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プラットフォームを作りたいなら、プラットフォームから作ってはいけない

僕らも局地戦にしようという戦略なんですよ。価値観は複雑化・多様化しているので、マスを狙っていくと雲を掴むようなマーケティングになってしまう。

ターゲット層をしっかり決めて、そこに向けたプラットフォーム作りやコンテンツ選びをしていく必要があります。僕らは明確に、強みであるサブカルのナンバーワンプラットフォームを目指すというところに今、舵を切っています。

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大手企業の新規事業を作る仕事をしていると、かなり多くの新規事業企画で「プラットフォーム」という言葉を耳にする。

顧客との接点を広告や販売代理店、量販店などに任せっきりにしてきたからこそ、顧客との接点を作りたいという気持ちがそこに滲み出ているのだろうと理解する。

元来プラットフォームとは、演壇、舞台、(駅やバスの)乗降場を指す言葉。ビジネスにおけるプラットフォームにはその「場」の意味が転用されており、「さまざまなプレイヤーが1つの場で協業しながら、顧客に新たな価値を提供するエコシステム」のことを指している。

安易にプラットフォームという言葉を新規事業企画に入れ込む人は、ここで重要な「さまざまなプレイヤー」と「価値を提供」という2つの観点が抜け落ちて、解像度が低くなってしまっているケースが多い。

自社と顧客の接点を単に作るという話はプラットフォーム・ビジネスではない

プラットフォーム・ビジネスは、自社に限らず時には競合さえもそこに乗っかることによって、顧客への提供価値が飛躍的に高まる状態に至るものを指す。そういう意味でプラットフォームとエコシステムは同義と言っても過言ではないだろう。

また「価値を提供」することも疎かにしてはいけない。単に「場」だけを作れば顧客もさまざまなプレイヤーが集まるわけでもない。それは自明の理だ。

そう考えるとまず最初に何をすべきかは自ずと明白になる。

顧客ターゲットを定め、彼らにとって価値の高いコンテンツを提供することだ。顧客がそこで熱狂し、繰り返しトラフィックが集まるようになれば、それはもうプラットフォームと同義だ。

人が集まればさまざまなプレイヤーも乗りたくなる。そこで機能的にプラットフォームを開放していく。人が集まれば集まるほど価値が高くなり、その価値がまた人を集めるという好循環の構図を作る。これでプラットフォームビジネスが完成する。

あとはその好循環がさらに回っていくように、機能やコンテンツを増やしていけばいい。

プラットフォーム・ビジネスを志向することを最初からお題目として掲げるのはいい。しかしプラットフォームそのものをいきなり作り始めても、顧客もステークホルダーも誰も使おうとは思わない

まず最初にターゲットをしっかり見定めて、顧客が熱狂するコンテンツを1st Partyないし2nd Partyとして提供することから始めなければならない。



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