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意味の「編集」こそが、イノベーションの起点となる

北欧では、小さな子どもは遊びながら学ぶのが当たり前なので、おもちゃというカテゴリーに分類されています。Educational Toyとは呼んでいません。

でも日本では、それを知育玩具と再編集したことで、知育を目的にしたおもちゃということが伝わり、非常に売れたのです。

私はこうして「北欧ブランド」を再編集した

顧客は必ずしも「新しいもの」を望んでいるわけではない。「新しい」からイノベーティブなわけではなく、イノベーションが必然的に起こるわけでもない。

技術革新によってどんなに社会が変化していこうとも、顧客が本質的に望むことは古来からそれほど大きく変化はしていない

技術革新によって起こった変化に惑わされて、顧客に向き合うのではなく、曖昧模糊としたマーケットや手段にすぎないはずの技術にばかり目を向けてしまえば、イノベーションからは遠ざかってしまう。

日本人がよく陥りがちなのは「過剰仕様」だ。とにかく「より良いものを」という追求をし続けた結果、顧客が本来必要としているものよりも過剰に高いスペックで製品を提供してしまうなんてことはざらに起こっている。

冷蔵庫や洗濯機などの家電をみればそれは一目瞭然だ。必要のない機能が山ほど搭載されていて、しかも高い。顧客行動を起点に考えてみれば、ただ「洗濯がしたい」「冷やせればよい」というニーズに対しては過剰仕様となっている。

そりゃ安くてそれなりにかっこよくて、ただ洗濯ができる・ただ冷やせる中国メーカーの家電が日本でも売れていくはずだ。今や家電量販店の売上のマジョリティは日本メーカーには存在しない。

顧客にとっての「意味」。イノベーションはここから始まらなければならない。

顧客は現在どんな行動をしているのか。そこにはどんな価値観によって裏付けられているのか。本当に必要としているものは何か。その裏側にはどんなペインやゲインがあるのか。

顧客にフォーカスすれば自ずと見えてくるインサイトがある。安易に過剰仕様を提供するのではなく、そこに真に向き合って、意味を定義し、編集することこそが、イノベーションの起点となる

競合他社と比較したときに、そこに「私だけが気付いた真実」があるならば、それは世界を変えるイノベーションへと繋がっていく。

切り口を変えて提案することで、新商品でなくても、新しく見せることができる



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