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おいしい食べ物とまんぷく感は人類を救う

私が住んでいる高田町内には自分と同年代くらいの移住者たちが住んでいるシェアハウス、「まんぷく荘」がある。
そこの住人たちはみんな雰囲気がゆるい、というか柔らかい。

遊びに行って鍋を食べながらジュラシックパークを観てたとき、恐竜たちが暴れ始めてエグいシーンが流れるのを横目に「なんでこの辺で婚活系イベントが盛り上がらないのか」「なぜ婚活イベントに女性が参加しないのか」という話題に。
(近々この手のイベント主催者から相談を受ける予定の住人がいたので、その話をしてた。)

たしかに、前に高田でやってた婚活イベントは女性が全く集まらなかったって聞いたし、そもそもこういう小さな地域でその手のイベントが当たるのかって言われると、うん……って感じ。

婚活!結婚!合コン!街コン!

なんだろう。言葉の圧力があるからなのだろうか。
この単語が付いてるイベントに魅力を感じない。

そしてなにより、地元の独身者たちが参加しづらい1番の理由になるであろう、イベントで知り合いに会ったときの気まずさ。
都会のように人がたくさんいて、知り合いに会う可能性が限りなく低い土地なら参加しやすいけど、田舎でイベントをやった場合、知り合いに会う可能性はめっちゃ高い。

知り合いに遭遇して、お互いに「こいつ結婚焦ってるんだな」って考えてるんだろうなって思ったら、それだけでなんとなく消えたくなりそうだ。
想像してなんとも言えない気分になった。

そんな気分になるなら、昔ながらの世話焼きおばさまたちに結婚の仲人をお願いした方がよっぽどいい。

人が恐竜にかじられるシーンを横目に、各々がそんなことを話す。

こういう事を考えると、地方や小さい町単位で婚活お見合いイベントを開こうと思っても、参加ハードル自体がかなり高いことがわかった。
密接なコミュニティで成り立っている地域では、婚活お見合いイベントはどうしても知り合いの目が気になってしまう。

婚活目的なイベントより、趣味や楽しみを目的として誰でも気軽に参加できるイベントにしたほうが参加しやすいのでは? 最後はそんな感じでまとまって、その話は終了。
たしかに、そっちの方が参加しやすい。

この話をした数日後、まんぷく荘の住人たちは自分たちでその答えを現実にした。

ほんまる食堂。

一関や石巻、気仙沼など、いろんな地域にキッチンカーでお店を出している飲食店さんを陸前高田に呼んで、中心市街地にある広場で「食べる」ことをメインとしたイベントが行われた。
自分たちで「まんぷく荘」と命名したシェアハウスの住人らしい企画だ。

日曜日開催だったから家族連れがたくさん来てたり、友達同士で食べ歩きをしてたり、お母さまたちがのんびりコーヒーを飲んでたり、居酒屋のマスターがライブイベントしてたり、おしゃれレストランのシェフが料理教室を開いてたり、年齢や性別に関係なく来れるからなのか、とても賑わっていた。

まんぷく荘の住人たち曰く、高田にこんなに人がいたのか⁉︎って思うレベルで来場者が来たらしい。それ、めっちゃすごい。
企画も集客力もだけど、準備段階から発信して、まんぷく荘の住人たちが1番楽しんでいたのがよかったのかもしれない。

ジュラシックパークを観ながら話してた話は、このイベントがひとつの答えになったような気がする。

特定の人に限られるイベントよりも、誰でも参加できるイベントの方が様々な交流が生まれやすい。人目を気にしたり、誰かを見つけなきゃ的なこともないし、ふらっと気楽に行ける感じがいい。
密接なコミュニティだからこそ、たくさんの地元民を巻き込めるイベントの方が地方には合っているのかもしれない。

このイベントを終えて、婚活イベント主催者から相談を受けるまんぷく荘の住人さんはどう相談に答えたのだろうか。
どういう話になったのか、今度聞いてみよう。






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