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私(ダルマ)の仏教理論

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私(筆者)の考え等に関する記事を主にまとめたものです。
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#仏性

識の三層と照明・形象の関係

識の三層と照明・形象の関係

唯識思想において、識(心)の「阿頼耶識・末那識・六識」の三層表記はよく知られていると思いますが、識(心)を「照明や形象」で表す表記はあまり知られていない部分なので、簡単にまとめておきたいと思います。

【阿頼耶識】(照明+形象)○阿頼耶識の深層(照明)
阿頼耶識の中心部であり、如来蔵、空性、光り(浄く)輝く心、真如、仏性、自性清浄心、法身、法性、清浄法界など様々な異名があります。主観と客観、即ち末

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【輪廻】一切衆生悉有仏性

【輪廻】一切衆生悉有仏性

古代インドでは、人間は神々と動物の中間的存在と考えられていたようですね。人間は神々になりたいと常に願い、目指しながらも地上の動物的欲望に束縛されて、それが実現できないでいるような存在と認識されていたように思えます。

しかし、仏教では神々と人間の扱いが上記のような考え方と異なります。仏教では、生きとし生けるもの(衆生)の輪廻する範囲(趣)を五種(六種)あるとし、人間より優れた上位の生命体として天界

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大乗起信論①

大乗起信論①

しばらくインド密教を見てきました。即身成仏の思想や修行の実践方法など、大乗仏教と異なる点も多く見られますが、哲学的な理論についてはほぼ同じ、即ち、大乗仏教が「空」と消極的に表現した真理を密教は「法身大日如来」と積極的に表現しているだけの違いのように思われます。

さて、今回からまた大乗仏教の思想へ移ります。おさらいになりますが、中期大乗仏教に含まれる唯識思想と如来蔵思想は、どちらも初期大乗仏教の経

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