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昭和・平成の適材適所は、令和の適材適所ではない

事業が成長し、なおかつ個人も成長する。人材の流動化が進むことで、その両立ができている企業に人が集まるようになります。
そもそも、人が成長したら事業はさらに成長するはずです。結果、人への投資が増え、さらに事業が成長するという循環ができます。

日本で特に問題なのは、成長していない事業に優秀な人材がたくさんいることです。
優秀な人が、(事業成長につながる仕事ではなく)コストカットを必死にやらされます。
しかも、優秀であるがゆえにコストカットで成果を出し、負のスパイラルが加速します。

「成長」と「適材適所」なくして給料は上がらない

人口増加はマーケット拡大であり、経済は成長し、景気はどんどんよくなる。特に戦後の焼き野原のモノが何もない時代には、それが高度経済成長に繋がった。

モノは作れば作るほど売れる。会社はどんどん成長する。そんな時代には年功序列でよかったのだ。年長者の過去の成功体験的ノウハウ通りに、モーレツに働けば必ず成果は出た。

年功序列が必ずしも悪なわけではない。時代の変化に合わせて適切な組織戦略と人材開発戦略を講じなければならない。人事もパラダイムシフトをしなければならないのだ。

変化の激しく、未来に不確実性の高い現代において、経営も組織も人事も人材開発も何から何まで過去の知見は通用しない賢者ではなく勇者に挑戦させなければならない

未来を切り拓くのは経験豊富な年寄りとは限らない。年齢も職責も職能も関係ないのだ。

むしろ年寄りにはそれは難しい。40歳も越えれば、未来の扉を切り拓く可能性はほぼゼロになる。

むしろ若い人や未経験の人の方がポテンシャルがある。過去の延長線上ではない未来を切り拓くイノベーションの本質は「現在の当たり前を否定し、未来の当たり前を創る」ことに他ならないから。

抜擢人事が失敗することはある。それを持って全てを悪と捉えるのは間違っている。人的投資は「投資」だ。多少のそのリスクを背負っても、トータルで回収できれば良い。

未来を切り拓く凄腕イノベーターが、そこからたった一人でも生まれれば、会社の未来は明るい。

既存事業の単なるオーペレーションや未来に繋がらないコストカットを、優秀で可能性がある人材にやらせるだけにとどまらず、そこで成果を出している人材にこそ、積極的に挑戦をさせるべきなのだ。

昭和・平成の適材適所は、令和の適材適所ではない。令和には令和ならではの適材適所を見出すために、人事のパラダイムシフトから始めていかなければならない。

経営は人だ。つまりは経営のパラダイムシフトから始めていかなければならない。さもなければ、時代の変化の中で迎えるべくは死のみだ。


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