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「自分たちは何屋さんか?」にクリアに答えられることが、イノベーションの始まり

ただ、私たちが目指しているものは、リフォームが主軸ではないのです。

リフォームの設計を通して、「従業員の睡眠状況のチェックを健康経営に取り入れませんか」と受注を受けた企業に提案するのが本当の狙いです。

健康経営は、経営者が頑張れば頑張るほど従業員は冷めていくことがある。

例えば「禁煙しろ」「酒を飲むな」「階段を使え」と言われるのは、従業員にとってはハッピーじゃない。

でも睡眠の改善は双方がハッピーだし、例えばある部署だけ負担が偏っているといった異常を察知して、経営者に伝えることもできる。

寝具の老舗がオフィスのコーディネートを始めたわけ

新規事業やイノベーションに取り組むにあたって、必ず自らに問いかけるべき質問がある。

「自分たちは何屋さんか?」

案外これを正しく言語化できる人は少ないように感じる。

正しく言語化できれば、顧客に本質的な価値の追求にこだわることができる。既存事業を足枷にせずに新たな挑戦にどんどん挑むことができる。

正しく言語化できなければ、フォーカスするポイントを見誤る。顧客の求める本質的なニーズとはかけ離れた価値を提供し、結果として他の場所で起きた破壊的イノベーションのインパクトに、ディスラプトされる未来が待ち受ける。

例えば、この記事のケースの場合。

自分たちを「寝具屋」と定義すれば、寝具の仕様にしかこだわれなくなる。

「快適な睡眠の提供」と定義すれば、領域は寝具にとどまらなくなる。軽々と越境することができる。

「自分たちは何屋さんか?」という質問は、パーパスの設定と同義だ。何のために自分たちが存在するのかという目的をはっきりさせることが、そのままイノベーションの領域の定義に繋がる。

製品はパーパスを達成するための手段に過ぎない。手段を目的化すれば、イノベーションは矮小化する。目的は目的のまま見据えていかなければならない。

パーパスの設定がイノベーションの起点。固定観念をぶち壊すためにこそ、正しく定義する必要がある



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