![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/27420204/rectangle_large_type_2_b1855b35a239bffe6d0f04767a95a371.jpg?width=1200)
ゴルフ青木翔コーチが実践した「教えないコーチング」
私は2019年の秋からゴルフを始めました。
正確にいうと20代独身の頃に数回コースに行ったことがあるのですが、大人になり、健康のために長く楽しめるスポーツとしてちゃんとゴルフを習い始めたいと思ったのです。
私がゴルフを再開した頃は、渋野日向子さん(愛称しぶこさん)が「AIG全英女子オープン」で、日本人女子選手として42年ぶりの海外メジャー優勝を果たした話題で持ちきりでした。
ゴルフ超初心者の私も彗星のごとく現れたしぶこさんのエッセンスに触れるべく、この試合のDVDに目を通しました。
しかし、このDVDで私が気になったのはキャディーを務めていらした青木翔コーチの方でした。
この方が、しぶこさんの急成長に欠かせないコーチであったことは容易に想像できました。
このあたりの私の感想は以前書いたこちらの記事をご覧になってください。
青木翔コーチがしぶこさんにどんな「魔法」、いえ「指導」をされたのか気になっていたところ、最近になって青木翔コーチの著書が発売されました。
『打ち方は教えない。』
この本はゴルフ指導の域だけではなく、ビジネス場面での部下指導にも言及した内容になっています。
スポーツの指導者は、選手やチームが結果を出してこそ評価されます。
ビジネスシーンでも、指導する立場になったときには部下や統括しているチームが結果を出すことで、組織の内外で評価されます。
青木コーチははじめから「失敗しないコーチ」だったかというと、そうではなかったとご自身でおっしゃっています。
独立したての僕も「いいスコアで回らせたい」「試合にも勝ってほしい」と必死になっていて、時には感情的に怒ってしまうようなこともありました。 ですがその思いとは裏腹に、なかなか結果を出すことができません。そのためさらに厳しく教える、でも結果が出ないというような期間がしばらく続きました。いつしか 成果を求めるあまり、技術を詰め込む教え方になってしまっていたのです。・・『打ち方は教えない』より抜粋
「技術を詰め込む教え方ではだめだ」と気づかれた青木コーチが、どのように選手の能力をメキメキ延ばすコーチになられたのか?
本書の中から、いくつかそのエッセンスを学ばせていただきました。
失敗は悪いこと?
「失敗こそ成長にとって大切なこと」
青木コーチは、未熟な選手が失敗しそうな場面に遭遇したときには、あえて失敗を回避するアドバイスを避けるそうです。
教えたくなるそうですが、ご自身を制御してアドバイスを我慢するとのこと。
そして選手が失敗したときには、
「どうして失敗してしまったのかな?どう思う?」
と聞くそうです。
そうすると、選手なりに考えて答えたことが的を得ていることも多く、そのようなことが重なって、打ち方を教えるのをやめて選手にヒントを与えるようになったとのことです。
教えることで受け手は思考を止めてしまう。
教えなければ考え始める
また「失敗させる」から選手の辛い思いを共有することを大切にしているとのことです。
選手が失敗したらネガティブな気持ちになるはずなので、コーチが笑っていることでメンタルのサポートをしているとも。
ゴルフの試合では、青木コーチの方が選手のしぶこさんよりも大きな笑顔でいらっしゃる理由なのですね。
「やらされ選手」から「自立選手」へ
指導者や上司は選手や部下への「ティーチング」と「コーチング」のバランスが大切と言われます。
選手や部下が経験値を積み自分で考えることができ始めているのに、コーチや上司がいつまでも「ティーチング」の域の指導しかできないと、その成長の芽を摘むことになると思います。
指導する立場の人に多く見られるのが、細かい形のことばかり教えてしまうという点です。
皆さんも助言を求められた際、形の部分を五月雨式に指導してしまった経験はないでしょうか。・・本書より抜粋
青木コーチは書籍の中で選手の自立のサイクルをわかりやすく説明されています。
【自立のサイクル】
①課題を見つける
②考える
③答えを出す
④やってみる
①~④を回す
この自立のサイクルが回ってくると、コーチや上司がサポートする場面が徐々に減ってくるはずです。
「自分で考える選手に(部下に)なってもらいたいが、なかなか成長しない」と悩みがあるときは、指導方法の移行ができているかを振り返ってみることも必要かもしれませんね。
選手が覚醒する条件
「一皮むける」という表現もあるかと思いますが、地下で温められたマグマが噴出するように選手や部下が結果を出したときは、指導者冥利につきますね。
青木コーチは、このような覚醒の条件として次のような経験則を持っていらしてます。
選手が自分の長所を把握し、それを使って成果を得ること。
武器として持っていた長所を使いこなせるようになったときに、覚醒は起こる。
この正反対に位置することは、欠点を修正するように指導することだそうです。
欠点の修正はやるべきことではあるけれど、優先事項ではないとのこと。
気持ちを言葉にして伝える訓練
選手の自主性を育むには、気持ちを言葉にする訓練が大切だそうです。
気持ちを言葉にしようとするとき、頭の中では自分を客観視しています。
ちょっと離れたところから、自分をみる能力が課題発見、問題解決に欠かせない。・・本文より抜粋
自主性と客観性は、能力を伸ばしていくために関連の深い性質なのですね。
冒頭でご紹介した通り、青木コーチは初めから「できるコーチ」ではなく、結果を出しているコーチから学ぼうという姿勢がありました。
書籍の中でも紹介されていますが、野球のコーチである吉井理人さんから学んだ部分が多いとのことでした。
ここでご紹介したコーチングに関わる本は、スポーツの指導者でなくても、仕事で部下の育成に関与する立場にある方や、育ち盛りのお子様の親御さんにもお勧めの本です。
(^^♪
青木コーチの書籍の後半はゴルフの練習方法も公開されており、私はここもしっかりチェックさせていただきました!
ゴルフは基本が大切で、練習あるのみだと理解しましたよ!
(*´ω`)
*ビジネス・コミュニケーションについて思考した記事を集めています。
こちらもどうぞご覧くださいね。
(^o^)丿
この記事が参加している募集
皆さんに支えられて、noteを継続することができています (^-^) これからも皆さんの応援ができたり、ほっこりしていただける発信をしていきたいと思っています。