよろしくおねがいいたします。励みとし、精進します。