【7日間ブックカバー】 3日目 - 岡本太郎のフォト・ルポルタージュ『岡本太郎の東北』
Facebookの仲間達からバトンが渡されて7日間ブックカバーを開始。これは備忘録として記録しておきたい。
【7日間ブックカバー】3日目 岡本太郎によるフォト・ルポルタージュ 『岡本太郎の東北』
岡本太郎は1938年パリ大学のソルボンヌで民俗学を学び、専門領域にオセアニアを選んだ。この頃、著名な写真家のマン・レイやロバート・キャパ達との交流もあった。
この本は、1950年代の東北を描写するフォトルポルタージュで、彼の洞察力に富んだ写真と文章による「東北文化論」である。本の腰巻に書かれているように、岡本太郎はこの時「カメラを持ったシャーマン」として、日本文化の源流を求めて東北に旅立った。私は彼の書籍を色々読んでいるが、視点もさることながら、言葉の選び方にいつも圧倒され、また熱狂する。この本における、彼の民俗学者としての洞察は、私の大いなる共感を呼び、彼の奇をてらわない語り掛けるような写真によって、私は1950年代の東北を、彼と一緒に旅したような気になった。
岡本敏子が寄せる序文にこう書かれている。
「岡本太郎が東北に寄せる情感には特別なものがあった。血が騒ぐのだ。縄文の故郷だから、とか頭で考えて辻褄を合わせたような偏愛ではない。"恋は思案のほか"と言うが、とにかく彼はあの風土と人間に、並々でない共感を抱いてしまう。まづ、あの緑が好きだった。みずみずしく、深く、ぶ厚い。グリューネワルトだと言っていた。丁度、ヨーロッパがまだ緑に覆われていた頃、ケルトの、無限のうねり、変転し、くぐり抜けては回帰してゆく組紐文の世界観が、その緑の神秘から生み出されて行ったように。縄文の、直接四次元の世界と対話するあの呪術的な、彫りの深い造形は、濃くみずみずしい緑の天地から培われたに違いない、と彼は思っていたようだ。」
2002年に発行された、とても素敵な本!
【目的とルール】
●読書文化の普及に貢献するためのチャレンジで、参加方法は好きな本を1日1冊、7日間投稿する
●本についての説明はナシで表紙画像だけアップ(書いても良い)
●都度1人のFB友達を招待し、このチャレンジへの参加をお願いする
【バトン】
バトンは、私の大切な友達の1人の Yuichi Inobori さんに渡します。日本出張時にいつも語り合うけど、時間がいつも足りなくなるほど、色々な話で盛り上がる。
サポートどうもありがとう。あなたのサポートがあれば、私の書くことへのpassionはもっともっと続くと思う。