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希望とは「未来に対してつく嘘」であり、「未来を切り拓く力」である

✔︎ 希望とは未来に対する嘘であり、その嘘が人間を前進させる力となる
✔︎ 現実の苦痛に立ち向かうためには、希望を信じ続けることが不可欠である。
✔︎ 嘘とわかっていても、未来への希望を描き続けることで、新しい未来を切り拓くことができる。

#イノベーション #ビジョン #希望


希望とは人間がつく「嘘」である

私たちはよく「希望を持て」と言われる。希望があるからこそ、困難を乗り越え、前に進む力が生まれると言われる。成熟した意識を持つ人間という生物は、過去の経験から未来を予測する能力を持っており、この能力こそが人間を「人間たらしめる」ものだ。しかし、希望とは一体何なのだろうか。

哲学者フリオ・カブレラが語る「希望とは、未来に対してつく嘘である」という言葉が示唆するように、希望はただの幻想であり、人間が自らを欺く手段に過ぎないのかもしれない。果たして、希望は本当に私たちにとって必要不可欠なものなのだろうか。

苦痛を避けるために希望を抱く

人間は生きている限り、必ず「死」に向かって進む。これは避けられない現実だ。そのため、私たちは生まれた瞬間から、常に「生」と「死」という二つの側面を持ち続けている。

「死」という確信は、「生」の欲求と摩擦を起こし、そこに苦痛が生じる。しかしその摩擦こそが人生の意味を求める性質を刺激する。人生に意味を求めるが、それが満たされないためにさらに苦痛が生まれる。

このような苦痛から逃れるために、人間は意識的に自らを欺く手段を取るしかない。意識の苦痛を無視し、希望という「未来に対する嘘」を信じることで、少しでも苦痛を和らげようとするのだ。希望がなければ人間は生きられない。

しかし、その希望自体が本当に存在するものなのか、それとも単なる幻想に過ぎないのかは定かではない。人間は人間であることの苦痛から逃れるために、意識的に希望という幻想を抱き続けるのだ。

希望が持つ力

希望とは人間が意識的に作り出した「嘘」であり、その嘘がなければ私たちは生きられない。希望を持つことが私たちに力を与えるのだ。

希望がなければ、私たちは生きることそのものが苦痛に満ち、前に進むことができなくなる。希望は、現実の厳しさや苦痛から目を背けるための「嘘」として機能するが、その嘘があるからこそ、私たちは生き続けることができる。

希望を抱くことで、私たちは未来を信じ、困難な現実に立ち向かう勇気を持つ。現実に向き合い続けることが困難な時、希望という幻想が私たちを支え、前進する力を与えてくれる。だからこそ、希望は嘘であっても、それがなければ私たちは進むことができない。

壮大な嘘としての希望を描き、前に突き進む

希望が「未来に対する嘘」であることは、多くの人が直感的に理解しているだろう。私たちは、未来がどのように展開するのかを完全に知ることはできない。実際、何が起こるかは誰にも分からないのだ。

だからこそ、私たちは未来が今よりも良くなると信じることで、日々の生活や仕事に意味を見出し、困難に立ち向かう力を得る。この「嘘」は、私たちの生きる力を形作り、前に進むためのエネルギーを供給するものだ。

例えば、起業家はビジョンやミッションを掲げて挑戦を始めるが、その成功が保証されているわけではない。それでも彼らは自らが描いた壮大な未来を信じ、前に進み続ける。この信じる力、つまり希望がなければ、多くの困難やリスクに対して折れてしまい、挑戦を続けることはできないだろう。希望が未来に対する嘘であることを認識してもなお、それを信じて突き進むことができるのは、私たちが人間であり、意識的にその嘘を選び取る力を持っているからだ。

さらに、この希望という嘘がなければ、社会や組織におけるイノベーションも進まない。イノベーションとは、現状を打破し、未知の領域へと進む勇気の結果であり、その背後には「未来が良くなる」という信念、すなわち希望がある。希望という嘘を描き、それを軸に組織やチームを動かしていくことで、私たちは新たな地平を切り拓くことができるのだ。

だからこそ、未来が不確実であり、その希望が嘘だとしても、それを壮大なビジョンとして掲げ、前進し続けることが重要だ。希望が「嘘」だと気づいたとしても、それを恐れる必要はない。むしろ、その嘘を描き続けることで、現実の世界に少しずつ変革をもたらすことができる。未来をより良いものにするために、希望という名の嘘を抱き、私たちは絶え間なく挑戦し続けるべきなのだ。

希望とは「未来に対してつく嘘」であり、「未来を切り拓く力」である

希望は、未来に対してつく「嘘」であるかもしれない。しかし、その嘘がなければ、私たちは生きる力を失い、前進することができない。希望は、私たちに勇気を与え、現実の苦痛や困難を乗り越えるための原動力となる。だからこそ、希望という嘘を描き続け、その嘘を信じて突き進むことが重要だ。

壮大なビジョンを掲げ、未来に向けて進むためには、現実の厳しさを直視しつつも、心の中で信じる希望を捨ててはならない。未来がどのような形で訪れるか分からなくても、希望という嘘が私たちの進むべき道を照らし、その先にある可能性を信じさせてくれるのだ。

希望を信じる力を持ち、その力で未来を切り拓いていこう。嘘であっても、その嘘を描き続けることで、私たちはより良い未来を創り上げることができる。


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